西日に揺れる色褪せたカーテンの隙間から
焔に焼かれた夏の葬列を見送る
背を丸めて折れ下がるだけの向日葵は
昼に立ち止まり、夜に顔を奪われたまま
晩夏を歩む
背骨を晒し腕も手も顔も腐 ....
よごれた皿を洗うことはたやすくできる
こころを洗うことは容易ではない

精神のよごれが頂点に達して
いつもこわれっっぱなしの回路をさらに脅かす
どこの惑星で治療をうけたらよいのか

基本 ....
マチルダその名に惹かれ
やはらかなドレスはオーガンジー
淡い薄紅のグラデーション

俯きがちな優しい微笑み
丸い瞳は少し淋しげ
見開いたまま
散り落ちる

マチルダ
虫に食われ
 ....
はがれないように思いを

必死になって押さえていた

ぺろんぺろん、ぺろんぺろん、それはもう

いつはがれてもおかしくはなかった


時はただ過ぎていく

育まれては

壊れ ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
 ....
「もう秋だな」
「ううんそうじゃなくて、まだ秋だよ」

「秋ってさ、どうして秋なんだろうな」

「そんなロミオとジュリエットみたいなこと言わないでよ おかしいなぁ」
と女の子はそう言って乾 ....
コスモス
風にゆれる
何を言っても
遅いと揺れる

コスモス
風に散る
何を喚こうが
間に合わないと
散る

コスモス
風に折れる
ただ真っ直ぐに
延ばそうとした
腕のか ....
虫の音は過去から届くメッセージ紐解きながら浅い夢みる

つかめばするりと逃げてゆくとかげのしっぽに似た夜だ

まだら雲見ている猫の背中にもまだら雲がひとつぽっかり

朝起きて歯医者の予約を ....
溢れる想ひのように
とめどなく―――
とめどなく―――
血が流れる

何故だか分からぬままに
記憶はつくられていく

ある日 目覚めて
あくる日 血を流し
杞憂せずとも なのか過ぎ ....
プラナリアに 出会いたい
永遠の命だというプラナリア

世界が黄砂に なぶられて
沈鬱が大陸を覆い 海洋にも降りた
人は みみずのように
スマホのなかの情報に生きる術をもとめ
無数の出口 ....
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生 ....
球体は弾けた
その飛散した一粒一粒の種子が
時代をあまねく代弁するかのように
ある方向へと向かって流れ出す

思い出して欲しい
白い腕が守ろうとしていたのは何だったのか
幸運の女神は目を ....
君が往ってしまったのは解らなくもない
ぼくと君は銀河を観たね
約束の小指が振えたよ
あまりにも美しい景色の中で
ぼくはまだ生きている
もっと美しい音色を聴かせたかった
でもね
約束だ ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
自然であること自然に衰えてゆくこと

ぶつかりながら消耗しながらもえつきる流星

いつ どこで

誰が 何を 何故?

自分のだけの視野で批評も感想もなくて
生きることも可能だが
 ....
 左手にヘアアイロン、右手にスマホ。高校生の娘は朝の忙しい時にも、そんな習慣を欠かさない。前髪がそんなに重要なのか、ラインでどんな大切なメッセージがあるのか、聞きたいところだが、朝から言い合いたくない .... ひかりのあたる角度によって
ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする

シャンデリアのある素敵な応接間
ある生命は空間を得るために代償を払う

それを得られない一部は
高速 ....
箪笥の奥深く秘められていたいくつかの小箱
おそらく母の物であろう歯の欠けた櫛に
出合ってわたしの心が波立つ

そして 夭折した兄たちの名に混じって
ボクの名が乾ききった小箱

それは ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
八月十五日は 終戦記念日ですが、それは あの玉音放送が放送された日だからですが、
本当の意味で 戦争が終結したのは、七十年前の九月二日だということを 私は今年になってはじめて知りました。

