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瑞々しさ
かじかむ
手があれは
「かがやく町だったと言った
なにごともない町並み
を抜けてゆるやかに
傾ぎながら地下鉄は春の
空へ。出る駅前はぐるりといたる ....
ビルと広葉樹に噛みつかれた空にほら
ペンキ屋が刷毛で雲をかいた
青い帽子をうしろにかぶって
僕はベンチに座って甘すぎるコーヒーを飲みながらそれを見てる
その下に川はとうとうと流 ....
入り組んだ路地を幾つも
曲がって歩いていると
街を知るように街を見失い
緑色に光る道に出た
夜のうち街灯は光るようで
電球をみれば灯りは点いていない
靴音が聞こえないので足元を見れば
履 ....
この部屋の中にアナログ時計はなく
壁には40年近く昔の音楽祭のポスターが貼られているだけ
花に囲まれて幸せそうな
薔薇の花冠を被った骸骨の
風化させる横流れの青い光に
少し小首を傾げた笑顔
....
古い油紙に
絵を描いては
町をふらつくから
落として
何度も
太陽のもとで
水たまりに
浮かぶそれを拾って
濡れた絵は
ぼやけてしまうので
また
晴天 ....