水の流るる音を聴きながら
目を閉じると
深い山奥へと魂が運ばれる
まだ誰も見た事がない
苔に覆われた岩々が
小さな水滴を生み出す

どんな物語もかなわない
始まりの世界
これから何が ....
振り返りもせずに愛は逝く
小さな誤解を積み重ねて塔のうえに登る
そこから遠望する世界を胸に抱いて
おびただしいビジョンを想い描いて

立ち止まりもせずに愛は逝く
高邁な殻を脱ぎ捨てて脱皮す ....
その頃『世界に一つだけの花』という曲が流行した。
��1にならなくてもいい
  もともと特別な only ONE�

 それはそれでいいだろう。 ....
いっとき
誰かをおもい
泣いたとしても
朝が来れば
人は顔を洗い
食事をし
読みかけの本の頁を開く
晴れていれば
陽を浴びに出かけ
つばめが巣立てば
ほほえむでしょう
四葉のクロ ....
目の開いたバラバラ死体を私はずっと捜していた
手はお喋りだと口がくちぐちに言うので
うるさい手を切り落として 口に食わせた
口は満足そうに 黙ってくれた

足は突っ立って進むことしか ....
小さなへびかと思ったら
いつかちぎれた
しましま模様の靴紐だった
だとしてももう
それをくぐらせるズックの穴がない
わたしにはもはや必要ないものだったので
さよならを言って
立ち去るくら ....
何年も前の事だけど
「紀伊国屋なう」というメールを
貴方がくれた
その時は
電車に6時間も揺られなければ
紀伊国屋のあるその街へ行けない土地に
住んでいたから
「今その町に私がいれば、
 ....
そうだったよね
くねっとすること

ぺとっとして もぞもぞして
変な感じがそのうち分からなくなる

それって変態じゃない?
とわたしが言うと

とてもすまなそうな顔をしながら
胸に ....
夜が瞼を開く瞬間、こぼす水の、まるさ
破水された、と誰かが告げている

       ※

胎児が泣き出す前に 夜に流す青白い炎
足跡もなく川を渡ってゆく男に
胎児と同じ重さの ....
たった三日でもわたしをあなたのテーブルに飾ってくれてありがとう
消毒臭くて清潔な水は、もちろん雨よりも美味しくはなかったけれど
あのまま樹にいたとしてもどのみち無残に滅びていく事にかわりない

 ....
手袋をした手が 器から
大量の人を掬い上げていた
その指の狭間から 夥しい人が
こぼれて落ちていった

器の底から
呻き声や悲鳴や嗚咽が聞こえても
泡がはじけるように消されて ....
{引用=びっくりしました
先生が私のアパートのバスタブの底に沈んでいるのを見た時は
ついにやらかしてしまったと思った
内臓が一度にズンと下降する感覚
愛用のキャメルのジャケットを着たままの抜け ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
 先生、私たちの昼間が消えていきます。
カレンダーに休日がひとつ、足りないのです。
青と赤の隙間に、数字のいち、が。
時計は、今、だけを、さしたがる、から、痛い。
数字が昨日と明日を覚え ....
サーカス小屋の団長はよいこが大好きでしたから
子供たちは 今日もこぞって 団長に
誉められたい、認められたい、ためだけに 献身的な言葉で言い寄る
(私は団長のために 右手を捧げます、明日は ....
汚いことから 目をつぶれば
長生きできると 世間が言う
汚いことに 目をつぶれば
死んでしまうと 風は言う

万年床、密封された部屋で
背中は地心のマグマに 燃やされながら
 ....
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
靴を履いて出掛けるたびに 冷蔵庫が肥っていく
月を眺めて暮らしていると 冷蔵庫が痩せていく

月が見ている私の距離は 靴で行けない夜の国
そこは 冷蔵庫のいらない世界
そこは 腐らな ....
聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
自分の姿も見えないくせに 多くの人を傷つけて
その傷口に入り込んでは 自分の居場所を見つけたりする
端役のくせに 主役をエキストラにしてみたり
助けたと思った相手に 救われたり
大事な ....
 テーブルの上に、あした買ってきたりんごを置いてあると言う。
 もちろん、そんなもの私には見えない。母だけが見ることのできるりんごだった。

