家の裏庭でこっそり煙草を吸いながら盗んだ午後の景色
風呂奴

午後
湿った空のヴェールのどこか
太陽は消息を絶ったまま
まつ毛に絡まる滴たちが
小粒の昼間を映し出している

鳥の吹奏と草木の挙動は
雨粒のなかに封じ込められ
川の大移動だけが
落ちついた午後の歩調を
何も汚すことなく
絶えず乱していた


自由詩 家の裏庭でこっそり煙草を吸いながら盗んだ午後の景色 Copyright 風呂奴 2012-04-26 20:44:27
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