 ....
ある日 
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った 
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと ....
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
 ....
おさなごには まず ハーモニカが あたえられる
くちびるにあたる真鍮のつめたさに
まぶたは すこし 重くなり
息を吹きかければ
こころは しだいに透けてくる
 
ひとつひとつの ....
あらゆる疑惑や憎しみは

頭で考えるからおこるのだ

だからからだで感じよう

それも足のうらで感じよう


遠く離れてきみを想う

生きているかも

死んでいるかも

 ....
私の父は18の時に航空兵に志願した
飛行機乗りになりたかったのだ
もちろんお国のために
命を捧げる意義を信じて

間に合っていればきっと特攻に行っただろう

出征するはずだった日の1週間 ....
かなしみのほうに
かたむいていく白い朝は
つかみそこなった
ひなたちが
さかみちを
ころがりおちてゆく

いきさきは
とおい御国か

秋という字の
右耳に
火がともっている
 ....
右手の痺れがとれない
小指と薬指の感覚がない

いつもの山田先生はひとこと
これは頸椎だから松崎先生のところに行きなさい
まだ午前中で間に合うから
ちゃんと血圧も測ってね

松崎整形外 ....
お母さん、私ね、学校にin loveなboyが八匹もいるんだよ

金魚に餌をあげていたら 
次女が後ろで不意に大きな声を出すものだから
目の前の水槽に
突然金魚が九匹飛び込んできて、
その ....
 放課後、中学校の西向きの図書室には、まぶしいばかりの光が降り注いでいた。

 全校六百人ほどの生徒の中で、読書なんて今時流行らない趣味を持つ人は、おそらく少数派だ。調べ物ならパソコンで事足りるし ....
いくつもの川が

ひとつの海にそそぐ

ぼくたちは

いくつもの川のようなものだ

ひとつの海にそそぐのだ

そこは罪

そこは花

罪はつぐなわれる

花はかれてしま ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の葬列- 為平 澪自由詩815-9-24
ちっちゃな宇宙船にのって- 梅昆布茶自由詩1815-9-17
マチルダ- Lucy自由詩16*15-9-15
はがれそうな思い- 吉岡ペペ ...自由詩615-9-13
祝祭- Lucy自由詩15*15-9-13
秋道- らいか散文(批評 ...515-9-13
コスモス- Lucy自由詩16*15-9-11
秋のあをぞら- そらの珊 ...短歌1015-9-11
月初め- 時々自由詩215-9-9
小宇宙から流れくる____(改訂稿)- るるりら自由詩16*15-9-9
秋のゆびさき- そらの珊 ...自由詩1515-9-9
◎示唆の行方- 由木名緒 ...自由詩16*15-9-8
カムパネルラ- レタス自由詩215-9-6
朝の日記_2015夏- たま自由詩21*15-9-5
案山子- 梅昆布茶自由詩1215-9-5
こらえれば海路の日和あり- そらの珊 ...散文(批評 ...815-9-4
蛍日記- 梅昆布茶自由詩1915-9-2
臍帯- イナエ自由詩22*15-9-2
コピーアンドペーストエンド- そらの珊 ...自由詩23*15-9-2
九月二日- るるりら散文(批評 ...11*15-9-2
【_熱帯魚_】- 泡沫恋歌自由詩25*15-8-31
まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)- そらの珊 ...自由詩15*15-8-31
真鍮の都- るるりら自由詩8*15-8-31
疑惑や憎しみ- 吉岡ペペ ...自由詩515-8-29
私の原点- Lucy自由詩20*15-8-29
おとづれ- そらの珊 ...自由詩16*15-8-28
痺れた日々- 梅昆布茶自由詩1515-8-27
ボーイが八匹- 夏美かを ...自由詩35*15-8-27
【驟雨】志なかばでお亡くなりになられた松山椋さんへ- そらの珊 ...散文(批評 ...6*15-8-26
Many_Rivers,_One_Ocean.- 吉岡ペペ ...自由詩915-8-24

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