 今朝も雨が降っていた。桜の季節はいつも雨に邪魔され ....
オすシりアいゲットバックオーライかわいいシマリスさんのもぐもぐ食べてふくらむ頬袋がま口お財布がなんかちょうだいとおねだりする黒い瞳はわたしの頬をゆるゆるオシアゲ、オ、シアゲは2355猫入りちゅうす ....             |           
            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     ....
朝目覚めても
コーヒーが飲めない日に
貯金箱を壊して
小銭を数える
1円玉の散らばる布団の上で
とうとう俺は自分のために
何もできず
何もできずに寝転がる
自分のためにということが
 ....
強くはないと
自覚していても
強い人になりたくて
強がりばかり言っているから
その分余計に痛い目にあう


優しい人にはなれないと
解っているのに
優しい人の振りをするから
その分 ....
あなたがいる有り難さ

こころのままに いつものようにして
喜ばれて嬉しくて

けれど好きな人に
わたしよりもっと好きな人と一緒の気持ちで
感謝されたよ

あなたがいる有り難 ....
生肉のままでは 水分が多くて煮えないからと
腹を裁かれ生血を取り出し 三枚におろされた、肉

塩分があらかじめ多いからと 再度合成調味料を
流し込まれ みりん漬けされる

新鮮な生 ....
もう二度と心から笑える日は来ないと思います

見たところ私よりも一回りも若いあなたは
これから半世紀以上続いていくであろう
(続いていってほしい)あなたの人生を
一度も心から笑うことなく歩ん ....
    

        ずうんと長く
        夜がこないので
        すみれの花で
        まぶたをふさぐ
        薄っすらと閉じ切らぬ
       ....
あおい満月さんのおすすめリスト(1230)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
流るる水- 猫の耳自由詩315-6-7
振り返りもせずに- 梅昆布茶自由詩1215-6-5
ロクデナシ- 為平 澪散文(批評 ...3*15-6-4
天を見つめるということ- そらの珊 ...自由詩23*15-6-3
盲目- 為平 澪自由詩9*15-5-31
へびか靴紐- そらの珊 ...自由詩19*15-5-31
紀伊国屋- Lucy自由詩26+*15-5-30
コロポックル- 鵜飼千代 ...自由詩25+*15-5-29
一滴の水- 為平 澪自由詩8*15-5-25
修羅- そらの珊 ...自由詩19*15-5-20
ゴッド・ハンド- 為平 澪自由詩13*15-5-19
エチュード_ハ短調作品10の12(ショパン)- Lucy自由詩14+*15-5-18
五月のしつらえ- そらの珊 ...自由詩26+*15-5-14
あなたに終わらない五月を- たちばな ...自由詩30*15-5-11
花________陸が海に消えるまで。- 為平 澪自由詩15*15-5-8
サーカス小屋- 為平 澪自由詩4*15-5-1
リスト- 為平 澪自由詩6*15-4-28
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩24+*15-4-26
月と靴と冷蔵庫- 為平 澪自由詩9*15-4-23
海をわたる「残光2015」- アラガイ ...自由詩18*15-4-20
盲目ピエロ- 為平 澪自由詩8*15-4-19
あしたのりんご- たま散文(批評 ...14*15-4-19
オシアゲ- 阿ト理恵携帯写真+ ...10*15-4-15
ビバ、老眼!- 夏美かを ...自由詩37*15-4-13
人のためにと- 奥畑 梨 ...自由詩6*15-4-12
優しい人になりたくて- Lucy自由詩17+*15-4-11
あなたがいる有り難さ- 鵜飼千代 ...自由詩18*15-4-10
鍋の中- 為平 澪自由詩8*15-4-8
まだ心から笑えないあなたへ- 夏美かを ...自由詩32*15-3-20
夜想曲- 石田とわ自由詩16*15-3-16

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