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メールに添付された
君の写真ばかり眺めていたけれど
「さっきはごめんね」
そのメッセージが 愛おしい そっと
撫でた

そうやってぼんやりしていたら
ノートパソコンはいつのまにかシャ ....
青空高くリンリリン
田んぼは緑のハンカチ
アイロンかけたて

自転車のペダルを踏みふみ
これから告白しに行く
100%駄目って知ってるし
すごい迷惑だろうけど
アイスだってイチゴだって ....
六畳一間のアパートに
むりやりつめこんだそのベッドは
ほかの家具の置き場をうばって
ずいぶん偉そうに横たわっている

そんな君が風邪をひいたというので
お見舞いにいったのだけど
座る場所 ....
返して返して返して返して

僕の未来を過去を返して
心に何を仕込んだの、
どうして何も無いの、

誰でもいいから
誰か誰か助けてよ
僕をCageから出して

鍵さえ在れば
僕はこ ....
ひらかない花など、あるだろうか


どんなにか速度をかえようとも


いつかは、ひらき朽ちていくものなのだろう



とどまることのなく



枯れおちていくからこ ....
夏の暑さで
水が煮えて
水槽の中
飼ってた金魚が絶滅した。

 {ルビ地球=ほし}を単位で
 話さないでください
 そんな大きなもの
 僕の腕には入らない
 未来を基準に
 語らな ....
桃色のカップケーキに銀のフォーク
ファミリーレストランで夜を明かして
秘密を二つ三つ忘れた
四つ五つもらった

窓のむこうには朝焼けの街
そのむこうに小さな山
あの山には小川があるかしら ....
うまく息が吸えた瞬間の
安堵ヘ向かう手足の喜び
意欲に満ちた血の巡り

波の生き様に寄り添い、
素直に落ちれば自然に昇る

放り出されて尚
手足は重く下がり
すすんで沈むのだから
 ....
透明なガラス瓶に詰められた彼女を見つけた
扉が開いていたので気になって
ガラスに手を這わせて
曲線をなぞる
かすみ草の水槽に貴女
崩れて消えていくのは僕自身でしょうか
どこでもドアで連れて行ってくれた
あの遊園地はキラキラしていた
回転する庭の隅で
ずっと笑っていられた

どうしたって真ん中へ行けない僕を
君は引っ張ろうとして
踏ん張って赤い顔で
そ ....
兎の模様にみんな病んだ
蝶に倒れた
病院は花園
看護婦さん三階で井戸堀る
注射を打つ廊下
点滴ぶら下げる香水
百日も紅が治らない
いいにおいのする
いいにおいだけのする
包帯は無地
 ....
甘い甘い過去の細工すかして何がみえる

べたついた
喫茶店の濡れたストロー袋と下品なガムシロ

実力は中の上
ちゅうのほっぺに
ペリカンの中で待つ54歳の
水のにおいがする ....
薔薇をちぎるのに夢中になって気づいたら朝日でした。

「嘘つきめ」

「はい」

少し焦臭い髪の毛をかきあげながら、枯れた薔薇を差し出した。

彼は、手でいらないというしぐさだけでそれ ....
私は嫌われることも多いのですが

不思議と私が好きな人でした

ビニール傘に落ちる雫を
楽しそうに見て
音を聞いていました

あなたの
一番の理解者

今はどこでどうしているので ....
私はそろそろ止みますが

キラリと光る私で
あなたを濡らしてしまいましたね

私と同じ色の涙が
滲んでいます

心がしくしくと泣いているのですね

まだ
頼りない心は
誰ともな ....
あなたがいてくれたこと
私が未来を見つめられたこと
泣きたい時 辛い時
すぐそばにいてくれたこと
何気ないもの そのすべてを
楽しいものにしてくれたこと

あなたがいてくれたから
今の ....
僕の言葉届いてホッとしてるよ
あの頃は熱中してたんだって思い出した 詩にもあなたにも
ちょっと恥ずかしくて笑ったけどやっぱり
今でも大好きだよ 詩もあなたもあの頃の僕たちも
これからもきっと大 ....
長いこと 時間はたった


ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う

それすらも

全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった



おぼつかない足取り ....
「次のニュースにまいります」

淡々とした口調でアナウンサーは暗いニュースを読み終え
明るい話題に切り替えた

よくある日常の風景

僕は暗いニュースが風化してしまうことが

ただ  ....
回転する空から
星がこぼれた夜

間違って少し失って
傷口がまた開いて


どうして人は
手を伸ばしても星は掴めないのに
大切な人の傷口に
ナイフを突き立てることはできるんだろう
 ....
繰り返す梅雨の憂い

水溜りに映るのは
また歪む空


さよならのかわりに
泥水を蹴り上げる


汚れても笑っていた
強くありたかった


暴れる水面に
反転する空
 ....
ごがつのかぜ、ごがつのかぜ、

さあ目を閉じて

さあ目を、

開いて

すー

はー

空から、山から、やってきて

ほほを撫でて


河童が顔を出して

また ....
{引用=

青い夜道

降りしきるものに
真紅がまじり

花片を踏みしめ近づく
白い脚先


冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身 ....
しゃりしゃり 音をたてて
ぼくらの素足は歩いてゆくから
つま先で輪を描いた。

どこからか流れ着いた
すかすかの
流木の端っこ「のぞいてごらん?」って
言うから 見てみたら
 ....
ある日南のお日さまは
悲しいことを知りました
南の空のお日さまを
誰もみつめてくれぬこと

 ひとりぼっちの
 さみしさに
 3月4月と
 泣きぬれて
 それを慰む
 ひともなく… ....
蓋を開けたオルゴヲルの回転軸につかまって
羽の付いたお人形の足が
ルラルラ踊る


君に会いたくて
君に 会いたくてね
手を離して
一緒に飛んでしまいたい


箱の内側には白 ....
300円で借りられるコインロッカーの中に
入るだけ心を押し込んで
しっかりと鍵をかけたまま
私は逃げた

 一日目には300円
 二日目には3000円
 三日目には10000円……

 ....
  夜中に咲いている薔薇の下にはぶよぶよした肉塊があって
  その血を吸い上げながら花が咲いている。
  世の中にはオレンジや白の血の色をした生き物はいるが
  空のような青色の血をした生き物は ....
図書室で本を開くと
誰かの髪の毛がはさがっていた
細くて少し茶色がかった…
それは置き忘れられた誰かの遺伝子


合理化なんかが叫ばれて
背表紙の裏に潜んでいた
小さなカードがなくなっ ....
紡ぎ方を忘れた鳥は、手のひらに何を刻めばいいのか
温度差、呼吸の深い、遠い
渡ることの出来なくなってしまった彼らを
僕らは繋ぐことで
   (手のひらだったのか、どうか)
          ....
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