雨は校庭にアマゾン川をつくる
午後の授業は眠たい
窓越しに校庭を見下ろす
あれはきっとアフリカ大陸
あれはきっとオーストラリア
あの川にはピラニアが泳いでいる
友達がいないから
わざ ....
鍵をたくさんもっているのに
何番目かを忘れてしまった
それが生きることで
それを探すことが目的
そうだとしたら
鍵穴は逃げないね
それを早く知っていたなら
でもね
回り道が必要 ....
恋をさせろ
現ナマで新品の恋をスーツケースに入れて
港の第三倉庫まで持って来い
さもなくば
お前の足の指がぜんぶ深爪になるぞ
目玉焼きをつくる時かならず黄身がつぶれるぞ
わかっ ....
ぽかぽか
いや
ほかほか
君の
、や
追い焚きのバスタブが
猿で
え
去るで
やだ
つまらない
そ
そして僕は
おチャンバラのお時間
ですから
君にも
....
ききみみは みぎか ひだりか
自分でも わからなくなったので
るるるっと まわして ききみみをたててみる
まさか ほんとうに
つまり これは 透明人間になったということだ
....
あおいろの夜をむかえて鏡面のようなねむりの狭間で出会う
いしだとか、やさしさだとか、なにもかも総称してる冬のキッチン
らいしゅうの予定をきいて書き留める宇宙船から手紙が届く
....
あなたの育てていたザリガニが
アメリカザリガニが
また大きくなりました。
時計台の近くで
風は風の音をたてて。
私たちの脱皮とは
いったい何だったのでしょう。
生きることと死ぬ ....
ピーターパン
ポーターピン
パーターポン
ペータープン
ピーターペン
ペーターポン
ピーターポン
ペーターパン
プーターパン
パータープン
ピーターピン
プーターピン
ポーター ....
僕が月面に置かれでもしたかのようなもしくはソリスキーさんの家の庭で凍りついた一番下の子の三輪車のような石に腰をおろす週末に値が下がった煉瓦通りをめがけて奏でる演奏家のアコーディオンのように首を ....
ゾウのすむ森
という名の運動場
いちばん小さいウタイは
頭を振っている
振り子みたいに夕暮れ時
歩いてやり過ごす二頭をよそに
空中に鼻をしならせ
耳朶で風を鳴らすよう
右に左に頭を振り ....
{引用=〜2012年備忘録}
1月
九時過ぎ、テレビを点けると石岡瑛子が映り、すっかりお婆さんになって
いて驚いた。堤清二のPARCO、その尖鋭的広告の仕掛け人だった。
山口はるみ ....
ジュリーさんは天使なので
だんごを
あげます
と
いって
だんごを
さしだして
はねのけられたばあい
どうやって
あしたから
いきて
いけば
いいのか
むずかしいから
あげ ....
気がつくと
このところずっと
背中を
壁につけていた気がする
壁は
崖なのかな
盾を
背負っているのかな
前への注意はしているけど
なんて考えていたら
壁からの
....
「いっそ気が触れてしまえばいいのよ」とスナック菓子の袋を開けた
ひらがな、が落ちてくるように
迷いながら雪が降ってくる
日本にちりぢりになった
あ、い
どれだけのあいの組み合わせが
あるのだろう
やがて
あ、と、い、は
溶け合って境界線をなくす ....
封筒の右端に犬小屋を建てました。
赤いペンキで塗りました。
そこで手紙を書きました。
とても短い鉛筆で。
さいしょに友達の名前を書きました。
つぎに夜のあいさつをしました。
あたらしい ....
いい香りのするパンダに乗って
街を闊歩
驚くよね
もうおっさんなんだから
でも、ほら花屋の前に佇んでいる君だって
後ろに乗っったっていいんだよ
雨上がりの路上は、いくらふさふさの足と言 ....
お口からヘリウムガスが出てくるの フーセンガムでちょっとだけ浮くの
言葉を何度か口にした
昔の方が
まだ 良かった 景気は
それは 一体 なぜだろう
情報が引き起こした
不景気を
しかし 色濃い
眠気が 妙に
朝の 高速道路 ....
かかとを鳴らして歩きたい
早くしないと夜が来ちゃうよ
ピアノの前でうつむいた
包帯まみれの正直者も
ハサミになって帰っていくよ
暗いところの過ごし方を
人より詳しく ....
未知数の道数。満ち満ちた今を吸う。
未知数の道数。満ち満ちた日々を吸う。
未知数の道数。満ち満ちた今日を吸う。
道数が未知数。満ち満ちた明日を吸う。
未知数な道の趨。満ち満ちミチ美智みっちりみ ....
君は少年のような頬と
薄い胸をしていた
感情が高まった時に
鋭く視線をさまよわせては
まるで炎を吐くように絶叫するんだ
震える肩からは
幾筋かの血が流れ
世界を汚していった
....
午前4時
郵便ポストに朝が届く
とおくで電車が泣いている
溜まったメールを洗濯機につめこんでぐるぐると回す
とげとげしたやりとりも
昨日の君との会話も
ぜんぶ漂白剤にあらわれて
言葉 ....
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
陳腐な切実
ブックオフにかかる畳み掛けるような音楽
たとえばファンキーモンキーベイビーズ
白か黒かが重要で
買うか買わないかが重要で
たとえば年末ジャンボ宝くじ
....
浴室で
血は
思うより
少しだけ赤い
一枚ずつ意識を剥いでゆくと
なつかしさの手前で
熊たちが手をふっている
わたしは
もう
あなたがしてくれたようには
わたしを愛せな ....
濃い目の紅茶をひとくち舐めて
すすけた砂漠でくるくるとステップを踏む
気をつけて
地雷に触ると危ないよ
金ぴかのさそりに心を噛まれたら
白かった地図がなんとなく退屈になっている
....
疾走感のあるビートの中に
囁く様に響き渡るドリーム
刻まれて組み立てられていく
立ち止まって見せられた赤キ青の信号シ、点滅シ、
順番に撃たれていく色々のサイレン、痙攣シ、
速くなるポーズに力 ....
あなたのはく息は
わたしのよりも
ちゃんと白いね
あなたの手のひらは
ぶ厚くて温かく
冬が
さむいのだとわかる
うしろから抱き込まれると
まるい刃物に刺される心地が
した ....
薔薇のような汗をかいている
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