{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
{引用=「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」
神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
....
洗い立てのシーツに寝そべって見上げた残像は
なぜかいつもやわらかな笑顔でした
余韻にしては強すぎて 写真と呼ぶには曖昧で
水のように 焔のように とけてゆきます
残された絵の具だけ ....
砂漠の砂の来歴を誰も知らない
かつて花だったかもしれない砂
かつて森だったかもしれない砂
あなたは知らない
何も知らない
あなたの舞に
砂漠が潜んでいることを
そうしてあなたは激しく舞い ....
Cadd9ではじまるきみのアルペジオにすいこまれて
こころのみずべにほしがうかぶまるで夢のようだね
C で終わるストーリーのさき何まってるんだろう
ハッピーエンドの映画だって人生の終わり ....
また今年も置き去りにした
季節が戻ってくる
君を愛したレモンのような時間
色あせても すりきれても
捨てられなかった想いと
君をなくした雨傘の後で
気づいたらすぐ終わりがくる
....
知らないうちに
ノックされていた
ぼくが
まだ
そう 空を見ていた頃の
思い出が甦るのは
夜明けに
似ている気がする
静かで 重くて
泣いてしまいそうになる
....
みみずくは
夜には水をやったりして
四月早咲きの月見草たちをかわいがっていました。
みずくみみみずく。
あなたは憶えているだろうか。その日、桜の花が咲いていたことを。少し早い桜が、あなたの行末を暗示するかのように咲き、そして早くも散り始めていたことを。その日、あなたが亡くなった日、外のバス通りでは桜の ....
うだうだぐだぐだと30年も頭をこねくり回していろいろと考えたのだが、生きてゆくうえで、これだけを守っていれば、そんなに悲惨なことにはならないだろうということがある。
それは、
....
春の先触れの強い風のなか
身を庇う{ルビ術=すべ}も無く凛と咲く
あなたの姿に目を奪われる
雲を払った青い空に
くっきりと白く
手のひらの様な輪郭が美しい
潔く
真っ直ぐに
届 ....
兄ははたち腿高くあげ走りけりその足に業病の兆し見ゆれば
祭祀より怖れられたる娘を娶り今宵ひと晩狼の鳴く
山の木々黒きかぐろきかさなれり目をあげれども空も見えねば
知られた ....
知られざる神殺さむと闇に伏す汗の額の酷く光れり
ネフド砂漠越えれど海は見えず{ルビ身体=からだ}延べて砂漠の土は甘し
進水式すみしドックに高波の波おしよせる暗き海より
海 ....
飛鳥の旅
雨にぬれ水のたまれる野に立ちて朝は涼しく小鳥鳴きつつ
山にいれば鶯の声耳にちかく共の女子さかんに声あぐ
棒状につらなりて咲く桃の花天武持統の陵の辺りの
連山の重なると ....
すべり台。
てっぺんに立つ。
手を伸ばす。
風と交わる。
透けてく体。
かけぬける。はるのかわらのひだまりで。風があたしを透明にする。
腰掛ける。
いっしょにゆれ ....
つい先日、渓流釣りの仕掛けの材料を考えるために滅多に出ることの無い街に出かけた。高知は高知城を中心に街並みが展開されていて、その敷地の中に県庁舎やら県立図書館やらがあったりする。さて、そんな高知城の ....
トンネルは夜だって明るいんだ
今も人差し指の冷たい腹、小指の爪
それだけで優しく窓を見つめてる
溢れたトラスの風切る姿が
薄暗い雑音に変わり
蕩々と水田へ軋んだ碁盤も
景色から剥がれ耳 ....
例えばこの世界に
神様がいるという
仮説をたてて
僕らは願う
救って下さい
助けて下さい
自分勝手を主張して。
僕らは憎む
失敗したこと
自分の欠点
神様のせいにして。 ....
ちょうどたまたまリアルタイムでPOGE氏と話している最中にこのことを知った
[13:49:05] ぽげ の発言:
ま、俺は発言は
[13:49:12] ぽげ の発言:
加工しなくてもいいで ....
空気は澄んで
皆心ここにあらず
旅立つ若人は靴紐を何度も結び直し
浮浪者の群れは一夜で勇者の行進へと変わり
神経質なウエイトレスは口紅の色を三度も変えた
余命幾ばくもない老人は震える ....
泣いたって
忘れられない思い出があるのなら
いっそ笑ってしまえばいい。
憎んだって
消せない過去があるのなら
いっそ愛してしまえばいい。
そんな風に生きれたら
どんなに素敵な ....
春から羽化したばかりの夏が濡れた羽を引きずりながら
お前の耳にそっと秘密を囁く
笑うことも泣くことも出来ないままに
お前の身体はその秘密に切り裂かれる
夏が乾きたての羽を羽ばたかせて
見 ....
鈍く
重い
灰皿のふちを
舐めたかった
かわいた舌で
逃がさぬよう
一心に
ただ
かわいた舌で
呼ぶことが
できなかったから
ただ
かわいた舌で
誰かでなく
私 ....
今
この瞬間
目の前の人が
あなたに
こう告げたら
どうしますか?
『あなたの命は
あと 24時間 です』
ひとりは
いじめの復讐をするで ....
石になると
夢を見ている
霧の生地になって
触れることしか出来ない
君の海が溢れ出すところ
水の世界は壊されて
生まれることを繰り返している
蛍だった頃
わたしは声を聞いていた ....
東京都足立区立千寿第二小学校
一年三組の教室に入る
すでに半分くらいの同級生たちが来ている
ぼくは黙って自分の席に向かう
座るとうつむいて
机の上の
ナイフでえぐられた傷跡や
木の節 ....
はらはら降るイチョウと枯れ葉は
まるで桜の森の満開のよう
降る
とめどなく
山奥で
密やかに
気を狂わす
桜は
枯れ葉でも
イチョウの葉でも
同じ
静寂に
降れば
心 ....
気付かないのは罪ですか
わからないのは罪ですか
気が利かないのは罪ですか
私は罪を犯したの?
消されるほどの罪
まだわからないから
赦しを乞うこともなく
....
足元に広がる
春の柔らかな
日差し
言葉と色にあふれたふきのとう
心に焼き付いて忘れられない
こんな時
うまい言葉が浮かばなくて
あなたに贈る一枚を千枚めくって探す
ゴールデンベル
春を運ん ....
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