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ふしぎなことだが
毎日雨が降り続いている
雨は濁流をつくって
市街地を走っている
市街地では人々が
右往左往している
夏からそのままになっている
南部鉄の風鈴が
軒下でずっと
雨を呼 ....
落ちていた
ヘッドフォンをした瞬間
違う場所にいた
そこは
永遠に明るくならない
静かな楽器の中
誰かのヘッドフォン
2年間の契約をした
新聞店からお礼にと
本物のビールが届いた

久しぶりだなと
夕飯を創りながら
コップに移した
冷えたビールを呑んだ

コップ半分で
浴びるほど呑んできた俺が
 ....
忘れ去っていく言葉よりも
あなたのいのちの清さにふれて瞼が閉じる
いつまでも文字にならない
あなたの悲しげで透明な息づかい
反復するあなたの鼓動が
休もうとしている風を揺るがす

あ ....
  灰色の老人が
  灰色の部屋に
  冬晴れの空より蒼い
  バケツを忘れていった



  その、つるりとした底面に
  透明な昆虫がうじゃうじゃ蠢き
  透明な手首を噛 ....
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく

脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
やがて再び北風の中
道端のネコヤナギの蕾のように
やさしい春の指先が頬を撫でようと
いつか一つの曲がり角の先
私を包み、光へ導くような
誰もが期待する運命が待っていようと
もうこれ以上一つ ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた

待合室から小さな裏庭 ....
昨夜の口喧嘩の
後始末もそこそこに
降り止まない雨の中へ
ぼんやり歩き出す

昨日より重い靴底
視界に覆い被さる雨傘
押し黙ったまま濡れる自転車
舗道にすがりつく安売りのチラシ
 ....
命の消えた君の顔は
見知らぬ人のようで
半分開いている目は
閉ざそうとしても固まって
開いてるのに何も見ていない

君に何かが見えていたとき
最後に見ようとしたもの
それを見ること ....
自分も毛糸玉のくせして
プッチは毛糸玉と
戯れるのが好きだった

ふたつの毛糸玉は
所狭しと転がり回り
私は面白がってその糸を引いたものだった

小学生だった私と弟
そしてやっと歩き ....
僕はいつもわからなかった
きっと 自分を失うことから 逃げてきたのだ   
僕は そうして いつも 立っている
今日も この ぼんやりとした地の上に
人生は手紙
読み進むごとに
春夏秋冬喜怒哀楽
答えは最後のお楽しみ

人生はビリヤード
当たり当たられ飛んで行く
誰が誰を動かして
こいつがどいつに影響されたか
白玉だって分かりはし ....
きみは官能を嫌う
ぼくは官能を好む

きみは自叙伝を読む
ぼくは自叙伝を厭う

きみは武術を好む
ぼくは球技を好む

きみは楽観主義
ぼくは悲観主義

きみは太陽の下
ぼくは ....
いけんをいえと
あなたはいう

いけんはないと
わたしはいう

それでもいえと
あなたはいう

いわなければ
ころすとせまられる

わたしはあなたに
いけんととも ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう

スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
顔見知りの男が死んだ

いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた

そんな一人の男が死んだ




よくある話しだけど
おんなが二人いた

別れた奥さ ....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど

いちまばたきが 
      およそ一秒
 ....
オーケストラの調律の基本となるのは
オーボエの出す440HzのAの音程

オーボエは音程の不安定な楽器であるのに
ただ音程が聴き取りやすいために
その任を担わされる

しかしコンサートマ ....
もう涙は掛け値なしに流せないので
からだではなく こころが不自由
ほのかな明かりのみえる夜の余白に
やせた色彩の春がさまよっている

空気の中に弱弱しく感じられる
感傷的な気持ちの余韻を丸 ....
なにかの映画で見たような
あてのない線路
そこには空も海もなく
心地よい孤独だけが転がっている
空き瓶の中で
春が雪に変わり
冬が死んでゆく
廃駅のベンチに腰掛けると
一匹の猫がすり寄 ....
{引用=テーマ/SF(サージカル・フィクション)}
 こないだのGO

雪国まいたけのGO(*)は
思慮を醸した声音が好ましかった
がついこの間出ていたGOは
顔面が何か不自然で
目元が ....
子供のころ

ブランコを漕ぎながら目をつぶり

どじょ〜、どじょ〜、と叫ぶと

気持ちよくて好きだった


なぜ

どじょうだったのか

それを思い出すたび

胸に痛みが ....
こんな朝に
カラスのカの字もありゃしない
太陽はふやけた面の木偶の坊だ
白い国道の上
黒いおまえは完全に死んでいる

暗がりのおまえは
いつも何かを舐めていた
おまえが前を横切る時には ....
私は霊だ 唐突だが気づく
年を重ねて老いてなるわけでもなく
生まれつき 霊だ
霊と肉体の合体で
動かしているのは心
じゃあ 私って誰?

肉体を授かり 名前を授かった
その負う この世 ....
一握りの金持ちの為に
何人もの貧乏人が苦しむ
富の再分配が必要だ。
Give us job to live.

人の温もりが欲しい。
互いに愛し合い。
大切にして欲しい。

鍵のない ....
テーブルのチェス盤を
ホームレスの男が布きれで拭いていた
ジュースや鳥の糞をこすり落とし
手でベンチの砂を払う

彼は物乞いではなかったけれど
ここに通う常連は
ヌードルやスナック、財布 ....
異国の食べ物から立ち昇る 
 由来も行方も知らぬ物語

リズムがつかみきれない 不可思議な音楽に跳ねながら、
 細密な砂嵐のように 体を包み込む芳香 
  

風土と血に練りこまれ ....
生きるのは痛い
北風の切っ先
酷暑のサンドペーパー
でもこたえるのはむしろ 肉体よりも 心

人々は 視線の剣を結びあいながら
肩を怒らせて 通りを行き交う
道端の植え込み 鳥たちは 素 ....
頬杖をつく
頬杖をついたところに魚が生まれる
机の地図をそよがす尾びれ
三秒とたたず
世界を跳ねまわっている
少し寒い(少しでなくとも寒い)冬の日は
暖房のスイッチへ泳ぎ着く
小銭がたま ....
木原東子さんの自由詩おすすめリスト(832)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 瀬崎 虎 ...自由詩412-2-28
ヘッドフォン- チアーヌ自由詩3+12-2-28
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まぼろし- 乱太郎自由詩19+*12-2-28
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無理なお願い- salco自由詩14*12-2-26
小さな秘密- そらの珊 ...自由詩16+*12-2-26
表面張力- nonya自由詩28+*12-2-25
- シャドウ ...自由詩312-2-23
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_- 番田 自由詩512-2-23
人の数だけいろいろあるけど- ただのみ ...自由詩20+*12-2-23
平行線- HAL自由詩712-2-22
意見- 小川 葉自由詩512-2-21
みみ- そらの珊 ...自由詩26*12-2-21
奈落のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-2-20
時計のない国で- そらの珊 ...自由詩10*12-2-20
440Hz- HAL自由詩1112-2-20
春が来る- 瀬崎 虎 ...自由詩1*12-2-20
レール- アズアミ自由詩312-2-20
アズ_タイム_GOズ_バイ- salco自由詩7*12-2-19
ブランコの思い出- 吉岡ペペ ...自由詩412-2-19
ジンクスが死んだ朝- ただのみ ...自由詩25*12-2-19
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Dream- ペポパン ...自由詩4*12-2-19
返事- mizunomadoka自由詩412-2-19
スパイス- いねむり ...自由詩312-2-19
末路- まーつん自由詩9*12-2-19
指先- 理来自由詩15*12-2-19

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