080709
新装開店のお店の前
チラシを配る男の子
チラシを受け取る男たち
木登りが上手だねと
褒められたことがありますか
危ないから木に登 ....
船が出るのを
見ていた
風が吹いていた
揺れていたのは
波なのか風なのか
花なのか僕なのか
船が帰って来るのを
見ていた
もう帰って来ないものも
見ていた
揺れていたのは
....
三日後にわたしは
三十三年間着ていたわたしを脱いで
風の衣を着るだろう
その時世界の何処かに響く
あの産声が
聞こえて来る
その時空から降る
透けた掌と差しのべるこ ....
{画像=080707215821.jpg}
*
不味い!?
自分の胃で消化できないものがあるとは
思わなかった。
赤黒い液体が身体の中心を占め、
全てが分解する時だ。
堅く黒 ....
080706
コインロッカーにはなにを入れるの
あかんぼーさ、きまってんじゃん
コインをさ
さっと入れて
その隙間に赤ん坊を放り込み
キーを掛けるのだ
(ロ ....
働いて 働いてなお ふところは
あつくもならず 夏の夜の雨
七夕に 祈りをこめて 早足で
まだみぬあなた 追いかけてみる
夕刻に 焦りにもにた 心根の
欲 ....
080707
お天気のことを気にしていれば一年があっという間に過ぎて何ごともなく過ぎてゆく、そんな気分になれるあなたは幸せなお方よと、猫が鳴く。
....
彼女の身体は垂直の中心線の半分から後、
背中側が透けて見える。
それは実際に透けているからだ
濡れて下がる前髪が呼ぶ、
下がる前髪が濡れて
呼ぶ、声の下がる前髪の濡れ ....
家の近所のファミレスで
ずーっと本を読んでいた
顔を上げるといつのまに
店の外の世はふけて
店内に客はぎっしり
がやがやと賑わっていた
テーブルの間を
小走りする
....
2008年7月5日、小説家の古井由吉さん主催の朗読会に行ってきた。実を言う
とゲストの平出隆さんを一目見るために。3串の現代詩コミュで情報を偶然見
かけて、それで出掛ける一大決心をしたのだった。 ....
夏の日差しがあたしの肉体を削いでいきます
決して痩せるわけでもなく、潤いを蒸発させていくのです
それはあたしだけではなく、すべての老若男女に恵みを与え代償にするのです
....
神は在すと知りし日に朝顔が
白い朝顔咲き出でて妻うれし
妻ととも神のみちにと7月の
ガキのころハマり倒したゲームの続きを
眠り込むまでやっていて
充満した電子音をかき分け
とにかく何か やっていないと休めなくて
うつぶせのままだったから 背中は痛いが
前に壊した肩ほど酷くは ....
夜の水族館の部屋、真夜中になれば魚たちは
いちど死に朝になればまた生まれるのだと信じていたころのこと
累々とおびただしく規則正しく折り重なる
自分らの死体を夜の部屋に想像し眠れぬ
死体 ....
近年のゆとり教育の蔓延により、「秒」という概念を廃棄するべきだ、という改革が起こった。つまり、1秒は1分になり、1分は1時間になり、1時間は1日になるわけである。この改革は成功した。1時間は60分であ ....
細い路地に入ると
食事処がぎっしり並び
人々の賑わいから
昭和の匂いがぷうんと漂う
頭上の鉄柵に
取り付けられた蛍光灯は
細い路地を仄かに照らす
油汚れの壁に描かれ ....
チリチリ、
チリチリ、
私ヲ通ッテイッタモノ、
出掛ケニ魔除ケノ鈴ヲツケ、
帰レバオ清メノ塩ヲ撒キ、
ソンナ日々ガしばらくハ
続イテ
チリチリ、
チリチリ、
遠ザカル ....
輪郭のゆがんだ
{ルビ朧=おぼろ}月の見守る
灰色の夜の家々
屋根に置かれた
{ルビ梯子=はしご}の頂に危うく腰かけ
{ルビ襤褸=ぼろ}着を纏う煙突掃除の少年
ほっぺた ....
十年前、通っていた英会話学校のパーティで彼は気さくに声をかけてきた。とあるミャンマー人との出会いであった。三十代半ば、日本人よりもやや健康的に焼けた肌をし、そのぶん白い歯が印象に残るその紳士は、人懐っ ....
酩酊の夜道で仰ぐ空の
遥かに滲むあの星宛に
一篇の{ルビ詩=うた}を僕は綴ろう
( ruru ri lala
lala ri ruru )
いつか星になった日 ....
愛と正義って何?
食べれるの?
消費税上げたら
何に使われるの?
それって食べれるの?
タバコにもガソリンにも税金かかってるけど
なんで消費税かかって二重なの?
どこに使われてい ....
「世界がもし百人の村だったら」の中で語られている「6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍」という一文を知って以来、その富の定義やその6人の具体的素性などに興味をもった。
....
080628
明日は大雨ですから
透明なビニール傘ではなくて
しっかりした傘でお出かけ下さい
天気予報が告げる大雨の予測
雨が降るから傘をさす
....
海へ行こうか 人魚に逢いに
森に棲むことしか 知らなかったから
見上げた空から降る 見下した雨に打たれていた
虚偽の満ち引きの 浜辺を 彷徨いながら
脚萎えの君と 出逢えたことが 救い ....
地球テスト
蓄積、蓄積、一気に出した大地の声
竜門山の断層帯で地球がテストする
恐竜時代からずっと活動していたから
知られていないとか
ただ気付いていないとか
....
少し精神を病んでいるように
いつも 奇抜な化粧をし
当時 流行していた黒尽くめの少女
あたし
ダンサーになる為に上京するけど
あんたの歌が
あたしの住む街でも聴けるかしら
くねく ....
僕はタバコを吸う
煙はどこかへ流れる
夢の中で小さな花を手折った
夢の中では小さな花を吸っていた
甘い香りの先に少しほの苦い味がして
僕は花を「ぺっ」と吐き捨てた
花を捨てた僕 ....
*
トマト畑の夏は
麦藁帽子のひさしの向こう側、
湧き立つ雲と
焼けつく陽射しの中に消えた幻。
雨上がり、塩を片手にかじった果実は、
少し青臭い匂いがした。
*
入道雲と夕立の夏
いつまでも沈 ....
静かな森の夜
美しい花々の庭を通り
白い砂利道を歩いてゆきますと
古びた像の前へさしかかり
ひとすじの風が
私の耳に何かを運んできたのです
はっきりとした意識はありませんが
ぼんやり ....
現実は
想像力を超える
メタリックな都市に
CATSのあしあと
岩盤浴を楽しもう
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