肩に置かれた手の温もりに
ハッとして振り返った
見慣れたはずの顔に
涙がこぼれた

無くしてしまったと
思い込んでいたものが
ふとしたことで見つかる
ひとりごとのボリュームをあげた わしかい?
わしゃ、司会者じゃ。
会話し、活かし、沸かし、癒し、
話者介し、ワイワイ。

シワシワじゃが、
可愛いジジイじゃ。
界隈じゃ、若い支持者、
甲斐甲斐しいわい。


― ....
あ、の形にひらいた口から
あ、がこぼれて落ちた


床にふれる
粉々に砕けて、見えなくなった


手を伸ばして鍵を外す
からから、と窓をあける
なまぬるい風が不躾に入り込んでくる
 ....
あの眠れなかった夜が嘘のように

六畳の王国へ

怪獣も後悔も連れて行っておくれ
残念な日々はやがてぼくの骨になっていく

木漏れ日はおおきなあくびをさそって
点々と地図を成していく
 ....
濁音だけでも、半濁音だけでも、
ポイズンにはなりませんでした。

ポイときて、ズンと効くから、
ズイポンではいけませんでした。

空気に混じってたくさん殺す。
紫色の飛沫。
よい毒製薬 ....
ひとは
母音だけで会話するときに
かならずしも
自分に正直だとはかぎらない
相手に誠実だともかぎらない

水色のキャンディが
口の中で溶けていく速さで
きみはやがて
いろいろなことを ....
薄くあかるいほうにながれていった。手にぶよぶよした抜け殻だけのこった。
離岸失敗のゴムボート。季節は確実にいちねんのなかで正確な四回転を刻んでいく。なにを実証できたわけでもないけど。
 ....
雨の跡


熱射を過ぎて不確かに薫る夏の断片



色さえ濡れた世界は
モノクロームに限りなく近く




静かに路上を伝う
夕方の細い夜に逃げ出した心が帰らない

大したことはおこらない
丸い窓を持ち上げて

少し空気を入れ替えるような当たり前のこと

感慨深く、目を閉じているわけでもない
警戒が服を着たわ ....
あと少し
この真ん中をくり抜いてでもすがりたいと思った接地面
ただ視覚だけの存在になろうとも見ていたかった三角形
物質に寄りすぎて踏みにじった心に
もうろうとした痛みで振り返る

鏡張りの ....
君にふらふらしているといわれたんで

白くなろうとおもい カルピス のんだけど

肌は ひやけ したまんまで

黒くなろうとおもい コーラ のんだけど

白めは もう しろくて

 ....
ため息曲げられている とある日曜の昼下がり
窓から白手袋の羽根を伸ばした選挙カーが
殺菌消毒された笑みをひるがえしながら通りを優雅に舞っていた
背後に見えるファーストフード店では
ドライブスルーのマイク越しに女が香 ....
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
 
手をつなごうか

心をつなごうか


ねっ



 
休みの日の朝、6月
旅立ちを目の前にしたツバメの鳴き声よ
レースのカーテンを透した
陽光に包まれし温もりよ 子供たちの歌声よ

コンビニでプリンをひとつ買った 
代金を払って待っていると、 ....
      不幸の扉。
扉自体が不幸なのか 扉を開く者が不幸なのか
     それは、 どっちでもいいんじゃない。
      だって 入れ替わり立ち代わり
扉が人間になったり 人間が扉になっ ....
溶けかけのアイスクリーム
崩れきったたましい
列を成して
ペン立てに吸い付いてばかり

バジリスク
噛み付く
ブンガク
多くの水が
忘れ去られたままに
打ち寄せる
波打ち際で



なぞり損なった
君たちが
みつめる先で
青草のにおいが凍えてしまう



名前は。名前は ....
水の匂いのする
あなたの
指先の和音で
おどりだす
初夏の背表紙は
水溶性の文字たちの
ぽつぽつと吐き出す気泡で綴じられてゆく


垂直に
落ちてくる六月の
浸透してゆく
素直 ....
花むした天体を
こまかく細断された視点から見る
ノートは
かわいたシンクに置き去りにされていた
最初のページをとばして、つぎから
こどもらへ宛てた物語が月面語で書いて ....
全部一方通行だと知っていれば
大人しく回り道ができるのだろう

