独立記念日
月乃助


壮麗な楽の音と雑踏の期待
たった一つがために交差する
潮風のとりつく喧騒に
独立記念日の夜を迎える

高らかに、いわえ
いわえ、高らかに

確かめ数を増してきた歴史の顛末をあかし
未だに定まらぬ植民地 < 連邦参加国
の、薄衣の肌をぬぐう

夕陽の愛惜を消し去った入り江の港は
耳をさく、光の弾ける時を探る

市井、
海猫が、波に遮光を影する
鳴き声は、高らかな祭典の開始の合図

「撃ち放て、夜空」

闇を彩る
今宵だけは切り離された夏の夜

大輪を咲かすあまたの花火の炸裂に
身を焦がし
火の粉に散り去った者達の想いを焼きつける
独立の辛苦に夜空を仰ぎ

自由を誇れ、旗を翻せ

独立記念日の賑やかな祝いの夜
港の民は花火の祭華に享楽の顔を染め抜いていく


自由詩 独立記念日 Copyright 月乃助 2009-06-26 15:06:19
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