僕は何のために
生まれたのでしょうか
僕はここで果たすべき役割は
なんでしょうか
わからないままに
僕はいまあなたの墓の前にやってきました

爽快な空の下

あなたがいたこと
 ....
ビルディングに
夕陽が飛び火して
鉄とコンクリートに
ほんのひととき
しょっぱい血が通った

ビルディングの
かりそめの心臓が
眩し過ぎたから
思わず目を細めて
微笑んだような顔をした

夕焼けが
 ....
夕暮れの道場に電球が光る
入口の傍らに鉢植えの赤い薔薇の花
母と一緒になって道場を覗く
柔道着を着た大人と子どもたちが
笑顔で挨拶する
その中にキツネの目をした小学校の同級生がいる
見つか ....
歩き疲れて立ち止まる
道に雨が降り出して
静かに静かに降り出して
道に輝く石畳
次第に次第に濡れてくる
並木の青いプラタナス
静かに静かに濡れてくる

歯を食いしばり空を見る
見 ....


潮風が運んできた
君の幻
もう振り向かない
そう決めた僕だったが
君も背中しか見せようとしない
熱い砂地は
思い出を焦がし
人魚になろうとしている
君がいる
あなたの心の橋を
渡りたい


どんなに高くても
どんなに長くても
どんなに揺れても


今しかない
今日しか見えない
あたしには


不器用にしか
生きられないから


渡るしかないの
あなたの処へ ....
あの日
会うはずだった
あの雨の日

血まみれのあたしを
あなたに見て
ほしかった

血まみれのあたしを
あなたに抱いて欲しかった

なんども
なんども

自分に問い返し
 ....
                 100911



隣町に雨が降るから
ふるふると傘を差せ
天井から小判も笑い出し
釣りは要らぬと大盤振る舞い
夢かとばかりに
オケラの親子も顔を出 ....
我が街の風景をスナップショットして歩く
日差しが夏仕様に変わり容赦なく照りつけ
避けるように自宅にこもる冷房を効かせて
イチゴシロップのかき氷を食べ腹をこわす

そんな情けない夏の始まりはリ ....
*


ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ


*


明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
 ((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
 ....
あなたはいつも
ことば
そのもの
あ・う・んの息が
僕の水晶体を潜り抜け
脳髄でぱっちり点滅する

あなたといつも
ことば
戯れてごろごろ
猫じゃらしであやしたあとで
バケツ ....
蒸気機関車の車窓から
景色が後方へ飛んで行く
山は碧から朱に変わっており、
山肌には不気味な道が這い回る。

しゅっしゅらしゅっしゅっしゅ
しゅっしゅらしゅっしゅしゅっしゅらしゅっしゅ
 ....
平日は
ぎっしりと湿った砂が詰まった頭に
素敵な大人のお面をつけて
行列の最後尾で傾きながら
特別快速の通過を待っている

休日は
いっこうに衰えない逃げ足に
穏やかな家庭人のジャ ....
 
 
空を見あげると
文字のような
白い雲が浮かんでいる

読めそうで読めない
白い文字
もし体があったなら
もっと上手に
書けたかもしれない
けれども
体がないからこそ
 ....
 
 
おさない頃
倉庫に閉じこめられた
なにか悪さを
したのかもしれない

わたしは泣いた
父の足音が遠ざかり
もうだめかと思っていると
ふたたび父の足音が近づいてきて
鍵があ ....
すこし
爪先立ちで
細かい雨のシャワーのような
ツクツクホウシの蝉時雨を
浴びながら

丘の上で
夕暮れの風を聴く

どこからか
夕餉の仕度の
幸せな匂いがして
ふと 空を見上げたら

『恋してるの? ....
夕焼け色の空を見て
君は癒されるでしょうか
あの日、
海で見た
あの空のように
終わり行く一日を
溶かすように
僕らは終わったのでした

愛しています
と呟くたびに
コップの中の ....
渇く忘れ去られた庭に光があった
錆びついた鉄柵はきしみを告げる
ほしいままにはびこる夏草が
風を連れて通り過ぎてゆく


忘れ去られた庭の
土は乾いて陽盛りだけが
影を作り 思い出を形 ....
1+2=

「たけちゃん。
 おつかいにいってもらえるかな。」
「うん。
 いいよ。」
「みかんひとつとりんご二個買ってきてほしいの。」
「ひとつとふたつ・・・・。」
 ....
               100909






箱の中から
取りだす石ころ
お弾きのように一列に並べた。
テーブルの上の石ころたちは
鈍い色を放ち
眩しそうな目をし ....
産婦人科の女医の
知り合いもいなければ
メメクラゲに左腕を噛まれた
覚えもありません。
しかし、左腕が痺れてます。

左腕の痺れは
ネジの絞めすぎだと
何かの本に書いてあったので、
 ....
人の声がしていた
気のせいかもしれない
聞かなければ、
聞かずにすむのかもしれない

鬱蒼とした密林の獣道らしかった
薄日の差し込むそこは、鳥が時折 過ぎていく
朝ならばもう、あたしは学 ....
 
 
母の家までいくと
まだ幼い母が
家の前でひとり泣いていた

なにか悪さして
家に
入れてくれないのだと言う

私は扉をたたいた
悪いのは
この娘ではなく
私なのだと
 ....
 ――知っていただろうが、

銀のフォークに刺したその柔らかな一切れが
まだ焼かれるまえには紅く鮮血が滴っていたのを
そして屠られるまえに荒く息をし、
「お願い、どうかやめて!」と叫んだのを ....
他人の死は見ることができ、
自分の死は見ることができない。

他人の表情は見ることができ、
自分の表情は見ることができない。

自分の何かはすべて想像だけで、
鏡に写った自分が本当に自分 ....
僕たちは見ていた
星を
  夜の
    空の
それぞれの 星を
見ることで
何かが晴れ渡るわけではないけれど
僕たちは星を見ていた

夜の暗さのどこにも
それぞれの気持ちを投影す ....
弟と拾ってきた仔犬
団地では飼えないからと母にきつく言われ
泣く泣く拾った場所へ戻してきた次の日

くんくんと悲しそうな鳴き声忘れられなくて
自転車に乗り夢見ヶ崎まで

小高い丘の上には ....
掴み損ねた春
踏み外した夏
逃げ切れなかった秋
静かに翼をたたんだ冬

幾つもの季節に晒されて
すっかり角の丸くなった
色とりどりの記憶を
ひとつずつ口に含む

もう何処も痛くはない
もう何処にも染 ....
  川辺で
  黒い指が
  内臓を洗っている



  夜が
  温かな口をひらいて
  言葉を吸っている



  女たちが
  此処に横たわり
  草のように ....
 
麦わら帽子の片思いは
たんぽぽの種になって飛んで行った

新調仕立て背広の恋愛は
勿忘草となって枯れていき

覚悟を決めた愛情は
ブーケの花となって咲いていった

白髪交じりの ....
石川敬大さんのおすすめリスト(1132)
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