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開会式の行進
のはずなのに
みんな何故だか走っていて
走るのは遅くない
はずなのに
何故だかだんだん
取り残されていって
仕方がないから
後ろのクラスに合わせようと
スピード ....
サンマがぐんぐん泳いでいます。
サンマが群れを成してぐんぐん泳いでいます。
サンマは海を泳ぎます。
サンマは海を遠くの方から
反対側の遠くの方まで泳いで
そうやって一生を ....
私の中のコンピュータは壊れているのか
私の思いを言葉に変える
こんな単純作業なのに
心の中の変換ボタンを押したって
正しく変換されないよ
君を傷つける言葉にしかならないよ
その ....
太陽にかざした
ビーカーの中に浮かんだ花びら
太陽光線に照らされ
薄桃色の水溶液の中に舞う
花びらは実験室の万華鏡
桃の缶詰に入れた試験管に
チョンっと触ると凍っていく水
なんて不思 ....
いつもと変わらない
思い込みだと思いたかった
あなたと一言交わす度
確信に近づいていく予感
あなたの目はもう僕を見ていない
高く澄んだ青空の下
広い芝生の上
この細腕には少し重いベンチを
歯を食いしばり運んでいた
色とりどりの枯葉が無数に敷かれた
穏かな秋の陽射しに影を伸ばす
あの{ルビ木陰=こかげ}まで
....
ローテンションで日々を
嘘すらも横目で見逃し
些細なことで驚かなくなった
一喜一憂は遥か彼方
淡い恋などさらにその先
それでも
泣いたり笑ったり
同じこと ....
また
しっぽが
挟まれた
自動ドアが
わたしのしっぽを
認めない
管理人さんが
困ったねえ
と言って
ちゃんねるを変える
新しい服を
買って
穴をあける
埋め ....
【花時計】
ある一時
植物のように生きることを夢想する。宮沢賢治は雨ニモ負ケズといったけれど、植物は雨に負け夏の暑さにも負け
害虫にやられて レタスは高騰するのを見ながら。
....
うまく言えないけど
とか
うまく伝わらないかもしれないけど
とか
そんな前置きなんかもう
言わなくても
言いたいことは
伝えたいことは ....
のどに はしゃぐ みめいの
つきの すずか つむぐ かるた
まわる やまの はるか さます
かやの ねむり まどう むごん
みちぬ おもい ゆきて きえる
かえぬ こころ ぬぐう ....
こんにちは と
差し出された名刺には
箱庭とだけ書いてあった
鞄の中から取り出した
石に草木に川に橋、
さらには水車小屋までも
あれやこれや説明しながら
砂を敷き詰めた顔面に
....
しずまりかえった夜
の浸透圧で
ゆるやかににじむ
染まりゆく夜
染まりきるころには
わたしたち 空っぽ
恋は死ぬ
愛は死ぬだろうか
輪郭は想う
幻色で、つめたく卵
うすく微 ....
ふわふわが
ふわふわに言います
もっと
ふわふわになる
光が光に目をふせ
渦の生まれを見ます
ふたつ
生まれた
ほつれ
ほどかれる指が
からまわりし ....
きょだいな
へりくつのかたまりが
そらからおちてきて
まちのたいはんをおしつぶした
こうえんのかぞくづれも
やくばのひとたちも
へりくつのまえでは
ひとたまりもなかった
みんなのつ ....
玄関の靴脱ぎ場で
わたしはあなたと話をしていた
あなたの欲しい不動産の話
わたしの欲しい不動産の話
玄関のドアは閉まっていた
肩にかけた鞄
夏の玄関は暑く隙間もない
わたしは不動産を ....
いち ぬけて
にい ぬけて
ぽろぽろ ぬけて
ごそごそ ぬけて
ハイ おしまい
と いうわけには
いかない
タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらでき ....
おれは、かすかだ。もうすぐ、なくなる。それでもいだきつづける、おと。か、すか、だ。あのねThis is POPなのPPPP底には何があるの。セミがあおむけマンションの廊下に落ちてたよ。夕日!だった。貴 ....
光り輝く夢なんて すごく儚いモノ
そんな夢を 現実にしようとしてくれた 君がいた
飛行機雲に願いをのせて
一緒に歩んで進んできた道は
最高の幸せと
暖かさだった
みずからを
すくえなくても
ぶきようなりょうてで
すくって
すくって
すくいあげたそのみずから
なみだを
おもいだせ
灯りを付けない夕刻の
人のいない部屋の沢山の影が
角からふやけて
海になってゆく、深い、暗い
海になってゆく
肺に溜まる海って
苦しいよね、でも
呼吸と引き換えだ ....
桃色の屋根をぶら下げて
花を振りまくあの売り子に
トマトをぶつけてやる
熟れすぎて
腐りかけの赤を
思いきって投げる
彼女は手を差しだしてまで
受け取ろうとしてくれるだろう
君の僕への愛の炎は燃えているかい
亜熱帯みたいな
駅の地下道で
ギターを弾いているお兄さんがいた
悲しくて切ない曲ばかりだった
何時間もギターを聴いて
目を ....
昔男を取り合った女はわたしと正反対で
なんでまたそんなことになったのか覚えていない
わたしは余裕で調子こいてたから彼女を敵とみなしていなかったが
わたしがいろんなことに忙しく男をほったらかしてい ....
両脇に雑草が敷き詰めてあって
はじの白い線も消える途中の
でこぼこで、ひびの入った
道を行く
真夜中前の、見落としがちな気配を頼りに
妙に軽いステップよろしく
ふうわり
ふうわり
....
草原の昆虫が挨拶!
木の幹にしがみついたビニール袋に、水滴がたまっている。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
風は生温くて、とても涼しくなんかないよ。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
....
僕が旅に出る理由は
1の僕の最後の抵抗
会わなくて済むこともできたのかもしれない
少なくとも
文字で僕をつたえることはできるって
そう信じていたから
何千字を送信することも ....
蒸し暑い夜空の下で
蛍のように光ながら
残った命を、使いきってゆく
嘆くこともせず、微笑みもせず
まるで今日起こる出来事が
朝、目覚めた瞬間からわかっていたかのように
昨日と同じように時を ....
人はみんな変わっていく
いいふうにも 悪いふうにも
自分も 風景も
変わらないものなんて
きっと 何ひとつない
ただ流れに身をまかせるだけ
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