もう既にどうしようもないこと 今となっては止めることもできないこと 
部屋中を探し回っても どこにしまったのかも分からなくなったもの      
いくら思い出そうとしても ぼんやりとした残像しか残 ....
かすかな肌の触れ合う音と溜息 生きている証のような唇の暖かさ
 熱く沈黙のような吐息 一度きり囁かれた言葉も繰り返される言葉も何もかも 拡がり続ける滑らかな曲線が 想像もできないほど遠い場所で 見た ....
火を食べる川
その川のようになりたい
なりたければ仰向ける空へ返す仕草を
かみしめたまま忘れないこと
石の尖りを解かれた頃には
流れの起伏をたどっていることだろう
いつかは溢れ、落ち着くと ....
ゆるやかに
もう乾涸びてしまいそうな川の
もう息絶えてしまいそうなせせらぎを
聞きながら
顔つきを変えずに
下ってゆく川面を見ている

投擲する石礫は対岸に届くことなく
力なく落下して ....
  短くなった
  夜をうち捨て
  靴の裏で
  光をつぶした



  だれでも
  知っている
  夜の次は
  朝だ



  そして立ち昇る
  あいま ....
あと九作品だ、が目の前を通過する。
あと九作品なんだよ、よ。到達まで。
今まで侮っていた。
こんなに長い道のりだったなんて、思わなかった。
この前初めて気付いて
やっちまったなー。
後悔し ....
真夜中
静寂に耳をつかまれる

今夜は 星も
月も風も犬もない

どこかの
高い塔の
窓の暗闇から ひっそりと 
花びらを撒くひとがある

それは恋をするむすめ
それとも
も ....
履物を脱いだらきちんと揃えること
食事のときはちゃんと座ること

きちんと ちゃんと
口癖の祖母の跡

入ってきたドアの
でてゆくドアの
閉まりきらない姿が
あくまで悲しいのでなく
 ....
あなたの苦しみを目の前にして
わたしは何も言うことができない
憐れみや慰めの言葉
あるいは
勇気づけの言葉さえ
そんなものがいったい何になろう

あなたの苦しみを目の前にして
わたしに ....
それは腕でした

ベッドは空を飛ぶいきものになったので
わたしのライフカードからは
にんげんが外れました


それは腕でした

ブランケットの内でまどろむわたしを抱き
耳を塞い ....
黄ばんだ細い幹の先
辛うじて育む古の緑
枯れ切らない生が
美しい朝を
美しい夜を
何度も
心待ちにしている


如何わしいことばかりの森の奥で
白いワンピースの裾が揺れていた
小 ....
今日は落日は見なかったな
見なかったな。小雨に覆われて
道行くケンタロウも見なかったな
ケンタロウの紐に引っ張られていくおじいさんも
やっぱり見なかったな
観察という行為が
とても少なくな ....
貰ったキーホルダーを見る度に
僕の心は体を離れる
ずっと遠いあの街まで

丘の上には大きな桜の木があって
公民館と図書館と体育館と
少し行くとスーパーがあった

公民館には児童館がつい ....
朝焼けをふたりじめして。
舌に乗せたらいいよ。ひかりのバター。
とけるものは。ぜんぶさみしいから。


すきなもの。屋上にあるもの。
給水塔。ふるい排気ダクト。
埃の匂い ....
電車
降りる駅の看板が動きだす

見る
睫毛の間に雨粒の影

晴れ
瓦屋根の隙間から雀がでてくる

気配
振りかえると自分の影

授業
突然教師がさしてくる

歩行
つ ....
{ルビ蜻蜓=とんぼ}の眼鏡は言う
「得た、と思ったとたん、うしなっている」
であるから、はなから何ももっちゃいない
少年は、青年になっていた。誰もが年を取る
今は
 ....
わたしはついさっき
きみを忘れた

すぐに思い出すこと/その過程/は
随分と、昔から
変わらないのだけれど

ひとびとはそれを指す



{引用=わたしは、たった今も
 ....
腑抜けた愛から
腐臭が漂う

いつから
始まったのか

あおぞら

蘇る思い出さえ
あおに染まって

崩壊はもう
目の前にある
意図していない時に訪れる
今回の災害のような事を 私はいつも考えられない それは
気分のようなものなのか
しかし つまらなく思える 何もかもが
理解していない音楽を
人前で大声を出して語 ....
まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た

縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた

うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た

首を長 ....
  夕日なんて見たくない
  きみは言う
  紅く
  どこまでも紅く
  終わってゆくものなんて



  透明になんてなりたくない
  ぼくは思う
  歓びは
  柔らか ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。

裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。

そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
 
 

 
押さえ方は思考中で

今日も、少なくて手に余る弦を
行ったり来たりしている



進行は常に楽を目指したい

多分その通りに
作られていそうなのだけれど

 ....
  春光に
  匂う
  息をつめ
  畦道をゆく



  (ただのいきもの
  (ただのいきもの。ここでは。



  匂う
  緑、
  汗、
  夢が
 ....
「竜巻」

君はハイヒールを投げ出すように脱いで
僕のキャンバスの中で
踊りに明け暮れる
遥か彼方に竜巻が描かれているだろう
あれは
君に惑わされた僕の渦




 「波紋 ....
風を数えることができない
今私にぶつかった
私の髪をさらっていった
風を色分けることができない

だれかの悲しみに
順列をつけることができない
少し待ってくださいと
目をふせる人をフォ ....
{引用=
きみのその
そこはかとないさみしさを湛えた眼の奥の
ひとつの清澄な翳に交わろうとして失敗を繰り返すたび
嗚呼そんな、
そんな姿でよくここまで生きて出会ったねと
喉元を締め上げる想 ....
泣かないで
海を見ている
あなたの指先から
夜が始まる

死なないで
風に吹かれて
あなたの肩先まで
星がこぼれる

言わないで
きのうのことを
訊かないで
あしたのことは
 ....
  きみと歩く
  この細い並木道



  きみが
  春風だから
  ぼくは飛んでゆくよ



  くだらない
  愛の歌だけ詰めた
  おなかをかかえて笑うよ
 ....
眼のなかに眼がある
僕の眼のなかの眼は
遠い彼方の星に視線を投げて
すなわち自らを投げ
僕の閾ではないその場所から
ひるがえって僕の眼を見る
僕の眼もまたそれを見返す

彼方にある ....
石川敬大さんのおすすめリスト(1132)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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そして夜が- あらら自由詩211-5-4
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- 理来自由詩311-5-3
真夜中- 浩一自由詩311-5-2
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私信- 浩一自由詩211-5-2
レストルーム- 山中 烏 ...自由詩3*11-5-1
深い森- さき自由詩511-5-1
一日- 理来自由詩711-5-1
扉の向こう側_(未詩・独白)- プル式自由詩8*11-5-1
ウォータープルーフ- ねことら自由詩6*11-5-1
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コード- 山中 烏 ...自由詩2*11-4-30
畦道- 草野春心自由詩5*11-4-30
竜巻- 乱太郎自由詩9*11-4-29
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分光- 高梁サト ...自由詩511-4-29
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並木道- 草野春心自由詩511-4-29
- シホ.N自由詩411-4-28

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