寒くて月が綺麗な夜、
魅入られたようにつぶやいた
「あなたのこと、すきじゃなかったわ」
男は煙草のけむりを面倒くさそうに吐き出した
「知ってたよ」
見つめあって苦笑し ....
どうだ
この青い空は
雲はうすく横に流れる
梅雨入り前の夏だ
私の背を押す日の力
気持ちいい
楽しい
今、大地が裂け
一瞬にして世界が失 ....
死んでしまった詩人が言っていた
たとえば
校長が説教した
では詩とはいえないが
校長が木に登った
なら詩といえる
遠くにある言葉を繋ぎあわせて
あるイメージを ....
バレンタインだから
することがなかったから
チョコレイトケーキを作ってみた
正直もうチョコは食べたくない
昨日からチョコしか食べてない気がする
食べても食べても減らない
友チョコって何 ....
過去を投影した珈琲
まだ熱く舌を痛める
傷となって疼けば
記憶し続け
消えない
飲み干したら溜息
共有した時間を遡る
悲しくはない
寂しくもない
傍にアナタがいない
ただそれだ ....
突然話しかけられたら 心臓が泣いてしまうでしょ
その前に止めておかなくちゃね 大丈夫一人でやれるわ
あなたはきっと私が また迷ってしまうからって言うけど
もうきっとあなたとじゃなくても ....
おいおい
そんなに大きな図体では
寒くて堪らんやろ
標高千八百メートルに
生きるコメツツジが
そう言った
ここにはここの生き方が
あるんだからさ
まず風から身を屈めて
....
イケメンの若い男子の手は
握ったら冷たくて
こんなに熱い
秋晴れの運動会なのにって
後で思ったけれど
夫以外の男と手をつないでいいものか
疑問に思った競技だった
まぁいいか
足が遅くて ....
子供たちを寝かしつけて
朦朧とした頭を抱えて
ただジュースを飲みたいがために
サンダルを突っかけて外に出る
雨上がりの真夜中
起き抜けの身体はまだ夢の中
視界は頼りなげで
僕 ....
貴方のいうことが、私にはわからない。
・・・のと同じように、
私のいうことが、貴方には伝わらない。
どんどん不満は溜まっていって、
この距離は縮まることを知らない。
ねぇ、貴方が私に ....
私の質の悪い悲しみを
ひとつかみ小鍋にぶちこんで
英雄気取りというスパイスひとふり
偽善者というスープを加え
一生懸命というだしを足して
永遠で煮ました
出来たものは
なんであれ極上 ....
朝おきて 院内散歩、駐車場
抱き合うアル中男女 横目に
外出届ださずこっそりぬけだして
近所の犬の 分布図つくる
つながれたライター使うのめんどくさい
隣のひとに、もらい火を ....
母のことが なぜあんなに嫌いだったのだろう
殴られたことがあるからでもなく
押入れに閉じ込められたことがあるからでもなく
蹴飛ばされたことがあるからでもなく
わたしは母の愛情に満ちた視 ....
末の息子が帰った後は
母さん 堪えるらしい
寂しいらしい
悲しいらしい
飯も作らにゃあ
起きても来ない
そんなに辛かりゃあ
キャッキャ キャッキャと
喜ばなあ いいの ....
新世界の入り口の門は
歌舞伎町にも負けんくらいの
色とりどりの電球で埋め尽くされとって
作りもんの花やら枝やら
そりゃもう
朝でも夜でもぎんぎらぎんぎら
通天近づくに連れてだんだん
賑や ....
眠るのが怖い
眠っている間に明日を待つのが
望みもしないのに朝がくるのが
静けさに波打つベッドで
女、になっていくのが
ただ、怖い
深夜3時の空気は重い
朝は小さく震え
まだ誰の手にも渡りたがらない
コンビニの軒先には男女が
1つのカップラーメンを分け合う姿
2人で1つが1人を半分にして
空白に収まる愛を試す
....
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません
夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい
長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい
演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
緑さえて
花もえて
光こたえる
音きえて
時たえて
心ふるえる
君にあえて
君にあえて
{引用=草っていうのは
好きなことばのひとつです
あといくつか好きなことばがあるのですが
そこに石があってもいいし土も
あるだろうし水たまりもあるし
雨がふっていてもそれはそれで
....
そば屋のラーメンってさ、そこら辺でムダなプライド掲げてるラーメン屋より美味しい気がするのは気のせいかなあ。
実家の隣駅にある麺屋へ行ってみた。BGMがずうっとBEATLESのお店だった。
....
風景描写。
足首ほどの深さの川には
この時期多くの人が集う
或る子どもは魚を追いかけ
或る男女は飛び石を渡り
或る老人は側で居眠りをする
風景描写。
一両編成の青い電車は
....
パズルのように手を繋ぎ
トランプのように支え合い
ドミノのように繋がって
ジェンガのように生きていく
我が人生に幸あれ!
休日はらんぷの灯の下に
古書店街で買った
古びた本の、頁を開く
少し引っ張れば
すぐに千切れてしまいそうな
薄茶けた頁に並ぶ無数の黒字は
遠い過去から語りかける
音の無 ....
5時間目、書道
君の隣で「愛」を書く
君も隣で「愛」を書く
愛を込めて書きなさい、と先生
ハネ、トメ、ハライ
ハネ、トメ、ハライ
君が愛を込めた、右手の筆先
その ....
ネオン輝くこの街は、悲しい男が集う場所。
ニコニコ笑う客引きの口車に乗せられ発射台。
業務的で機械的、愛の無い快楽は、悲しい男を寂しくさせる。
地獄から這い出てきた、女は男を見つめて ....
事故により遅延
そのひと通りの連絡を終えると
遅延証明をしおり代わりに
読みかけのコクトォを閉じた
いつもなら
行き着く時間
行き着く場所にいるはずの私達は
....
朝焼けの方角に
あなたがいることを
突然
私は思い出す
世界が
太陽にしがみつき
生きているように
そして
忘れているように
あなたを
思い出さない一日が
ひらり
乾い ....
わたしの
話が終わる前に
あの方は去って
いかれました
あの、途中なんだけど
と言いかけて
わたしの話に終わりなんか
ないだろう
でもね
もしかしたら
勝手に
うまく終われた
かもしれぬよ
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30