ツキノワグマだよウサギさん
アライグマだよ子犬さん
ミンミンゼミだよネズミさん
アフリカゾウだよキリンさん
カンガルーだよお猿さん
レッサーパンダのカラスさん
モンシロチョウだよ亀さんだよ ....
肉付きの薄い足はぺたぺたと
鏡張りの感情を踏みつけている
言ってはいけないことばが多すぎるから
覚えたての星座の名前を忘れていく
ユートピアの玄関口で
警備員に渡したのは虹色の砂
これ ....
[妖怪(尻)べった]
肥大臀部を横向きにした姿の妖怪。
戸建の階段のカーブや集合住宅の脱衣所などに潜んでいる。
これを見ると妻に萎えてしまうようになる。
[妖怪ココゾ]
....
さからう ゆだねる
かいなく よそごと
こらえて の こす
そしらぬ わたり
ひより びより さえずり ともし
むかえて ふりだす
くさむら やぶやら
「砂浜に抜ける路地」を一つ拾ってきて、波の音
を額縁に飾る。愛という言葉で何を隠したいのか。
行間には関係性だけがあって鞄には入らない。み
んな事情を抱えていて、 ....
夕食時って、なんて読む?
――ゆうぐれどき、
に伏せた目線を追われてしまうのは、
この睫毛が人工衛星で、軌道に乗っかるクドリャフカ(わたしたち)が、
ゆるやかに沈(し)んでいくことを知らないせ ....
チューリップ隠れんぼには適さない
春の宵落とし物して逆戻り
誤字脱字指摘するほど散る桜
すきまがあるから
ピンクでぬった
ほんとはほかでも
よかったけれど
まいにち ごしごし
ピンクでぬった
黄色や青でも
よかったもので
いちにちそうして
ピンクにかえた
....
連休、休みを取って旅行へ行った。知らない街や知らない海べを歩いてきた。
夫と。
夫は、ほかの男のひとたち(あるいは男のこたち)とあらゆる点において異なっている。どこにいても、いつでも夫はわたし ....
投函口は窓に含まれますか?
うん
あなたは、あいしたものへいつだって
しにたがりな言葉をあててしまうから
私はそんな頭を「わらわずや」って、
わらいながら撫でつける
ゆびさきは、
自律神経からいちばん遠い場所だから
いつだ ....
5と6と7は同じ価値
かもしれないし
かもじゃないかもしれないし
シーソーに乗れば
5は浮き
7は沈む
高層の建物では
7は上
5は下
この6でなし
と言えば
5と7 ....
最近6なことが無いよ、
と7が言うので
6が無ければ7も無いんだよ
と言うと
7は5になって
軒下で雨宿りをする
押し出された5は
黙って雨に打たれている
水にも溶けないか ....
月みみ
うさぎが みみを たてに ふった
ので きのう よる
月へいった
10万坪の土地を 出世払いで 貰った
ぺこちゃん人形 倒すくらい なら
ただで ....
きみが家具の本を読んでいるなんて知らなかった。僕は豆のスープとベーコンサンドがあれば午後には何かしらの腸詰めづくりがひかえている朝でも全然だったし、そういう日の夜に限って首が痛むのを我慢すればきみが座 ....
しゃぼん玉をつくる作法をだれもが
忘れてしまった時代
みずうみにうかぶ
背泳者と油分の分離されない光景が幾日もつづいていて
土手から飽きもせず眺めている人に
私は丁寧に包装した小石を ....
川沿いを歩くと
ピクニックによく似ていた
共通の友達がいてよかった、
と話す
命のものと
そうでないものに
毎日は囲まれて
離れていくものにもきっと
誰かが名前をつけて ....
おやすみって言わないから、おやすみって言われなくなったの
「流れないように。」ってメッセージがすべて無視されて、流れないことを願った深夜
居もしないベランダの鳥にやつ当たって、しまわない布団を抱い ....
夜垂れ、ゆびだけで明けては
とき時とすくい、
くちへ運ぶけれど
二、三はんだら、もう飽きてしまうよ
蓋の裏に寝かした舌は
そのあすを、知ったように転がしていて
(私は垂べ続け、
あまいあ ....
今更思うことなんだけど、朝目を覚ますっていいことだよね。目を覚ますために朝があって、眠るために夜があるとしたら、それはとても幸福なことで。例えば、ヴォツニアヘルツェゴビナって君がつぶやいて、なん ....
月夜の晩に森に迷い込んだ。ブリキでできた木の幹と葉っぱの上を、糸状に光が跳ねていくので、歩くだけで遊んでいる気分になった。
月のかけらを吊るした糸を、ぶら下げながら歩く男の子と出会った。騒がしく ....
室外機のそばの窓に 白い紙から切り取った星を貼って
自分が手を伸ばせる範囲を決めている
ホームから離れた電車はたぶん季節を引き裂いて走って
夜という夜を願い事だらけにしながら傾いた
....
くらくなったら帰りたい
ひこうきでおねがいしたい
星々がさらさらと消されていった日の入りから
うねりながらてかてかしていたあれなんだろうとおもったらバターで、
そうですあれが太平洋のうわずみ ....
せりなずな はくべら すずな、、、、あとなんだっけ、
新作はみずみずしいミントのフレーバーです 、
あきらめたガムのために 、
(すこしひえた夜だった)
ちぢこまってしまいそうなきみの街か ....
(わたしがえびドリアを注文しないことで、
知りもしないどこかの美人さんがしあわせになれる可能性について
わたしはわらえずにいた
(あのひとはフライドポテトを掘るのにむちゅうで、
そん ....
一長一短っていうけど
ながいの
みじかいの
まとめて とんとんとしたら
いっぽんの線
多少の差があってもね
ぐいっと腕をのばして
空をきゅっとむすんだ
もういくよ
....
右へ行くと海があり左へ行くと詩があり
ます。そんな街に住んでます。近所の沼
で子供たちは言葉を沈めて遊ぶ。強風。
泥だらけの手を見せなくていい。そろそ
ろ雨が降るなんて言わなくていい。何も
....
リモコンの緑のボタン。これすっごい呪詛っぽい色してるなって、思ったから、
ぜんぜん見たくもないテレビのデータ放送にぶつぶつ。
魔法っていうかのろいのことばっていうか文句ばっかり送ってます。ほら、
....
あらゆる試みは、大体のところ碌なことにはならない。そういう風に僕の祖父は言っていた。僕と僕の祖父の間には血のつながりはないし、役所に言わせれば他人ということになるんだろうけれど、これは語り口の問題で ....
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