無口なソファのうえで
すみれの刺繍が眠っている
追憶の傍を 離れぬように

発話されない希望の群れが
いたる視線の向こう
ありふれた角度の曲がり道で
あなたの到着を
待っていればいいの ....
虹色の鱗を降らせるように
両手いっぱいの朝が帰還した
残雪の厚化粧を落とし忘れた山の稜線
ゆたかな崖の丸みを隔てて
磐井の流れが
怒号のように冬の重荷を河口へと吐き出す
薄氷は大地を鮮明に ....
 海の向こうでは、薔薇色の銀河が焚き火みたいにバチバチ言いながら、大陸を鷲掴んでいた。雲を殺した空の青さが、水平線を抱きしめて、時間を止めながら空間のトーンを昼下がりのハープみたいにゆったりと落とした .... 真っ白な月は
まだ青い空をカタツムリみたいに
ぼそぼそ歩いて
真っ青な母は
まだ青い僕の空に説教の排気ガスを
放射し続けるし
そんな日にかぎって
真っ黒な空は
一番綺麗な星だけを寄せ集 ....
昼下がりのあちこちで
残雪にめり込んだ風がある
そのうち一枚を手にとって
冬の毛先と春のしっぽをスケッチする

腐葉土は絵がうまかった
3月の冷たいキャンバスに
季節の終始を要約した
 ....
(無人駅を捕まえた視力に
昼の色彩が降り注いで
言葉を一匹残らず狩っていった)

こびりついた目玉
形容詞で特注した粗い網で
漁へ向かう
釣れないこと、を
釣って帰る日もあった
綺麗 ....
かなしい、

張り巡らされた路線のどこか
車窓は残像をつくるだけだし
吊り革の黄ばみは
誰かしらの時を、わたし以外の
世界の破片を蓄積させ
運びつづける

町から街へ、
昼から夜へ ....
引っこ抜かれた紅葉が
真っ黒に凝固して
光る路面の上
じっとりと持ち場を離れない

南北にかかる星のアーチ
まばたきのようにパチパチ弾けて
青白い薄雲をこしらえ
光の翼を噴射している
 ....
盆の即興演奏
磨き抜かれた墓石のように
重厚に広がる天の平野

夜空は シャンペン色の発疹を患っていた
星の高熱も 青年の村落へ墜ちるころには
地上はすでに 輝きを唄っている

いたる ....
何度目かの冬に
シリウスが描かれた
星たちはどれも
夜空の冷たい汗
三日月に触れる風光が
黄金色の鞘を象って
空をまっすぐに横切っている
羊たちのレム睡眠は
雨露といっしょに
裾野で ....
夕焼けは葡萄酒
そしてウミネコたちは翼を広げる

水平線、
海と太陽が
昼と夜を描き分けるその場所で
羽ばたきは燃える

わたしの視力が
永遠に追いつけないその場所で
世界の一部始 ....
空はうるさく、
紅茶は、すっかり生温くなっていた
じっとりとした沈黙が、
部屋中に散布されてから、
物語を見守るふたつの眼が
ゆっくり剥ぎ取られて
くり返しうつ寝返りの音
汗ばんだ背中が ....
蝉の音が、君に夜明けを告げる
ぬるい麦茶を一口だけ飲む
連日降り続いた雨が
大気に馴染んで、
呑気に夢も見させてくれない
じりじり揺れる、夏の日だ

寝起きの君は
ふらふらと窓辺へ歩き ....
布団にくるまりながら
流星群を見おくる
眠り損ねた世界中の夜に
無数の地声が
やさしいトーンで交叉する

言葉にしないと伝わらない
言葉にしても伝わらない
電線をすべる夜露のように
 ....
金色のリキュールを注ぎあって
退屈を飲み干しあう

テーブルを囲む笑い声と
つまずく呂律の足し算が
あやふやな足取りを導いて

聴いたことのないステップが
ネオン街を叩いてゆく
大袈 ....
都会の夜に咲き歩く
ビニール傘の音にまみれて
発光する液晶の向こうから
同じ待ち合わせ場所を目指す人
思いつめては煙草に火を点け
頬が緩んだらまた火を点ける

忙しない駅前の雑踏も
今 ....
昨夜は、本を抱えたまま眠る人だった

活字は描いた
夢の中へ浸水するやいなや
なめらかな黒髪の毛先を
屈強な体躯の背中を
雨露でできた葉むらの中の
縦笛のようなフクロウの響き
カミナリ ....
水たまりに響き渡る月明かりと
引き換えに濡れたスニーカーが
ぴちゃぴちゃとアスファルトに
足跡を描いた
午前0時
夜空のアトリエでは星の彫刻家たちが
田園地帯から裾野にいたる陰影と静寂を
 ....
黄色は、斜面から突き出て
首を左右に、ゆったりと揺らしている

