私は二人姉弟の長女で
両親にとって初めての子
だから
傷つかないように
壊れないように
ふかふかのブランケットに包まれて育った
二十一歳になる私は
料理が出来ない
結局
一番 ....
ねえ、ねえ、オセロやろうよ
オセロ
ねえ、これ赤にならないよ
この白も
この黒も
どうやったって赤にならないよ
赤にならないよ
そうだね、赤にはならなかった
あの時
僕らはあ ....
へらへら笑って煙草吸ってりゃ
明日も御天道さんは昇るのだと
安心しきってるような顔を見せないでくれ
既に恋愛感情は消えてなくなって
そもそも最初からそんな気持ちは無いんだと
安心しきった ....
何時からだろう
みんなと同じじゃ嫌って思ったの
無駄に短いスカートはくのやめました
無駄に高いブランド持つのもやめました
無駄に派手なメイクもやめました
無駄に暗 ....
俺様は草野球チームの四塁手だ
10番打者で四塁手だ
そんなポジションないよとか言うな!
メンバー足りてるからいらないよと言われても
三塁と本塁の間でばっちこーい!と叫んでやる
俺様は会社 ....
君の匂いを辿れば
人ごみの中でも
すぐに見つけることが出来るよ
それは香水とかのコピーじゃなくて
君の存在から溢れ出すものだから
他の誰のとも似つかない
君だけのオ ....
もう居ない人の事を考える
君は
交差点の向こう側
人込みの中ひとり
振り返って立ってる
悲しそうでもなく
笑ってるわけでもなく
....
言葉の力は恐ろしいもので
たったの二文字が人を傷付ける
ジャブの様に腫瘍の様に
少しずつ体を蝕んでゆく
「ウザイ」
「キモイ」
「臭い」
「馬鹿」
「デブ」
「チビ」
「ブサイ ....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。
体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。
あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
先生、誰も来ない放課後です
理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度
埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生
魚になるにはどうしたらいいですか
答えの出ない ....
誕生日おめでとう
渡した黄色い包み
中には白い帽子
大丈夫
髪の毛がなくたって
これがあれば
温かいよ
大丈夫だよ
大丈夫だから・・
ねぇ
ここで私が泣いち ....
窓
の
外
は
雪
が
降
っ
て
い
て
キタキツネの
ふわふわした
尾っぽのように
跳んでゆく白いキツネの
襟足のような北国の君の姿を
粉雪の舞 ....
冬の北海道は寒い・・
君の手は温かいよ・
「「あ、雪」」
って言おうとした
『あ』
で
口の中に雪
数えきれないほどの
雪
全国に少しずつ降る
雪
その一 ....
会社というのは、(まぁ)、ひとりでも出来るわけですが、
多くの会社はふたり以上、いる。いる。いる。
かいしゃ、かいしゃ、かいしゃっ、いや、かぞく、かぞく、かぞくっ、
、(まぁ)、ふた ....
あんたに初めて逢った瞬間
こんなあたしでも
『恋』
できるんちゃうかなって
マジで思った
希望が生まれた
あんたに逢えたこと
マジで感謝します
僕らはそっと歌い出す
僕らが作ったその歌詞で月を見ながら独りごと
私はあの星取ってきてピアスにするの
そう呟いた妹はあははと笑って輝いた
海辺で私たちが散歩する
私たちの歩いた足跡で浜辺 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
「あなたあなたあなたあなたあなた
貴方貴方貴方貴方貴方貴方」
みんなうるさい
黙れ
一人ぼっちしか知らないにんげんは
どうすればいい
愛する感覚は強烈に知ってる
でも愛さ ....
知らないよ!!!
ぼくはまだ無知で白くて真っ白で真っ白で
真っ白で真っ白でいつもお庭をぐるぐる
駆け回っているから
知らないよ!!!
大きい人はなんでも教えてくれるんだけど
ぼくには大 ....
美しいものは美しい
ただそれだけで、いいんだよ
家から
ずいぶん歩いたところに
金魚屋があった
知らなかった
金魚屋のおばさんは
15センチくらいの
お腹の大きな金魚を
ひょいと手のひらに乗せて
「こんなこともできるしさ」
な ....
もう出掛けなきゃならないってのに
まだ、おまえにすがりたい。
冷え切った体がおまえの温もりを求める。
こんなんじゃ駄目だって昨日も感じてたのに。
今日もまた、
お ....
良い人たちが国を造った
とりあえずの法律と
良い人たちだけの政府を造った
僕らはその人たちに
従えばそれでいい
悪い人たちは
殺してしまえばいい
良い人たちは口をそろえ ....
とらえようのない
いま この きもち
ふと なみだが こぼれて
あたたかさに おどろく
どこを あるいているのか
どこに あるいていきたいのか
いまは あなたを おもいだし ....
まみれてしまった
人知れず汚れていく生き様
心凍えてもう戻れないと
君は言うけれど
凍える世界にいればこそ
私たちの吐息は白く輝く
だから大丈夫
まだ君は
歩いてゆける
正月ぼけで出勤すると
コーヒーメーカーで淹れたコーヒー
汚い共用灰皿からこぼれる煙草
不愉快だったり
コンピュータのご機嫌と上司の会議
会議中の上司への電話
俺には意味不明な伝言
....
この世界はこんなにもキレイで
刻一刻と変化していく
ふと目を向けるとまったく違う世界がそこにあって
生きるのは
60歳まででいいと
思っていたのに
亀を
拾ってしまった
万年は
生きないけれど
30年は
生きるらしい
80歳まで
頑張らねばなるまい
楽しい30年に
なりそ ....
僕がどん底で苦しんでいた時
ある友達が頑張れって言ってくれた
僕はありがとうと応えた
おかげで乗り越える事が出来た
別の友達が苦しんでいた時
僕は頑張れって言ってあげた
彼は余計なお世 ....
男は病気にかかっていた。
しかし、とっても幸せだ。
なによりも心が満たされている。
だって、家に帰ると大好きな人が待っていた。
だから仕事も辛いと思わないし、体も苦しいと思わ ....
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