仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる
人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも
保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
普段の私は40Wくらいの明るさで
人に会う時は60Wになる
さらに仕事中は
100Wの明るさで全開だ!
しかし100Wの電球は
消費電力が大きい過ぎて……
電球がすぐに切れてそうになり ....
嫌な顔をした先生 でもフランクフルトを詩にしちゃいけない理由 なかった
いつの間に空箱になる ボンタンアメ 好物の似た大人と子供
欲しかった柔らかい胸で頬を埋めた 肌の ....
五時間半のパートも毎日つづくと
腕も、足も、腰も痛くなって
お風呂上がりにはからだじゅうに
星を貼って、寝ます
星は、
ツボとよばれるからだの黒点に貼るから
いくつか貼ると
わたしのか ....
今にも泣きそうに揺れた瞳だけを
この馬鹿は覚えていて
久しぶり
の言葉も
かけられない間に
あの日よりずっときれいな君が微笑む
ので
今まで覚えていた君の笑顔が
この胸 ....
懐かしむ 振り返る過去が増えてくる
決してしがみつくものはなく 黄昏は生まれながらにもっている
私の夕刻の風
四季の問わない八方へ広がる 無菌空間の感情
誰にも晒されない 寂しさをずら ....
グワシにもI LOVE YOUにも見える手話
交番のまえ銀杏あり
悲しみ抜けおち
この透明は涼やかだ
悲しみなくなりゃ
いのちも透ける
おばちゃん怒れば
バイトもびびる
のぞいて見えるよ
内に秘めたもの
のぞいて見えるよ
....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
仕事休む気で夢のつづき見ようとして寝る
俺さびしいか
いかさまか
俺さびしいか
さかさまか
渋滞ゆっくり
ながれてく
光をともして
ながれてく
俺さびしいか
いかさまか
俺さびしい ....
宛名のない手紙を
淋しさと名付けたのは
冬をむかえようとしている
壊れかけた燕の巣でした
遠くで微かに鳴っているピアノを
愛の囁きと名付けたのは
閉じられたばかりの本の静寂でした
....
僕はもう死んだことになっている
遅咲こうとしている
もう、手の届かない
懐かしい季節に
向かうようにーー
クレソンをひとくち
レモンもバニラもお好みで
そんなふうに朝を過ごしたら
天気は良好
青りんごをポケットに入れて
森へ出掛けよ ....
赤は止まれ
青は進め
黄色は注意
生まれて初めて知った
極めて普遍的な社会ルール
それは母が私の手を握りながら
真剣な面持ちで教えてくれた
その日パシフィックノースウエスト地方を吹き ....
(ボクめせん)
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でテレビがおわる
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でゲームがおわる
がまん がまん
オシ ....
また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだ ....
ごめんね
じつはわざとなんだ
悪気があったんだよどっかで
そう
突き詰めると自己肯定したいだけなんだ
って
ほんとのところ
「言い訳」なんて
....
体脂肪10%につき
5万円を徴収するという
体脂肪税法案が
国会を通過する見通しとなった
国会周辺では
これに反対するデブが
大規模なデブ行進
もとい、デモ行進を行い
道幅を一層狭くし ....
それから
すべての君の中から僕のすべてがいなくなってしまえばいい
それから
ふつうになにげに生きてゆく
それから
今日はやたらと月がきれいに見える
とかは気のせいで
ふつうに ....
それから
その絵本の背表紙はすっかり
すりきれてしまって
そんなことではなくても
胸にかかえて
ときどき泣いてしまいたくなる
くるくるまわっている
のは
だれだ ....
人の大事な気持ちは どこか大切な処で静かに呼吸をしている
多分 処理なんて出来ない しない
劣っているなんて 億劫だ
途上だから 親しみ歩み近づいてゆく
大事な気持ちは臆病に ....
そろそろ 準備はできた頃かな
心の準備なんて本当は要らない
君が時間をかけたいなら
合わすしかないから
待っている
待ち草臥れない音楽を流しながら 中秋の名月には準備できているよね
....
TOKYO
小さな文字が
大写しされ
会場が
街が
歓喜で満ちる
2020
TOKYO
私たちは
皆どこかで安堵する
(そうか)
(とりあえず)
(そこまで未来は続くら ....
昨日と同じように
夜の匂いが近づく
錆の匂いに震える
夢に怯えた
どこかの子が泣くよ
夢を追えない
労働者が泣くよ
霧の真似をして
肌を濡らす雨が
お前た ....
ひんやりとした
季節になりました
誰かが
口にしなくても
もう
夏ではないのです
あなたに
やさしい気持ちで
メールを返し
そう
口にはしないけど
自然に終わって ....
僕は世界に愛されているのだろうか ずっと不安だった
母の瞳の中に 僕はいたのだろうか そしてあなたの瞳のなかに
それらは僕の生を映す鏡 だからずっとみつめていたかったのだ
おなじものをお ....
夏の宵 風鈴さえも物静か 誰に別れを告げて過ごそう
すべてを溶かして夏が逝く 遠く僕らを置き去りにして
朝顔にそっと問いかけ返事待つ あの恋の行方こころの行方
短信の むこうに見 ....
あの月をおぼえている
かつて輝いた太陽を知っている
その手に触れたものも
触れ得なかったものもぜんぶ
それは、
緑陰にそっと揺れていた
真昼のしんとした光を浴びて
それは、
あ ....
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