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神様哀しいね
なんだっていつも僕たちはこう
目をつぶることでしか逃げられないの
 チョコレートは好きだけど
 チョコレートケーキは嫌いなあの子の
 公告を貼り付けた電車は
 今日もがたんご ....
 仕事柄、深夜に帰ることが多くなる。
 駅から家まで帰る道のりの、唯一曲がらなければならない角に、その家はあった。
 日付が変わろうとするような時間帯である。
 だというのに、その家の家主であろ ....
おそらは一つしきゃないもので
しよがないから
うみだけ恋うた

うみはあんまりひろいので
しよがないから
そらだけ乞うた

ひとりじゃあんまりかなしいし
ひろけりゃよけいにさびしいし ....
遠く遥かな
おぼろ月
春の夜半なら
届くのか


一人で歩く
かえり道
ついてくるのは
おまえだけ
夜とおんなじ色の猫


うすぼんやりと
おぼろ月
猫とおんなじ
色の ....
山の一番大きな木に
ホウセンカズラの灯が燈ったら
お祭の合図です。
各々この夏手に入れた
一等綺麗な思い出を持って
おいで下さい。
カササギのアオ爺が
その質に応じて石をくれます。

 ....
夏の影の一番濃い部分が
凝り固まったくらまとんぼを
幼子が追う
たやすくつまめる
その黒い羽


ねえあなた
一度手にして
満足したなら
はやいとこ
はなしておやりなさいな
で ....
満月の夜は眠れないの
ううん眩しいからとかではなくて
満月の夜は眠れないの
どうしようもなく心臓が跳ねるから

 満月の夜に
 眠れないのが
 あたし一人であるのなら
 ええそれはしよ ....
夏の暑さで
水が煮えて
水槽の中
飼ってた金魚が絶滅した。

 {ルビ地球=ほし}を単位で
 話さないでください
 そんな大きなもの
 僕の腕には入らない
 未来を基準に
 語らな ....
今日図書館で谷川俊太郎の『詩人の墓』を読んだ。
そうして大学時代谷川俊太郎を専攻していたというゼミの先生が、今の日本で詩だけで食べてゆけるのは谷川俊太郎一人だと言っていたのを、唐突に思い出したのであ ....
ある日南のお日さまは
悲しいことを知りました
南の空のお日さまを
誰もみつめてくれぬこと

 ひとりぼっちの
 さみしさに
 3月4月と
 泣きぬれて
 それを慰む
 ひともなく… ....
300円で借りられるコインロッカーの中に
入るだけ心を押し込んで
しっかりと鍵をかけたまま
私は逃げた

 一日目には300円
 二日目には3000円
 三日目には10000円……

 ....
  夜中に咲いている薔薇の下にはぶよぶよした肉塊があって
  その血を吸い上げながら花が咲いている。
  世の中にはオレンジや白の血の色をした生き物はいるが
  空のような青色の血をした生き物は ....
図書室で本を開くと
誰かの髪の毛がはさがっていた
細くて少し茶色がかった…
それは置き忘れられた誰かの遺伝子


合理化なんかが叫ばれて
背表紙の裏に潜んでいた
小さなカードがなくなっ ....
原色の絵の具をぶちまける夢を見た
きっと誰かが
核ミサイルのスイッチを押したんだ

世界の半分がなくなって
月は毎日三日月だった
スライムみたいなアメーバみたいな
形状不確定な化け物が
 ....
ミズキの花の咲くころとなりました。
山はすっかり初夏の様相で
合間合間に咲く藤が
いかにも淡く
涼しげです。

山がようやく
山らしくなる
今日
こうして筆をとりましたのは
以前あ ....
柔らかにけぶる
薄紅の桜が散って
山はもう
青一色のパレット

あぜ道の黄が
私の目を焼いて
畑の菜の花は
もう直視に耐えない眩しさだ

圧倒される
やさしさのカケラもない季節
 ....
小さな泡が
ぷつぷつと
うかぶ
クリームソーダが
好きだった時期がある。

けれど実際
私は炭酸が少し苦手で
いかにも人工的な緑色も
エイリアンのようで嫌だった。

だというのに ....
都会の空に降る雪は
灰に似ている

熱かったものが冷めたあとは
元から冷たかったものとは
比べようもないほど
さみしい

なんにでもなれたんだと思う
(大人が入れるほどのかまくらをこ ....
とかげがにげる
おっぽを切って

かわいそうに、と思って見てる

切られたおっぽの代わりは生えて
切られたおっぽの場所はない

かわいそうに、と思って見てる
もこもこわたあめさんの亜樹さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
神様哀しいね- 亜樹自由詩309-4-21
ミカさん- 亜樹散文(批評 ...308-9-27
お空と海と- 亜樹自由詩208-8-31
朧月夜- 亜樹自由詩308-8-25
ホウセンカズラの灯- 亜樹自由詩208-8-7
夏の影- 亜樹自由詩3*08-8-1
夜道を散歩- 亜樹自由詩208-7-23
水槽の中赤い魚狭い狭いこの世界- 亜樹自由詩308-7-8
詩人の墓- 亜樹散文(批評 ...5+08-5-31
ひまわり- 亜樹自由詩208-5-22
コインロッカー- 亜樹自由詩508-5-16
夜中の薔薇- 亜樹自由詩108-5-15
図書カード- 亜樹自由詩2+08-5-14
原色スライム- 亜樹自由詩108-5-7
拝啓- 亜樹自由詩308-5-4
春の日- 亜樹自由詩208-4-21
クリームソーダ- 亜樹自由詩108-2-17
都会の雪- 亜樹自由詩3*08-2-10
とかげ- 亜樹自由詩2*07-8-26

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