木々
風呂奴


黄色は、斜面から突き出て
首を左右に、ゆったりと揺らしている

赤色は、2階から見える屋根のそばで
うなずくような仕草で、小刻みに震えている

緑色は、尖った頭で整列し
独唱するテナーのように、体でリズムをとっている

桜色は、咲いたり、散ったり、
舞ったりしながら、どの色よりも忙しく季節を走っている

透明は、枯れ木の先端に
空色の葉をつけながら、淡々としなっている


そして、すべては、
風が泳がせる、色の音を聴いて 
「木々」という言葉の中で、無色にポーズしてしまう


自由詩 木々 Copyright 風呂奴 2012-05-10 14:58:11
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