新しい夜景
風呂奴

金色のリキュールを注ぎあって
退屈を飲み干しあう

テーブルを囲む笑い声と
つまずく呂律の足し算が
あやふやな足取りを導いて

聴いたことのないステップが
ネオン街を叩いてゆく
大袈裟に音を外すたび
僕たちの喉は 夜景を揺らす


都会を抜けだして海で落ち合おう!!!


浜辺の砂が弾ける音に
耳を澄ませて夢を迎える

夜空が散らかす 星のきらめきに
シャンペンの味を思い出し
背中の砂を払いあいながら
砂浜に残してゆく 足跡の感触を

足跡は波にさらわれるけど
僕たちは その感触を
透明なスニーカーにして
また新しい街の
新しい海まで履いてゆくんだ
裸足のまんまで


自由詩 新しい夜景 Copyright 風呂奴 2012-06-24 21:00:04
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