なきながら翼広げる影のあり雲間にもえる鳥のまぼろし


胸破り飛ぼうとするか呼子鳥光を背負いこだま待つ空


その薔薇を朱に染め抜いてわが小鳥囀る歌よ棘も忘れて


夏至の夜火を飼い ....
午前10時30分
一日に一便きりのフェリーが入港する
家々から 軽トラで トラクターで 人々が集まる
友人を見送る人々
来客を迎える人々
俄かに活気点いた港
ぼくは 人々をフォークリフ ....
お茶の水橋から聖橋
まぁるい大きな輪っかが見える。
下半分は揺らめいて
昼間に鎮座する月のよう

にび色の神田川は足がすくむほど
高い地点からしか眺められな

その水面をじっと見つめ ....
たましいがつゆだくだ

秋の気配

空の雲のないところが

透明になっ



クーラーが前髪にあたっ




かなしくて幻になっていた

風が暑ぬるくほどけていた ....
最寄駅に着いた深夜
ドシャブリ
たった 1メータだが
タクシープールへ向かう

みんな 考えることはいっしょだ
長蛇の列

あたしは 日傘は持っていたが
キャスケットを目深にかぶり
 ....
くもをたべる透明ないきものが
空に住んでいます
優しいナイフで切り開いて


あの日  歓声をあげて
逃げ水を追いかける
おさな子はぼくですね
ちっともつかまえられないのに
追 ....
 
 
公園の水たまりに小さな魚が一匹いた
海水魚のようだった
昨晩の雨に迷って
ここまで泳いできたのかもしれない
このままでは水が干上がってしまう
魚は少しずつ弱っているように見える
 ....
人の恋路をおしゃかにし
三日三晩の晒し者
だけどそれじゃぁ飽き足らず
歌い踊ってはやしたて

あわれ
純真
お馬さん
ここでなければ
結ばれたろうに

関所破りに追い詰めた
お ....
たとえば、わたしは、とても広い大地に立っている。
大自然が 与えた ゆたかな大地。
わたしは、太陽を正面に見据えている。
わたしの 後ろには影ができている。

太陽がまぶしいぶん、影 ....
                 100809




価格破壊の角笛に
トロンボーンが負ける
金属が貴重なのだと
トランペットが慰めて
バスーンも頷いて
傍らのクラリネットに愛 ....
避暑の家の涼しげな夏草の茂み
その影もまた深い碧に沈み、
淡く邪気ない木漏れ日が窓辺を揺らしていた
暗い六月の雨をしっかりと含んだ土の濃さが匂いたち、
やがて腐敗へとつづく露骨な大地のプロセス ....
立秋は暑い

暑いけれど

風がほどけ

空をおいて

雲が重なる

夕方の影は

 ....
そして今年もまた夏が此の世を
残酷に覆い尽くしてゆく
夏は光と影の鋭い{ルビ刃=やいば}で
其処彼処抉り取ってゆくから
見渡す景色は狂おしいほど彫り深くなり
抉られた処から噴き出すように
 ....
真っ白な紙をたくさん束ねた
大きな自由帳をもらった
どんな色を使ってもいいけれど
必ず自分で決めなさいと言われた

罫線もマス目も何もない
分厚い自由帳をもらった
どこへ持っていって ....
部屋にぽつんと一人
歩き始めるための外出をするには
外の空気は不当に暑い。

アスファルトの上で血液が沸騰する
サニーサイドアップをアスファルトで、
だが、外出のための条件は整った。

 ....
空を飛びたいと
願っていたら
いつの間にか
飛べるようになっていた
ずりずり
這い回っていた私が
今では
青空をはらはら飛ぶ
解放される
地上の生活は
きっと
空の青さを理解する ....
汗ばむいつもの朝
あの夏の積乱雲
輝く輪郭に隠された
いくつかの胸騒ぎ
終わるのでも始まるのでもない
そんなめまいだけの朝に
散りばめられた笑顔の
なんと残酷なことだろう
いらだつ夏は ....
耳を立てて
虹の匂いを嗅いでいる
そのとき
雲を背負って
ぼくらの原始人が現われる


原始人はときどき血痰を吐く
ひそかに獣を食ったのかもしれない
あるいは体の中に獣がいるのかもし ....
かんかんかんかん
かんかんかんかん
赤い光の警報機
降りる遮断機の
その先は
急行電車が
飛んで行く。

かんかん手を振る
二歳の子
電車を見ながら笑っている
夕日はとっくに夢の ....
空色から生まれた風が、
少しの遠回りをして やってきて
季節の話をしてくれる

静寂に波打つ風紋の砂の褥

焼けた肌は、夏を貧欲にむさぼり
求めるそれを手にするまで けして 止めようとし ....
 
