到達出来ない極みがある
それは遥かなる山上の氷のなかに咲く花のように
近づこうとして
近づいてはいけない

わたしは、
ビニール袋を口にあてがう過呼吸症候群患者のように
こと ....
河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず

昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ

死んで花実が咲 ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
 ....
それは
冬 限定の屋台

あたしの
生まれた
県北の街
深谷市西島の
母の実家の前に
現れる

夕食前の
薄腹の空いた時間

銭湯のまん前の
母の実家は
タバコ屋さん
 ....
 雨が、雨の首長が、雨の葬列が、雲々とマンション群の順位を定めながら、一枚の焦げたパンの坂を軸にして、三枚の濡れたシャツの日付へと回転していき、神経の限りない深度を測定していた。それは傾き、音から音へ .... {引用=




天井の水紋に沈む
銀河の瞬きに
誘い出され
冬の花を探す


証なき白は
虚空に舞い上り
透明な肖像が
愛を囁く



 山茶花の紅い花びら
 ....
僕はまだひとりぼっちを探してる夕暮れ帰る道の途中で

一番星ジャングルジムのてっぺんで見上げた空はなんて大きい

懐かしいあの日のメロディくちずさむ二人の影が夕日に揺れて

黄昏はいつでも ....
 郊外電車の車窓から夕暮れの開発地が見える。電車はあるときは半地下に潜り、あるときは高架線となり、田園地帯を我が物顔に走る。路線の駅に会わせて区画整理された街並みは美しいが、ほんの数百メートル移動 .... {引用=
どぶ川に棄てられた
あの子はどこへ行ったかな
しろい柔肌を
葉っぱみたいな深緑色にして
ぷかぷか浮いて流れていった

幼い兄妹がそれを指差して口づさむ

(ごらんごらんあれ ....
机の上に置かれた 
黒い本の中に 
うっすらと、顔がある 

自分の貧しさに震える私と 
遥かな昔に交した約束を 
今も語っている 

蝋燭の火が 
風にふっと、消えた 
暗闇から ....
聴く、という姿勢で 
石の上に腰かけ 
微かに首を傾けながら 
瞳を閉じる少女よ 

冬の冷たい風に襟を立て 
凍える私の前で 
風に耳を澄ます 
銅像の少女よ 

閉じた瞳の裏に ....
枯枝は空に根を伸ばす
海辺の曇天の白の先
遠く遠くに根を伸ばす

時折太陽の欠片が見える
それはとても美しい白
何もかもを焼きつくせる

貨物列車の重たい音
耳を切る様な唸り声の風
 ....
インドのビンバシャラ王は王妃イダイケとの間に子がほしくてうらなってもらった。すると仙人が死んだあと子として生まれ変わるといわれる。仙人にきくと、あと三年で死ぬからそれまで待ってくれといわれる。王は三年 .... {引用=


けだものばかりではないのだ

けだものにもけだものの
規則というものがあるので
卑下することはできないが
それでも少年には疑問だった

戦争は
どこにあるのだろうか ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
ティアドロップの降る音に包まれて
静かに空を見上げてみよう
ティアドロップの降る音に包まれて
傘から腕を伸ばしてみよう

ティアドロップの透明な殻に包まれて
大事な天使が降りてくる
ティ ....
雪の降る日には
わたしの手は凍えてしまい
擦り合わせても
擦り合わせても
ちっともあたたかくなりません

