少年とサッカーボール
yamadahifumi

敗北した者達が微笑を湛える夜
勝者達は青ざめて震えて立っている・・・
敗北者達が勝者を殺す夜
馬は青い眼を月に光らす
ああ、この世とは一片の塵なのだ!
誰か、サッカーボールを蹴飛ばすように
こいつを思い切り、月の果てまで蹴飛ばしてくれ!
この世は腐った卵より尚悪い
浄化しようとすると更に不浄になる汚物!
せめて君の瞳を光らせて
俺の魂を焼き尽くしてくれ! 今ここで!
・・・敗者達が凱歌を上げる五月
全ては新たな霜に凍って終わった
世界は透明な霧に似て
その中で少年はサッカーボールを蹴っていた


自由詩 少年とサッカーボール Copyright yamadahifumi 2012-03-28 09:52:08
notebook Home 戻る  過去 未来