 
軟骨で出来たビルに
バッタが遊びに来ます
電信柱の破片が砕けて
少量の砂になります
 
 
+
 
 
過って網戸に
大きな穴をあけてしまう
その大きな穴から
たく ....
おんなは夜ひとり泣いたりする生き物だ
目をこすって赤く腫らしたりする生き物だ
落ち込んだりじぶんを責めたり
おんなは忙しくて切実なる生き物だ

おんなはみんな渡り鳥だ
あたまのなかの磁石に ....
わたしのなかのうたが戻って来ないので
別の誰かのうたを飼うことにした
今はやりの詩人のうただ

アンティークの鳥籠の中で
はやりのうたは
毎日ひとつずつ違ううたを歌ってくれる

人を愛 ....
 中学の頃科学部に入っていた。十三歳の透き通った体には、夢想によって薄められた血液が集まるための小部屋が必要だったし、十三歳の墜ちてゆく倫理は、それまで入射していた論理の湖から溢れ、また日々を結合させ ....                   100803




物体化した組織の齟齬を見つめている
小さな罅が拡大してゆく速度を測る
気の短い魚が迂回路を避けて
小堰堤に挑戦する傍らを
 ....
買ったばかりの缶コーヒーを
首筋に押し当てながら
見上げる空

千切れた記憶の尻尾が
光りまみれになって
流れていく

街路樹から降り注ぐ蝉の声が
身体をすり抜けようとするから
何処かが痛い

流れ ....
眠たい
けれど眠れない
何もない
暗い世界を
おなかが減ったまま
歩いている
誰か
私を
どうぞ
いっぱいにして


片足脱げた
サンダルは
きっともう
そのままで
 ....
い、痛くないの?

男のひとの満足げな顔って決して嫌いではないのだけど

京急立合川駅って普通電車だと運転免許試験場のある鮫洲駅からひと駅
競馬の好きな方なら大井競馬場への最寄駅で通り良いか ....
わたしは眠る
何処に

毎夜訪れる生贄の儀式
わたしは焼かれて
再生させられているのかもしれない
夢を往復するために
いや
目覚めこそ幻覚
わたしは起きている感触 ....
虫取りの子たちが
アジサイの茂みに見え隠れする
夢の色を追いかけて

おおきくなってしまった
ぼくは
その動きをなぞることができない
思い出して叫んでみても

ブランコの揺れと ....
石川敬大さんのおすすめリスト(1132)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まぼろしの鳥- 石瀬琳々短歌6*10-8-11
口永良部島本村港- アマメ庵散文(批評 ...5*10-8-11
お茶の水橋から- ……とあ ...自由詩15*10-8-11
たましいのつゆだく- 吉岡ペペ ...自由詩1110-8-11
痛いドシャブリ- 森の猫自由詩4*10-8-11
夏の完結- 橘あまね自由詩2210-8-10
下り列車- たもつ自由詩1310-8-10
よさこい節- 北村 守 ...自由詩210-8-10
そうさ_世界は_美しい。- るるりら自由詩13*10-8-10
やさしいし- あおば自由詩5*10-8-9
ガーデニア_★- atsuchan69自由詩14*10-8-9
秋立つ日に- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-8-9
夏_極- 塔野夏子自由詩5*10-8-7
僕の自由帳- nonya自由詩28*10-8-7
酷暑- ……とあ ...自由詩13*10-8-7
青虫の羽化- 曲がり屋 ...自由詩210-8-6
夏の朝に似ている- たりぽん ...自由詩8*10-8-6
ぼくらの原始人- yo-yo自由詩8*10-8-6
かんかん踏切- ……とあ ...自由詩6*10-8-6
砂の塔- 月乃助自由詩17*10-8-6
夏は終わる- たもつ自由詩510-8-5
おんなについて- 吉岡ペペ ...自由詩1610-8-4
うたを飼う- 未有花自由詩11*10-8-4
眼鏡の定義- 葉leaf自由詩610-8-4
怪物- あおば自由詩5*10-8-3
夏空- nonya携帯写真+ ...13*10-8-3
夜蝉- さき自由詩410-8-2
立会川のひと- 恋月 ぴ ...自由詩16+*10-8-2
眠り- 乱太郎自由詩21*10-8-2
八月の子ども- 橘あまね自由詩21*10-8-2

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