デパートで500円で買った手袋をして
いっしょうけんめい擦り合わせ
じっと火を ....
愛しいひとが
痛んでいるのを
目にすることが

いちばん
自分が 傷つくのだと
思い知った

たとえ
文字の上だとしても
胸は
キリキリと痛む

たまらなく
声が聴きたくな ....
ふきのとうが売られている
そこにある春は
私の居場所からは遠い春

外は寒くて
天気予報のゆきだるまに
驚かなくなって二月

桜の蕾が目につくものの
すくめた首のせいでよく見えない
 ....
ともだちと遊ぶ約束をした学校の帰り道

違うともだちに遊びに来ないかと誘われた

約束があるから、そうことわったのだけれど

そいつのうちだとマンガを読むだけで面白くなかったのだ

そしたらそいつはこ ....
用事で呼び出されて実家に行くと
車を外に出して 車庫に雪を入れている

雪の階段を五段 降りて玄関に入る
家の前のパイプとトタンでできた車庫は
軒下の雪を登って 屋根に登れる

家の ....
消えてしまいそうな

私は目についた雑誌を一冊手にとって
日曜日の空気に紛れた

昨日の電話

聞いてよと願えば3日以内に会えた頃とは違うから
突然の変化を驚かない
痛くない
なにもないところにど ....
れんちゃん、お眼目がとろとろ
おひるねの時間
ママはお出かけ
ぼくはギターのれんしゅう

外はさむいから畑しごとはおやすみしてしっかりれんしゅう
きらきら星と
メリーさんのひつじ
ター ....
カーテンごしに
季節の光りが
まだ眠い瞼をひらかせる

毛布にくるまりながら
仄めく始まりに
今朝の最初の深呼吸をする

窓をあけると
冬の空気に空は澄んでいる
日 ....
いやあ おにィさん 
真っ赤にならはりまして
うぶどすなあ
世間の風あたり冷とうおますので
この密通がばれたら
また おまめさんを なげられますなあ

先日 おにィさんが わ ....
汚染される超次元ステージ

醜くなった雛をみて

みえないふりをした

溢れた水銀が光をおびて核になる

ガンジス川では今日も

ピラニアが草食系

計画などないけれど

 ....
あたたかそうにみえて
寒いだなんてずるいね
春はずるいね

期待したひかりは
確かにあるのだけど
受け入れないと風がふく

すべてのものと
一列に並んで
おはらいを受けるように首を ....
看板ばかりが大きな
古ぼけたシェブロン 
停留所のサインも なにもないそこに
長距離バスがやってくる

テール・ランプの冷たい光りの帯
夜の街は、行き場を失った静けさに満たされ
月の光さ ....
夜の震えの先の先
狐は狐にゆうるりと
星の巡りの底をすぎ
同心円の冬をゆく


帯の鬼に触れながら
あたたかさから離れては
鏡の蝶の羽化の裏
葉脈に描かれた音を見 ....
ねこのこえがきこえる
冬空の底のそこのほうから
窓をあけてみても
すがたはない
姿などなくても
わたしだけに届くように
ないている
てつがくなどなくても
ねこは生きていける
わたしの ....
石川敬大さんのおすすめリスト(1132)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『氷のなかに咲く花』- あおい満 ...自由詩4*11-2-6
長寿ー生き残り−- ……とあ ...自由詩1011-2-6
ボンヌ図法としての僕- nonya自由詩16+*11-2-5
屋台- 森の猫自由詩18*11-2-5
大洪水- 葉leaf自由詩511-2-5
冬の花_と_白い月- まどろむ ...自由詩5*11-2-4
黄昏遊戯Ⅲ- 未有花短歌9*11-2-3
訃報ー通夜3ー- ……とあ ...自由詩711-2-2
魚の子- 高梁サト ...自由詩10*11-2-2
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裸の木_- 服部 剛自由詩711-2-1
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春はくる- 朧月自由詩411-1-30
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見ている。- 瑠音携帯写真+ ...411-1-30
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もうすぐ_節分どすなあ- るるりら携帯写真+ ...12*11-1-30
ピラニアが草食系- こめ自由詩1411-1-30
ひかりの中で- 朧月自由詩411-1-30
帰郷- 月乃助自由詩14*11-1-30
ひとつ_すべて- 木立 悟自由詩611-1-29
猫が通り過ぎる- within自由詩9*11-1-29

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