知らない道は
いきあたるまで前しかみえない

後悔するのは
戻ることじゃなくて
遅れることなんだよなあ

競争してし ....
それは夜空に間に合うために広がっていく感情たち
受け止めてきた数々の摩擦を銀紙の画板に敷き詰めるように
あちこちで火花をおこしながら流れていく

想いたいことはたくさんあるくせに
掴めたのは ....
ひどく風の ある日
ひとの顔ほどもある木の葉が
ぬいんぬいんと おおきく 
円を えがいたり
突然 すさまじい勢いで 遠くに
流れてゆきます
空は ごろごろと 唸っています


ひと ....
のろわれたように
あらがいがたいねむりのむこうに
しょうじょがすなはまのすなのうえにすわり
くるぶしのかたさを確認するように
くつしたをぬぎ
くつしたのともぐいが心配ね
立ちあがってぱっぱ ....
頭が痛いの、

成長痛だと

ごまかした。

悪夢がどんな形になって

飛んでいくのかを

見てた。
見えてこなかった。真っ直ぐにならなかった。シフォンケーキをつついていた。あの朝の、私の皮膚。重ねられていた。スポンジ状の襞の集合。ケーキの隣のブラックコーヒー。ただ冷めていった。渦を巻いて。あ .... たんたんと
たんとたんと
だんだんと

するすると
するとすると
ずるずると


それいけと
そうしてそれを
それなりに

なににせよ
なにがなくとも
なんなりと
 ....
出鱈目に素数をあげていくふたり宝ヶ池に花火があがる
阿ト理恵さんのおすすめリスト(938)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ペロリンちょ- 花形新次自由詩513-8-7
ひとりごとのボリュームをあげた- 北大路京 ...自由詩1113-8-7
「わしがしかいじや」- 小猫峰  ...自由詩2*13-8-7
同じ窓辺- あ。自由詩713-8-6
星降る布団にオーロラかけて- カマキリ自由詩413-8-5
よい毒製薬- 小猫峰  ...自由詩4*13-8-5
虹のすべて- 大覚アキ ...自由詩713-8-5
スピン- ねことら自由詩413-8-4
水園の辺り- オリーヴ携帯写真+ ...213-8-1
夕方ちかくの細い夜に- カマキリ自由詩813-7-25
ドーナツの消失点- カマキリ自由詩313-7-11
- 自由詩5+13-7-6
ため息曲げられている- 北大路京 ...自由詩413-7-6
ちりぱっぱ- yuez自由詩6*13-7-2
りんごのこと- はるな散文(批評 ...1013-7-2
ねっ- 殿上 童自由詩18*13-6-23
ナイロン袋は心にもない音がする- 北◆Ui8SfU ...自由詩513-6-23
自転車になる。——田中宏輔作品コラージュ詩- こひもと ...自由詩6+*13-6-19
CxFxSxP- 有無谷六 ...自由詩2*13-6-19
- ズー自由詩5*13-6-19
水辺で暮す- 佐東自由詩14*13-6-17
キッチン_4- 平井容子自由詩913-6-16
雲は逃げていった- 朧月自由詩413-6-15
嘘つきケトル- カマキリ自由詩213-6-14
me- るるりら自由詩10*13-6-13
銀河- とつき自由詩413-6-12
悪夢- 小鳥自由詩113-6-12
例えば、私の。- 方舟自由詩213-6-11
来る日のうた- シホ.N自由詩313-6-8
出鱈目に素数をあげていくふたり宝ヶ池に花火があがる- 北大路京 ...短歌313-6-5

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32