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遠雷や深夜のシンクの銀のいろ
生きている時間が光る梅雨の雷
梅雨晴やギフはお家でお留守番
テーブルの上の湯気かな虹二重
風青しキッチンクロスを干して空
....
たこ焼きや
冬の休日
ホフホフと
もう二度と開かぬ口で冬菜摘む
彼氏との惚気話や鵯猛る
百舌鳥に似た鳥か百舌鳥かはわからない
あの百舌鳥の前世はマリア・カラスなの
夕鵙やひとり暮らしの部屋の窓
ひび割れしコンクリートや秋の金魚
ひょっとこのお面割れるや笑い茸
{引用=猫}
降る讃辞しっぽの先で受け流す
{引用=人}
寝子胸に朝ランデヴー日曜日
{引用=猫}
老描の眠り百年時の棲む
{引用=人}
痩せ三毛のかそけき息に目を凝らす
秋祭ふたり見上げる同じ空
洗い髪いまは妻ではない女
虚ろならむしろ業を引き受ける
虚ろでも空を仰いで恋もする
虚ろなんて酒の肴にしてしまえ
時を知る空っぽの心響く足音
虚空蔵菩薩になれないろくでなし
猫の子を貰って売ってまた貰う
白木蓮匂い立つ日になに想う空よ
正論を掲げた君の私論哀しい
儚くも忘れじの記憶桜に辿る
室外機の上忘れられた鉢よっつ
春日の主無き部屋花一輪
菜の花の黄色に埋もれて眠る夕 ....
ものの芽を横目に証拠埋めている
路地裏の犬の臭いや春の雨
顔照らし黒に再生する芝火
柔らかさ強さと一緒にまとめ買い
遠くには港もないけど筏船
胆石を患ってから知る臓器
美輪さんの美に酔いしれて酔いつぶれ
マイ・ギター埃の積もりて音もせず
わすれたころに君 ....