無題
風呂奴

昼下がりのあちこちで
残雪にめり込んだ風がある
そのうち一枚を手にとって
冬の毛先と春のしっぽをスケッチする

腐葉土は絵がうまかった
3月の冷たいキャンバスに
季節の終始を要約した

空から落ちてきた葉
空へと昇る芽
わたしの指先が追いつけない
老練な若さ


自由詩 無題 Copyright 風呂奴 2013-03-19 12:42:21
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