紙を飛行機にして
窓から飛ばす
しばらくして
砂漠に不時着する
近くでは
砂場と間違えて迷い込んだ男の子が
砂遊びをしている
こんなに集めたよ
振り返って
砂でいっぱいに ....
鮮やかな桃の色をした
あなたの大切な鞄が
線路の上にある
今は秋の朝
未だ人のまばらな
プラットホームから眺めるとそれは
轢かれるのを待っているように見 ....
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし
B
独りきりの夜 ちいさく もりの ....
清涼なりし秋の太陽平らかに川の流れは澄み増して
水の晶(あきら)のただ中に 木の葉涛々(とうとう) 川流れ 枯れ野枯れ野へ
秋の木立の穏やかに辺り渡りし 風姿(かざすがた ....
晴れた空が見守る 僕らそれぞれの物語
終りはない ただ紡がれる
柔らかい風に乗って 甘いサザンカのにおいがする
生きることは 感じ取ること
君の傷跡が燃えるとき 雨のアスファルトが泣い ....
わたしの言葉 わたしの世界
月は空にうたい
太陽を背に夜をうたい
光の翼をひろげてうたう
わたしの言葉 わたしの世界
光の降るとき 影のさすまで
月は ....
花を愛で
動物を愛し
自然を愛す
悪巧みがない
皆精一杯生きている。
キャンドルライトに
一杯のコーンスープ
体が暖かくなる。
世の中は優しい。
勉強は苦しかった。
誰も助 ....
ヒガンバナが今年も灯る
曖昧を許さない輪郭で
そのくせひどい曖昧を宿す
秋に咲く大輪は葉を持たない
何もなかったところから花火みたいに
茎だけで伸びて
夢見がちなひろがりではじけて、 ....
赤い感情と青い記憶とを
つむいで
むらさきを織る
夏の恋
ひざまでの深さのつもりで
いつのまにか飲みこまれている
息継ぎに顔をあげるたび
水面にゆれる ほほえみに似た光を
肺にかさ ....
菜の花畑
咲きさかり
やまぶき色とみどり色
そよ風と土のかおり
織りあわされる
やわらかな茎の
なかほどで
てんとう虫は
僅かのあいだ
同朋の仔を
確かに見守る
てんとう ....
{引用=
眩さを手放すように
広がる
女とも男ともない
曖昧な
なめらかな皮膚に似た
花弁が
湿度の高い夜を抱いて
此処で居ますから
それだけで
報われますから
苦しまないでくだ ....
スキー好きー!
超特急で直滑降
ウェーデルンで
ルンバ、サンバ、タンゴ
右に左に突き抜けて
コブ斜面もなんのその
ジャンプ、ターン、着地!
自由だけがルール
バックオーライ
....
夜中にひとり食パンをかじる
バターをつけないで
ジャムをつけないで
電気もつけない
冷蔵庫の前にしゃがんで
はみはみ
虫みたいに食べる
どこか外国から船に乗せられて
海をこ ....
眠っていると、起きたくなる
起きていると、死にたくなる
死にたくなると、活動したくなる
音楽をきいていると、旅に出たくなる
旅に出ると、家を持ちたくなる
家を持ちたくなると、乞食になりた ....
珍しく晴れ渡った青空の
ぼくから見てちょうど真ん中に
白く浮かんだ月の色を
穴があくほど見ていたら
こころが腐って
口から外へと零れ落ちていく
地面に散らばったこころを
....
三角の窓
ブラウン管が眩しい
薄黒い木の梁
人の温もり
鱒の甘露煮
沢山の山菜
熱い味噌汁
楽しい一時
涙は七色
電動の舟
私達生きている
早寝早起き
寛ぎの時間
全てが終わり
ゆったりとする
涙が出てきた。
最上の祈りをする。
人の罪を許します。
私も許してください。
悪を遠退けて下さい。
コーヒーをドリップする
いい匂い ....
騒がしすぎる街角の雑踏を
見渡せる場所にあるベンチから
晴れやかな薄曇りの下を
右に左に行き交う人を見てる
たくさんの方向から浴びせられる会話
待ち合わせの時刻を気にして先を急ぐクラ ....
むかしむかし
あなたと私の
鳥の骨のような関係が
ありました
肉はもうとっくに
誰かに与えてしまって
白い骨格だけが
残っているのです
飛翔の予感を秘めて
飛翔の過去を秘めて ....
手紙の言葉を
口の中で反復しながら
月の墜ちた水を掬い上げ
砕ける欠片を喉に流し込んだ
言葉を飲み込み
生成し、消化して
闇に融ける声で囁く
掌に残る水滴
掴めない、残らな ....
波に揺られて
太陽の陽を浴びて
みかん箱
お魚の観察
プリズムの世界
音は聞こえない
日焼けした素足
元気をいただく
ゆらゆらゆらり
砂の音
さらさらさらり
灯台の閃光
....
幼い頃より私は
自分が昆虫の一族であると
思ってきました
色香だとか
瑞々しさだとか
まばゆさだとか
そんなものには縁がなく
私のからだは
金属のように硬く
乾燥しているのです
....
飛び込みたくなるような星空
私は綺麗なものを手に入れる事はない
ぼんやり窓のこちら側で輪郭を失うだけだ
その日幾度めかの冬がやって来て
バスに乗り遅れたわたしは烈しく吹きつける雪のなか
ケモノのたちのあたたかな匂いを消し去り
純白の告白を求めてひとりさまよい歩くのでありました 。
....
オレンジジュースのプライス300YEN
君の未来は∞
濃縮還元のちょっとした詐欺は
細いのどに吸い込まれた
さあ
バブルオヤジに
圧迫面接されてきな
若さを賛美する若者と
....
びょうびょうと犬が鳴くのでここいらはもう一帯冬である。
山も空も野も白いので、逆さになって落ちる童が後を絶たない。
びょうびょうと犬が鳴くのでここいらはもう一帯冬である。
雪の上に落ちた南天 ....
君じゃなくてもよかったなんて言いたくないけど
君しかいないわけじゃない
「君だけが好き」なんて言っちゃだめだよ
君が、好きなんだってただそれだけ言ってほしい
短い人生だね
....
夜にさまようノマド
夢に似た旅路
くらやみの中へ
伸びていく根毛
黒髪の思い出は
満月の丸み
汲み上げられて
つきあげるよろこび
歌うことばすべてに
ひとしく炎、やどれ
こ ....
雪の上に乗って
あなたのところまでいったんだ
あなたはやっぱり泣いていた
泣いてない
泣いちゃいけないっていったのに
どうして私たちは
泣くことしかいつもできないんだろう
あなた ....
私が猫だったら
人の頭より高いところに
いつも寝ることにする
間違ってもだれかの膝の上なんかで
眠ったりはしない
私が星だったら
うっかり一番に目立ったりしない
みつかってさえない
....
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