さぁ 胸をはって
鼻のあなを
おもいっきり開いて
しんこきゅう しんこきゅう
スーハー スーハー
しんせんな空気を
胸のなかに吸いこんで
心のモヤモヤをはきだす
しんこきゅう ....
おいっ
おいらたちを拾うんじゃない
可愛いからって 持って帰るなっ
おいらたちは種なんだ
ちゃんと土の中に埋めてくれよ
いつかは立派な
どんぐりの木になるんだ
池に放りこむなっ
....
光と影が突然交錯する、いくつかのトンネルをくぐる。電車に揺れながら、いつも不思議な感覚に囚われていた。
どちらかが現実で、どちらかが夢だとしたら、一体僕は今どちら側にいるのだろうか、と。
....
私がいるのは、
自ら吐いた
柔らかな絹糸で
紡いだ世界の中
境界線はカーヴを描き
命のように
絶えず呼吸している
薄闇は平安を呼び
孤独は瞑想をくれる
ひきこもりにな ....
ファスナーがいつも従順だと思ったら
それは思い込み もしくは 先入観みたいなもので
生地を喰うことがある
貞淑だった人妻が
何を思ったか豹変し
畏れをしらぬ 厄介なうえ 世にも面倒な 小 ....
{画像=120120002940.jpg}
心の触手を伸ばして
感性を解き放ち
触手を伸ばし給え
心を拡げよう
静かに静かに拡げよう
両手を拡げて感じよ ....
憂鬱な朝の第一声
曇天に向かって
呪詛する言葉を発する
自分は独りの老人だ
曇天の向こうには
雲から垂れ下がった
塔が地上に突き刺さる
恐ろしく繊細な根元が
地上に突き刺さる
....
ゆれる ゆれる
こもれび
かぜで このはが
ゆれるたび
ゆれる こもれび
まるい まるい
こもれび
それは おひさまのかたち そのもの
ひかり たゆとう
なもしらぬ ....
「水際」
水際、を考える。
ボーダーラインを越したり、引いたり。
波打ち際の刹那。
それは躊躇するもどかしさにも似て。
繰り返し訪れる人生の選択にもなぞらえる。
....
男が嘘をついた
嘘だと分かっていて
わたしは騙されたふりをする
嘘だと言ったら
瞬間に
嘘が本当の嘘になってしまうから
すべてを失いそうで
怖くて
わたしはそれを言えない
男 ....
120114
無自覚な試作品の顔を撫でながらも
失敗作だと悔やむ
青空の製作は難しくて
寒がりだから
何回作っても天井にへばり付いて
なかなか降り ....
’69年
Lolling Ageの時代だ
Coltraneが40歳で急逝し
BeatlesがAbbey RoadのEMI Studioで
7月30日にPaulが独りで
Golden Sl ....
書類を見ていると 何か
忘れものをしているような気になってくる
言葉の海に眠る時間
私の思い出さない何かを
確実に彼らは知っているのだ
紙の上に印字されたメタ・メッセージが
私をひきつ ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした
かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
さしすせそ
が
歯に沁みる朝
凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す
たちつてと
が
舌で弾けない昼
すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
「北極星のあたりを中心に飛んでいるのは
アルビノの不死鳥だよ
青白く燃えながら飛んでいるね」
もし 隣の人が突然白昼堂々北の空を指差し
そう言ったら すこし驚くかもしれない
けれど ....
好き という気持ちは
天使ではなく
悪魔が運んでくるのかもしれない
この胸の痛みは
鎌状の針で
突かれているからだ
思いもつかない
衝動も
悪魔とは
悪さと書くが
....
繰り返し繰り返し繰り返し
映し出される自然の悪意
抗らうことも無くそのまま流されて行く
多くの生命 一体地球何個分の生命が流されて行くのか
繰り返し繰り返し繰り返し
流されて行く ....
凍えた掌あたためる
あなたのてぶくろに
なりたいのです
ミトンもよいけど五本指
指先ひとつひとつを
包むよう
ほどけた心を毛糸にし
もいちど編めば
よみがえる
凍えた掌あ ....
美しい人でした
骨になった その人は
けれど
骨になった その人を
もう わたしは その人だとは呼べなくて
いただいた ブローチこそが その人
水引細工
結びの花 ....
自分が世界でもっとも惨めな
女のひとりに思われる
日
理由はって?
捨てた子に捨てられて
犠牲を払って拾った男は
h,,,,,でs,,,,,,でD,,,,,でf,,,,,
こいつ ....
あたしは何番目なんでしょう
この国で
不出来か出来がいいのか
セイノウがいいのか
人的にそこそこなんでしょうか
誰にきけばいいのか
多勢にきけばいいのか
人の良し悪しは人の多数決できまっ ....
朝早く
透明な夜
眠りからさめたひと
青暗い街道
まだ誰のものでもない空気
でもたしかに
誰かと繋がっているテレパシィ
旅の朝のようだ
ひとも木々も ....
うすっぺらな
アスファルトを剥したら
今も蘇る
ブリキの街
白く錆びた娼婦の肌が
うすい庇の影に
やさしく溶けて
ぼくを呼ぶ
はだか電球ひとつ
布巻き電線が這う天井
タイル ....
流れ着いた言葉たちは
ただ静かに 集う
そこは
言葉の渚
私はじっと佇んでいた
寄る辺ない 潮騒
波打ち際の 白い泡
心を探しにやってきました
吹き叫ぶ雪の心はどこにありますか
愛なんか信じた
己のしくじりを
怒っているのかもしれません
うつむいた水仙の心はどこにありますか
抑えても抑えても匂って ....
?
玄関扉を開け左壁面 家で一番大きな鏡がある。
その鏡は 不可能な空間ではないが、出入りする者の体全体を映すだけでなく、家全体を裏返す。
鏡の中に空間があるのだが、その空間に誰かが住 ....
海鳴りが四次元を冷遇して
呪文がハモっている
浦風の汀で おらは見た
艶のないカルマの鉄板を甲羅に
ぴったり貼りつけている
冬眠前の老亀を
....
おやすみなさい
同時に寝る
こんな奇跡的な幸福
かさねられることが
また幸福だ
おやすみなさい
同時
ふたり
ふたりだけ
同時
ふとんが ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています
寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い ....
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