090107
くるりくるりと
繰り返される
怖いことを
だぼ鯊の眼で
見つめていると
潮が満ちてきて
平らになって
異国の地は
遠くなって
山からの風が
....
わたし
もう
あなたに会えない
って思ったけど
だんだん
平気になって
そのうち
本当に気にならなくなって
青空が美し過ぎて
心がそこに映し出される
予想以上に汚れていることを知る
僕はそれを凝視できない
美は写真のように真実を映す
曇り空は何も語らない
美し過ぎて
....
お風呂さん、ありがとう
今日もあなたに浸かることができて幸せです
あなたの清らかさとあたたかさが
今、とても尊いものに思えます
わたしは寒いのに裸になりたい
裸になりたいのにあたたまりたい
....
住む人の居なくなった実家
風を通すために帰省して
東京に帰る日の昼食は
味噌ラーメンが美味しいと
親父が通っていた店で食べる
若いころ札幌で食べた
味噌ラーメンの味に魅せられた親父 ....
私が
もう少し若かった時
いっぱいの幸せを
願っていました
今は
たった一つの
君の言葉で
充分です
ありがとう
しゃりしゃり
ふわふわ
さくさく
かりかり
ちゅるんちゅるん
夜を噛めばいろんな味
今夜だけだよって、おじいさまに言われたけど……。
やみつきになっちゃいそう
....
昼下がりに昼探し。
本を読んでたまらなく切なくなってしまったので、天気にまかせてフワリとプカリ。
最近はナゼか蕎麦屋に惹かれることが多いのだ。
大もりと冷酒。冷酒と大もり。
ツルッといってキュ ....
誰かを認めたり
好きになったり
することに
すっかり適当になった
わけなんか無いけど
たぶん無いわけでもない
昔はこうじゃなくて
いつも自分で心臓に
カッターナイフを入れるような感じで ....
渋谷駅前広場に置かれた
緑のレトロ電車に入り腰を下ろせば
クッションみたいな長椅子は
日頃の腰の疲れを
吸い取るように暖かい
走ることの無いこの車両に
集まる老若男女は
....
昔遊んだ近所の公園からは
いつの間にか遊具が撤去されていた
鉄のスイングや回転式のジャングルジム
あの頃は怪我しながら沢山のことを学んだ
最近の子どもは公園に集まって
別々のゲームして遊 ....
息子も中学三年生となった
進学のことで小言を言った
もっと真剣に勉強に取り組め
現実は厳しいものだ
思うようにならないのが人生だ
うつむきながら息子は黙って聞いていた
....
憧れの君の
アドさえも聞けず
ただ顔を真っ赤にしていた
あの子は
きっとどこかに置いてきた
あの頃の私なんだろう。
いつからだ?
こんなに汚れてしまったのは。
いつからだ?
恋心 ....
沢山の名前を捨てて、
時間を捨てて、
記憶を置き去りにして
日常を泳いでゆく
終わらない
終わらせようともしない
ただ
貝のように
色なんて無色でいい
....
駐車場にちゃぶ台があって
さも当然のことのように
家族がそれを囲んでいる
夕飯
一家団欒
座布団もない
ただ、ちゃぶ台だけ
楽しそうな会話
夕日が横顔を照らす
ひじきの煮物
....
今から
雨が降るのか
雪が降るのか
星が降り注ぐ夜が来るのか
それはアナタの気分次第で無限に変わるよね
私は‥
なにもたべずに、朝
あたらしい電車のはしっこからはしっこまで
わたしは仕事に出掛けていく
どんなに長い距離も
君のそれと交差することはもうないけれど
それでも駅に停車する度、未だ息が止ま ....
辛いのなら死ねばいい
そんな答えを
出してしまった
すると
強烈な解放感と共に
「何か」に足を絡め取られた
痛みは無いが
全く別物の痛みを感じた
死ぬことへの
....
天才だって
長生きしなくちゃ駄目だ
かまち 貴方に会いに
高崎までやって来ました
貴方が残した
数々の悩み 苦しみ
そして 希望を見つめ
私は息を飲みました
かまち 貴 ....
あなたの心のいろは
なにいろですか
かわいらしい桃いろですか
さわやかな青いろですか
情熱のある赤いろですか
わたしにはまだ
いろがありません ....
ママ以外顔全滅のご家族の静かなディナー皿の音する
かなしいからうたをうたった
わたしはなかなかった
だだ きいているきみが わんわんなくものだから
さっきよりかなしくなって
そうだ なくしてしまおう そうおもうのだった
こんにちは
空が
ゆれている
奇跡だったのだ
さよならを言おうと思った
空が
ゆれている
ドカーン
でっかい扉が
とじる音
ズシーン
あれもこれも
すごい音だ
ノ ....
駅まで送ってくれないか
何処へ行くの
いつ帰ってくるの
もう帰ってこないんじゃないの
そんなことないよって言えなかった
八月の明るさがやけに眩しくて
私は瞼をしばたいた
....
心音をメトロノームに
できるなら埋もれていたい
いつか来る安寧のなかに
風船を手放すように
詩は一人旅を始めます
心を込めて
願いを込めて
形を成した丸いかたまりは
風に揺れながら
雨に濡れながら
貴方の元へ泳いでいきます
昨日は赤い風船を飛ば ....
イヤホンから流れる唄も、口ずさむ僕の声も。
三号線の騒音に掻き消されて。
どこかに消えていく。
だから、って訳じゃないけど。
もう少し唄ってしまおう。
大丈夫。バレないか ....
埃に塗れたガラスに映る
くたびれ果てた繕い笑顔
二日酔いで始まる月曜日
やるべき事が頭を巡る
子供の声とエンジン音とが
交互に僕を追い越していく
皆一様に行くべき場所へ
望む望まぬの ....
「あなたにしかできないことがあるので
どうかいっしょにきてください」と
いきなり見知らぬ紳士に呼び止められた
物騒な犯罪やらも頭をかすめたけれど
「ほら あそこです いそいでください ....
いま からっぽのこの体 なにから詰め込んでいこうか
いま からっぽのこの体 目に映るはモノクロの世界
いま からっぽのこの体 なにから入れたらいいのでしょうか
いま からっぽのこの体 なにを愛せ ....
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