夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
ごつごつとふしくれだっていくものが
望む形に程遠く
お前を育てていくのだとしても
遠く海を越え吹き渡る風に
しなやかな枝を延べたい願いがある
小さな町は大きな街に憧れて 
いつも大きな街の姿をテレビで見ていた

小さな町は大きな街が大好きだったけど
大きな街に行くと自分がいかに 
小さな町であるか知ってしまうことを恐れて  ....
 二十年来使ってきたざるを買い換えた。そのざるには欠点があり(それは使い始めてすぐにわかったことだが)持ち手になる場所にほんの少し金属が出ているらしく、私はなんどもそれによって手を傷つけてきた。傷とい .... 何も持たなかったはずなのに 多分荷物は重くて
何を詰め込んだかわからないのに 大切で
手放せないまま 逃げるように出てきた都会

何をしたかったのか 私の頭の標識は
真っ白に作り上げ ....
夜が明けたら
真っ白の世界
魔法使いが杖をひとふり
呪文を唱えた
犬は喜び 庭駆けまわり
猫のあたしも
心躍る

歩道橋ですれ違う子どもはみんな
いつもよりはしゃいで見える

い ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
あなた方の死骸を埋めると 私が芽を出して育っていく
アイ、の呪いはコトバと声を包んで あなた方を肥やしにどんどん伸びる

声が子守歌に変わる夜 
初めて骸の種となったあなた方に 向き合う ....
 
静かの海は
氷砂糖のようで
わたしの身体
ひいやりと
あの影の部分
ホルマリン漬けの子宮
眠ってる
おおぜいのひとが
わたしを可哀想と泣いてしまうので
わたしはなんだか可笑しく ....
あなたが水草だった頃
わたしは産まれた
あなたは水草の味がした

ここにつどうすべてのいのちは
いのちをきょうゆうしている
だから
それをざんこくなどとおもわないでおくれ

あなたは ....
            151111

あの娘がいないからって
お天道様が西から揚がるって言うのかい
月の天麩羅は美味いって聞くけど
お前さん、食ったことあるのかえ
聞いたこと抜かすん ....
【曼珠沙華饅頭】




まんじゅまんじゅまんじゅしゃか
まんじゅつくる女の手が
ある日 突然 伸びてくる
にょきにょきにょきにょき 伸びてくる

なにをまるめよか 曼珠沙華
か ....
女優は人生を生きている
大衆の眼に晒されながら
その矛盾を解消することもできずに

私は人生を生きている
この世界の広さに
耐えることもできずに

死を覚悟した者にしか
それは解消で ....
私は 地獄通りの道を歩いている
「詩人」という、重荷を下ろせば きっと
地獄通りを 通らなかったに違いない
こんなにも暗く、高潔で、淫靡な道を 
コトバだけで築き上げた 女の迷路からま ....
赤い羽根の天使はリュートを抱き
ふくやかな指を、無数の弦に滑らせる
世にも美しい音楽を探るように  
夢の尾はいつだって手からすべりはなれてゆく
そして明けて
朝、
つかみそこねた少し乾いたその手触りを思い出している
どんなにこごえても
血液は凍らないやさしい不思議だとか
たとえ凍ったとし ....
空に舎に

秋光り

ほの暗き

回廊に

風立ちぬ


天高く馬肥ゆる



をのこ生まれる


空に舎に

秋光り

ほの暗き

回廊に

風 ....
修善寺の源泉で
足湯に浸した
両足は
鬼の如く真っ赤に染め上がり
旅人は心に決める。

――この足で、日々を切り裂こう

娑婆の世を生きるには
時に…鬼と化さねばならぬ
が、赤い仮 ....
修善寺の蕎麦屋の座敷にて
{ルビ熱燗=あつかん}を啜り

天せいろを食した後の
油が浮いた器のつゆに
喰い千切られた、桜海老の顔

白い光の小さく宿る
黒い目玉

{ルビ茹=ゆ}で ....
ヒトの創造において、

花にも心は宿っている、という{ルビ仮定=たとえ}はされても
人にも心は宿っている、という{ルビ仮定=たとえ}はされない

同じ、いのち、なのに、なぜ。
家の敷居や襖の線や開閉ドアを隔てて 深い河が流れている
隣の部屋なのに、もう渡る舟の手掛かりはなくしたままだ
河の底から 十二年前に口を交わした孫の燥ぎ声が
時々聞こえてくるのが楽しみで  ....
しにたい                 (モリマサ)
なんでこんなにみんなにあやまってばっか
つかれた
つかれた
つかれた
つかれた
詩をやめたい
てゆーか詩とかできない
コンセプト ....
アーティストの名前は覚えていない
確かブラジルの現代美術展にて

ささやかで嬉しい発見をした

ささやかな絵画だと
最初は思った
でもインスタレーションとの事

なぜこの絵画がインス ....
線描画のような街
おびただしい数の
妖精めいた小さなものが
家々の窓から
わらわらと現れては
空に溶けていく
遠くから煙の匂いが流れてくる
人が消えるのは
こんな夕暮れだ

背が伸 ....
知らないよ

こんなおじさん知らないよ

ぼくは目配せしかしてやんない

しぜんとこぼれる

スマイルしか見せてやんない

どこから来たのかなんて知らないよ

ぼくはおもしろい ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる

年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
わたしにふれてと誘う水銀のふれればおかされてゆく毒

水の系譜もとをたどってゆく指先で、彗星ながれる

熱の朝水銀のメモリゆっくりと伸びてゆく儀式、生殖

だれとも手をつながないでどこへゆ ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ

未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく

ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
 ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
すべての梢は止まり木である- そらの珊 ...自由詩2515-12-5
北の木- Lucy自由詩1615-12-4
狼煙- 為平 澪自由詩11*15-11-30
夜更けの紙相撲「記憶にさえ残らないものたちへ」- そらの珊 ...散文(批評 ...10*15-11-28
天秤- 為平 澪自由詩12*15-11-27
雪が積もって- Lucy自由詩14*15-11-27
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩38*15-11-25
薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩19*15-11-25
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩18*15-11-22
- 為平 澪自由詩1015-11-20
- レモン自由詩12*15-11-17
水草と魚- そらの珊 ...自由詩18+15-11-15
あの娘がいなくても月キレイじゃない?って話- あおば自由詩8*15-11-11
さあ_お食べ__二篇- るるりら自由詩715-11-11
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花火- 為平 澪自由詩815-11-5
無題- 服部 剛自由詩415-11-2
ノースバウンド- そらの珊 ...自由詩2015-10-31
風立ちぬ- 吉岡ペペ ...自由詩12+15-10-28
鬼ノ涙___- 服部 剛自由詩615-10-27
海老の目- 服部 剛自由詩315-10-27
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ささやかな発見- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-25
線描画のような街- カワグチ ...自由詩315-10-24
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第12族元素より- そらの珊 ...短歌12*15-10-22
リキュールな朝- そらの珊 ...自由詩16*15-10-22

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