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コン コン と叩けば
コン コン と骨の音がする
君は何処? と問えば
私は此処 と返ってくる
部屋はまるで君の肺のように
さりげなく わざとらしく
君の空気に満ちている ....
朝方ハッと目が覚めると
そこはいつもの四畳半
君の姿などなく
凍える身体だけが
知らせてくれる
僕がここに確かに在ることを
笑ってごらん
海が見えるから
泣いてごらん
人が見えるから
皆が助けて
くれる
皆が好いて
くれる
愛していると
言いたいのだけれども
言えない
大切だから
雨の中 ....
うっすらと
冷えた微風にほんのりと
さやかな湿度とキンモクセイ
夜道をスーツは落ちてゆく
まよこを電車が落ちてゆく
ほんのりと
さやかな湿度と焚火のなごり
胸 ....
何度も君の名を呼んだ
声が出たことは一度もなかった
臍の奥底深くにある樹海
窒息しそうな木々の狭間
羊歯の葉の上に声溜めが転がっている
叫び出しそうになった声はきれいに縁取りされて
そ ....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
部屋の隅に棚でもつくってみようと思い
ホームセンターに行って
平板と角材と釘を買ってきた
もちろん自分を棚上げするための棚だ
しかし、このずぼらな責任逃れをする男の
重いこと、自分自身の ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く
拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく
紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
今あたし男の人と住んでる
あんたじゃない男の人と
店から帰ってきたあたしに
彼は今日はどうだったか必ず聞くの
あたしは答えるの
今日ものすごく嫌な客が来たの
....
海の仕事に憧れる、
俺は初恋を望みます。
女子高生の、
紺のハイソックスの
それで隠しきれなかった
スカートの下
を
不思議な気持ちで
目線を上げて ....
あなたは少し離れたトコロで
わたしに結びつけた糸を手繰っている
わたしは週末をすべて使って
あなたに会いに行く
高い場所から景色をみるような
水平線をみるような
二 ....
何処までも真っ直ぐな道を僕はやってきた
太陽光線がディラックの海を撫ぜる
学術研究都市へ続く道と
凪の無い海に至る道
面倒な事は物理学に丸投げして
cobraのshiftを噛ませて ....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる
その帰 ....
君に歌って欲しいんだ
君の歌
君は歌うことしかできないけど、それでいいんだ
絶望の空から聴こえる氷のような音楽
それだけが真実でそれだけを聴いて生きていた
それ以外なんか無いと思う
あ ....
黒く太い線で描いた哀色
繊細でいつか途切れてしまいそうな
悲愴ではなくて
黒く太い線で描いた哀色
窓枠がちゃっかり絵画のように仕立てる
美しいわけなんてないけど
いいだ ....
パスワードを変えた
だからあなたは私に触れることはできません
パスワードはあなたにはきっと解らないでしょう
ヒントは私の部屋の水槽で泳いでいるきれいなかわいい青い魚の名前
私はロボット ....
いつもの朝
いつものおはよう
いつものコーヒー
いつもの食パン
いつものテレビ
いつもの出勤
いつものランチ
いつものお疲れ様でした
いつものただいま
いつものいただきます
い ....
満員電車にのって
おじさんの大きなお腹に
つぶれそうになって
呼吸困難
外は真っ暗
家に着く
待ちわびた今日が
終わってしまった
なんて
玄関まできて思っ ....
何だかわからない
半分あげた所為だろうか
「半分あげた」
って
掠れた記憶の中
しるしみたいに
僕は多分パラ ....
月が揺れたように
見えたんだ
きっと君が近くに
来たんだね
君が帰るまで
僕はずっと泣いていました
全身を硬直させて
僕はずっと震えていました
想い合えた筈なのに
傷つけ合っ ....
「マリー、おれそろそろ出て行くよ」
気ままにメロドラマに感動して
勘当と父に告げられ
もう会うこともない
おれを裏切り 救済しなかったファムファタール
ディスチャージやジョー ....
川の声を聴きながら
浮かべた笹舟
葉桜の影を通り過ぎて
日向に流れきらきら光る
小石に躓きくるくる回る
追いかけるうちに飛んで行った
白い帽子
笹舟は 行方知られぬ
見失って
....
おおきいひとと ちいさいひとと
こっちの部屋に集まって
大騒ぎで追いかけっこしている
あっちの部屋の
ちいさくなったおおきいひとが
熱心に見ている
かたつむ ....
壮麗な楽の音と雑踏の期待
たった一つがために交差する
潮風のとりつく喧騒に
独立記念日の夜を迎える
高らかに、いわえ
いわえ、高らかに
確かめ数を増してきた歴史の顛末をあかし
....
生きるほどに
すり減ってゆくとしても
僕は原石のままでありたい
たとえ自分の中に
トパアズやエメラルドみたいな
そんなきれいなものが隠れていても
僕は原石でありたい
たとえいびつ ....
雪の街が歩く
滑り転んで株価が白む
女が女学生になって
子供のような澄んだ顔で
街の夢案内人になる
魅入られたのはスリップした男と女の衝突事故 ....
さざんかの咲いている道を下っていました
私は光るペーパーナイフをたずさえて
ナイフはとてもよく切れるのです
手紙の封
白い手紙の封をサクリと
その手紙には何が書いてあったのか
今忘れる ....
平安神宮に向かって歩いていると
鳥居が見えてきた
夕陽が西の空に脈打ってる
なんか、やっとるで
歌聞こえるやん
なんやろな
あ
斉藤和義のやぁ無情が流れてる
....
俺の不安は
俺のファン
どこまでもつきまとう
狂信的な不安
どんなに迷惑を被っても
こいつは警察も捕まえてくれない
心の中にあるものからは
決して逃げられない
俺はこい ....
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