早朝に
冷たい北風が吹き荒れて
庭の山茶花が散っていた
そこらじゅうに
真っ赤な花びらがてんてんと
血のように落ちている

家の鬼門には赤い色
魔除けに植えられた山茶花だった
色彩の ....
暗いそらのした
森の樹皮質のぬくもりが、
重さをました広大な冬の夜をささえている


不思議な安寧をやくそくされ
みちびかれるように 生きる
神々しく 雪をいただいた山のうちふところで
 ....
大丈夫だよって言った
飛び地を漂う気球の上で
ずっと考えていたこと
千切れ雲に重ねて
宇宙の浜辺に寄せて返す波

航路を遮る物もなくて
気体の存在だけを頼りに進む
死体とか根っことか笑 ....
もし、知性が裸になったなら 
目は目として 
歯は歯として 
足は足として 
一つの人格を持ち 
僕等に口を開くだろう 

からだの数え切れない 
それぞれの部分を 
一度ばらばらに ....
蜘蛛の糸で宙吊りにされた意識が
朦朧として微風に揺れる
埃だらけの部屋の片隅に
宙吊りにされた自意識
窓枠は皹割れ
硝子に結露は無いが曇つてゐる
窓から差し込む悲劇は
眼球からの映像とし ....

ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
イマドキの女子にとって
バレンタインデーは
好きな男子にチョコレートを渡して
愛を告白する日では
もはやないようである

友チョコといって
親しい女子同士で
チョコレートを贈り合う日で ....
あたしたちは

やっぱり同類だ

いつも寂しさを抱え
隙あらば

恋を探しあててしまう

あまりにもシンプルで
自然な振る舞いは

罪悪感すら
起こさせない

同類だから ....
欲求不満熟女料理のタグはカレーライス
エヴァーノートウェブクリッパー同期して
外れやすそうな蝶つがいのようだ 僕ら
じゃがいもとにんじんとたまねぎとお肉を
キリリしイタメルルしニララして
お ....
               せつなさと呼ぶにはうす汚れ
               虚しさと呼ぶには大げさすぎる
               そんなありふれた感情は            ....
あなたは
黒いショールの隙間から
少しだけ
見せてくれた

嘘も真もなく
構えもせず
力を抜いて
雲間の月のように

鉄筆で深く
刻まれた詩
人生の一片一片
散りゆく時を知り ....
部屋の東側にある窓の向こうから
そろりそろりと気配を感じた
冷たい空気にかき回されて
輪郭はひどくぼんやりとしている
わからないけど
生え際にだって届きそうな気がした


ベランダで育 ....
ひらひらと、あたしのうろこがひかる

海の光と、空のひかりに

ひとつづつとしをとってゆくと

かたくかたくなってゆく

こころをまもってゆくんだよ

こわれないようにね

ぎ ....
球い地球の表をめぐる水の一部が
立体の水槽に拉致された

 左右にたなびく水草を移植し
 静止した
 とうめいな境界線まで
 眼光のアフリカンランプアイが群れる
 コントラストにまぶした ....
見えない塔のてっぺんから
見えない鐘の鳴る音がする

見えない塔には見えない人が住んでおり
少しのふこうと
少しのしあわせを
味わった

見えない塔には見えない鳥が飛んできて
よい声 ....
短歌を超える詩が、あってもいい
詩を超える短歌が、あってもいい
詩人も、歌人も夜はおなじ寝床で肌をよせあって
眠るのだとおもう

今日はもうなにも書けなくて
はやくお風呂にはいってあし ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと

あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
 ....
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{画像=120205233928.jpg}


からっぽな心 / 電車の影を追って


電車の窓から外を見ると冬日の光の影が
併走す ....
  猛々しい
  雲の峰々をぬってながれるその川に見覚えがあった
  なぜか
  その子に見覚えがあった
  林の奥の僻地の村へは行ったことないのに
  そのおさない者の笑顔に
 ....
  チャイ屋の少年ラムクマールは指先で
  その裸の指先で
  皿やカップの料理を食べる
  コツをかれに教えてくれた
  ふるくからの言い伝えだと話してくれた


     ....
飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道

ふと見る ....
強く高みを掴んだ
脚に力を射して
秒速の息づかいを届けた
筋肉の震え
ハチドリの余韻
ふたごの虹

高音域を続けたのち
からだをつらぬく絹糸
歌はすべて感情から生まれ
歌はすべてあ ....
いつごろかなあ
泥遊びをしなくなったの
虫だっていつのまにか触れなくなったし

雨の日に
傘さすのやめて
長ぐつのなかびしょびしょになっても
きにならない
友だちと歩道の横にできた ....
針金の先端の尖った針が
心に突き刺さって血を流す
薄い膜に覆われた半透明の未来
触れると壊れそうで怖い

漠然と広がる未来は
わたしをいつも不安にさせる

指先に沁み込んだ ....
サンジャポを久しぶりに見つめていた

日曜の午前の空には雨雲がひかっていた

田中みな実と藤森慎吾はお似合いだと思った

なんでかなと考えてみた

ふたりともほんとはこんなキャラじゃな ....
あなたのことを 想うとき
天気雨が降ってくる
隅々まで晴れた蒼い心に
不似合いな
優しい雨が降ってくる

終わった恋を 想うとき
天気雨が降ってくる
微かな雨粒
泪じゃないよ
傘を ....
友達をなかした
だいっきらいを3回いった
うそをついた
失敗をごまかしてうやむやにした
傷つける一言をいいすぎた
ヒステリーになった

そんなあたしは

顔にモザイクをかけて
歩き ....
  非定型な雲は生硬な定型でしかない
  ぼくを尻目にとりとめがない

  ぼくのO市
  かのじょのN市
  どちらも雲と坂が多い街であるから水っぽい
  川が
  なにか ....
梅雨の晴れ間に射す陽光は、いかにも目に眩しい。この図書館の処々にはステンドグラスのはめ込み式の窓がある。陽が射さない日には、くすみ、精細を欠くその窓も、今日は冴々と色を発色させて美しい。ステンドグラ .... ひとりは食用ハサミを購ってカバンにまぎれこませた
ひとりは旅行パンフレットに載っていたキティグッズに赤ペンをした
ふたりは義理の親娘で
口もきかない絶縁状態だった

ひとりは殺人 ....
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t_o_m_o_f_a_n- ともちゃ ...自由詩5*12-2-11
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