柔らかな日射しに包まれて
梅のほんのりと香る今日の良き日に
鳥となる準備は整った
目まぐるしい日常の中に
留まることを許してもらえない代わりに
整理整頓を行うための箱を貰ってきた
捨てるべ ....
{ルビ辛夷=コブシ}の白い花が
ほころんでいました
図書館の前の小さな広場に
冬の終わりを 告げるように

けしてそれは、桜のように
春の訪れのあでやかさなどでなく、
可憐な細い花弁 ....
うぶごえをあげた春が、もう
街にすがたをみせる
通りの角から
にぎやか過ぎるその声音が、
あたしを助けにきてくれる
手をひくように

階段をのぼったら
勇気をほんのすこしばかり だして ....
墨いろの街道

放たれた欲望は

雨上がりの夜にさえ

涙ながして飛んでゆく

飛んでゆく


好きだけじゃ

足りないみたいだ

このせつなさを

春の切実と名づけ ....
まっすぐな 道も
あったのかもしれない
どこまでも続く、単調さがいつか
ありがたいものだと、
気づかされる

そんなもの本当にあるの?
真実は、蛇のように曲がりくねった
螺旋のそれ ....
日が長くなってきた
暖かい日がちらほらと
そろそろ学生遍路が道に迷い
路傍で空を見上げる頃か

蝉の鳴き声が聞こえる
まだ冬の終わりだと言うのに

耳鳴りだろうか?
幻聴だろうか?
 ....
                    100222




余剰金はぞろ目銀行にお預けを
暗唱番号の数字は1から9までお好きなものを
早い者勝ちです
誕生日の祈念に如何ですか
 ....
昨夜の雨を吸った落ち葉はぶよぶよと柔らかくなり
いくら踏みしめても何の音も鳴らさなかった
足跡さえも吸収してしまいそうな弾力は
寒さを忘れそうなほどの優しさで失望を覚える


冬はいつだっ ....
好きな音楽を耳にあてがう
ピアノロック
オーケストラロック
メロディアスロック
からだを
揺れるドアにあてがう
レールを走るリズム
骨まで
届けて
感情よ
出ておいで
ミステリー ....
くちにだせない
気持ちは
胸に抱いたまま
Moonlight Express

埋めてしまおう、
柔らかな後悔の穴へ
人が静寂の月に行きたがるのは、そのため
そこまでいけば、小さな ....
黒ずんだ木の床にそっと頬をよせる
インクと機械油の匂いが染みついた床は
使いこまれた年月を
なめらかな感触でつたえてくる


古い印刷工場をリノベーションしたと
誰かが言ってたっけ
そ ....
昨今 ひとごろしがはやっていますが
キラーチューン というのがあって
作品で自害するのだそうです

『涙の数だけ強くなろうよ アスファルトに咲く花のように』
なんて本当に思ってたんだとすれば ....
夕方はカラスが泣く

夜は犬が泣く

家ではきみが幸せで

家族とスキー旅行の計画をたて

休みには妹とブランチの約束をする


カラスも犬も昔から

ひとりごとなど言わない ....
 
 
凍りつく雪道を
自転車に乗ってたら
つつつーっと滑った

つつつーっは
るるるーっになって
滑っていく
斜めになった視線の向こうには
生まれたばかりの
 ....
2009年8月1日、新宿。
人はタマネギの皮みたく剥ける。
とかいって、男は舞台上で着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。

2008年の猫道の中の
2009年の猫道の中の2011年の猫道。
赤土 ....
彼女は
丘の上に
住んでいて
彼女の家のまわりには
花がたくさん
咲いている
冬も
夏も
秋も
春も
彼女は
そこに座っている
おはなばたけ
とても
きれいで
おはなばた ....
{引用=

目にするものは、すべて
縮小された世界 ほそい指先に
絡まる色糸の道と煩雑なブロック
意識ばかりが拡散して、
すぐに ほんとうの姿が分からなくなってしまう
この街をあんなにも ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
雪の上に残る
踏みしめた足跡
一つ増えるごとに
私は素直な心を
取り戻していきます

小さかった手が
だんだんと大きくなるにつれ
大きな愛情から
逃げるように
離れた強がりの私は
 ....
ちいさな声
まちがいでなく
そんな
気がしたのです

さくらの木の下で、
ぽつんと
咲きほころんだ
黄色いクロッカスの花に、
そこだけ、せっかちな春がやってきていました

“Ye ....
{引用=

とがった影は、みすてられ
切り取る冬の陽を証明する
見上げる円錐のモミの木から
どこまでも つらぬくように
まっすぐに伸びた

疑うこともせず、迷いもせずに
影を作り出し ....
今日の鏡は
流体にちかいのです
あまりにたくさんの欲望を映し出し 
水銀の鏡面に、他人のわたし
髪を短くすぎるほどに切ってしまったまま
ばらばらになった抽象画の 
かけらが流線の色彩を ....
レッドウッドの梢のさき
木漏れ日は森閑のゆらめき

  私のなかで…落ちていきました

  小さな音がかえってきては、
  だからか、そこに声を聞いた気がしたのです
  のどの奥でわ ....
昔よく聴いたCDをかけてみた

当時つき合っていた女を思い出していた

精確にいうと

つき合うまえの胸騒ぎを思い出していた

その女にわるかったよなと謝ってみた

今でもいちばん ....
{画像=100104083022.jpg}


その時は
あなたのその手で いっそ
あたしを殺してくれますか

それができぬのならば
最初から好きにならずにいてください
恋心とい ....
一二の時まで、わたしは発光していました。

ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
 ....
(この世界にうまれなかったすべての記号たちに
 琥珀色した光りが届いたなら――)


/星が瞬きも忘れて
/死を視ている


世界の空が薄い琥珀のように潤み始めた頃には残された ....
 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
卒業讃歌- 中原 那 ...自由詩9*10-3-3
辛夷- 月乃助自由詩13*10-3-3
パンドラ- 月乃助自由詩13*10-2-28
春の切実- 吉岡ペペ ...自由詩1910-2-27
螺旋- 月乃助自由詩12*10-2-26
冬越え- within自由詩13*10-2-25
白い原稿用紙- あおば自由詩5*10-2-23
帳尻を、合わせる- あ。自由詩21*10-2-22
ミステリーを紡ぐ/きみを分析する/Saturday_/きみが ...- たちばな ...自由詩8*10-2-22
Moon- 月乃助自由詩14*10-2-22
かんばんむすめ- 渡 ひろ ...自由詩22*10-2-15
キラーチューン- 猫道自由詩510-2-7
ひとりごと- 吉岡ペペ ...自由詩810-2-7
雪道- 小川 葉自由詩410-2-7
素顔- 猫道自由詩310-2-6
10- イシダユ ...自由詩810-2-6
「地図の街」- 月乃助自由詩18*10-2-6
((いちご)のつぶつぶ。)革命- 夏嶋 真 ...自由詩30*10-2-2
足跡- ミツバチ自由詩22*10-2-2
- 月乃助自由詩14+*10-1-31
影のない女- 月乃助自由詩16*10-1-29
「ピカソ」- 月乃助自由詩13*10-1-23
「残花」- 月乃助自由詩10*10-1-20
冬の陽- 吉岡ペペ ...自由詩310-1-9
「恋情」- 月乃助自由詩12*10-1-4
夢の欠片(かけら)- ……とあ ...自由詩15*10-1-2
終わる世界- e.mei自由詩2909-11-6
初雪- たもつ自由詩2409-11-5
きみはほうき星の足跡- あ。自由詩27*09-11-4
抜くひと- 恋月 ぴ ...自由詩39*09-11-3

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