赤色は、2階から見える屋根のそばで
うなずくような仕草で、小刻みに震えている

緑色は、尖った頭で整列し
独唱するテナ ....
1

酔いどれ船の上で
朝日を待っていました

海のない部屋で
発泡酒の空き缶を
3つ4つ潰す夜
浮かび上がる船体に
千鳥足で乗り込むだけの
シンプルな船旅

朝日は
僕らが ....
午後
湿った空のヴェールのどこか
太陽は消息を絶ったまま
まつ毛に絡まる滴たちが
小粒の昼間を映し出している

鳥の吹奏と草木の挙動は
雨粒のなかに封じ込められ
川の大移動だけが
落 ....
 鍋に汲まれた大きめの水が、ふつふつするのを待つため、また煙草を吸う。そのあとで麺が茹で上がるのを待つから、また煙草を吸う。台所を出たり入ったり、むしろ煙草のためのパスタじゃないか!、なんて思ったフリ .... 飲屋街のネオンのなかを
ふらふらしたまんま

繋いでいた手は どの「あなた」だったのか
いずれにせよ笑っていた

時のかわりに
出会いを打つ時計がひとつ
心臓のなかで ハート型に眠って ....
(飲み過ぎたコーヒーが尿意に書き換えられて
駆け込むトイレには神話と宇宙を持ち込んだ
窓の奥は 依然として空と山の色が目立っていて
近隣の川だけが 整頓された物音を流しつづけ
その規則正しい行 ....
1

視線の先では
青天を浴びた午後の花
掠れたホワイトピンクが 風を聴きながら
真珠のように黙り込んでいた

ノートを片手に 煙草を吸って
通り過ぎる景色を文字にする
開けっ放しの ....
「西へ進めば、黄金がある。」

どこからともなく
番犬の鳴き声
風が揺らす針葉樹

昼間のひと気は
万人の睡魔のうえで
蒸発してしまった

夜空は雲を
ネズミ色に塗り絵して
雲 ....
 コーラの泡で起床。長期休暇には睡魔の一団が、ツアーを組んでは1日に何度でも夢を訪れる。生活の極点は、浮気者なので、目覚めたら隣には昼の寝息や夜の寝返りが横たえられている。日によって不思議と器用に遊び .... グラスに注がれるコーラの音色が
弾けるように鼓膜を包み込むと
沸き上がる泡状の気分が
発光するワイヤードの地平に
凝結して 一輪の言葉を芽吹かせる

デリートキーを連打するたびに
言葉は ....
屋根の上に寝そべって
星空宛に 音楽を流していた
8月の夜だ
外灯で催される カブトムシの集会
縁側の鼻歌は 風鈴のしわざで
首筋にぶつかる風の粒子は
いつまでも柔らかい気がした


 ....
風呂奴(29)
タイトル カテゴリ Point 日付
無声自由詩113/3/25 3:06
いつかの冬自由詩213/3/25 2:41
_自由詩113/3/22 2:55
縁側!自由詩213/3/22 2:39
無題自由詩113/3/19 12:42
自由詩113/3/19 12:26
かなしい自由詩313/3/19 11:56
臭気自由詩112/11/14 21:06
盆の即興演奏自由詩012/8/14 22:02
シリウス自由詩212/8/12 13:34
防波堤自由詩412/7/25 1:38
雷光 Part2自由詩112/7/16 14:35
山の麓も海の日で自由詩112/7/16 14:22
雷光自由詩212/7/6 14:05
新しい夜景自由詩212/6/24 21:00
雨のち晴れ自由詩112/6/14 23:58
寝ぼけ瞼に張りついた詩自由詩312/6/6 15:03
空に還る足跡自由詩4+12/5/14 1:33
木々自由詩212/5/10 14:58
「詩は、酔っ払って落水しても溺れる心配のない便利な海だ」と言 ...自由詩412/5/9 18:46
家の裏庭でこっそり煙草を吸いながら盗んだ午後の景色自由詩612/4/26 20:44
禁煙宣言しようかな宣言自由詩2*12/4/22 15:45
ワンナイトなんとか自由詩112/4/20 12:10
おおぐま座自由詩2*12/4/17 10:21
(仮題/メモ/断片)夏にくる記憶、羅列、季節のろれつ、、自由詩312/4/15 15:50
深夜自由詩112/4/9 22:22
(断片)昼夜逆転の現象学、名前だけ。自由詩112/4/7 3:06
無題自由詩012/4/7 2:10
夜間遊泳自由詩212/4/3 1:29

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