ありふれた言葉に価値があるのはそれを
発した人間が特別だったからで特別でも
なんでもない貴方がありふれた言葉を発したところで
祭る神輿も掛けるベールもなく剥き出しの壁を彩る壁紙ほどの
効果もな ....
月隠れからかう如く蛙鳴く
遠く鳴く蛙の声と麦酒の夜
妻の手が肩を叩きて夏の夜
終日を妻と働きあせを拭く
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風
よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている
負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
タンゴの旋律に
呼吸を合わせるように
茜色のロウソクの火が
ゆらめいている
凪だった{ルビ水面=みなも}を掻き立て
眠っていた感情に爪を立て
ゆさぶりながら
身体の中を貫 ....
{画像=080713215510.jpg}
街角に子供が一人
地に染みる影を従え
かくれんぼする
感受性は
時に
人を殺す
温度になる
プラスチックケースの中に
俺の夢はないよ
薄いブラウスの中にも
俺の愛はないよ
スリーピースのあいつらは
ギターの中に押し込んだ
強盗 ....
生きることを諦めたら
死にも辿り着けないのに、
あたしは 今も
虹をさがしてる。
君は 今、
空を見てる?
明日の空を知らぬまま
灰色の街を歩いてる...
そうか、 ....
あまりよく、覚えていない
ふらふらと適当に帰りついた夜
白く重たいドアの先で
お父さんが
ガチガチに冷凍されていて
あれ、しっかり保存されていたんだ
そうドアの前の過去に
気が付つい ....
独り
寂しく眠れぬ夜に
勇気を出して
ゆっくりと
目を
閉じてみる
私は静かに耳を澄ます
…
電化製品の電子音
車の走る音
風の音
目を開けたら
窓から月明 ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
先生
ボク帰って来ました
この教室に
円周角やら
関係代名詞やら
習った
この教室に
先生
あなた方が座っていた
デスクに
今
ボクが座っています
こんなにも
広かっ ....
海の中の岩は水の中に
住んでいると思っていた
魚が時々 遊ぶ
漂着したものが
流れ着いては
またくるりと
一礼して 海原へ
どこにも行った事がない
どこかへ行きたいなあ
ちょ ....
詩人のなかでは詩才が最も少ない
私の偽らざる感想・・・
輝くような比喩を織り込む人
文体が詩人の生きざまを語る人
自らの主張を説得力豊かに書き綴る人
このサイトの詩人の方々の作品は
....
海に揺らめく
街の明かり
潮の香りに
髪を撫でられながら
二人で少しおしゃべり
食事のあと
ビルの上から見た夜景
あまりのまばゆさに
胸が苦しくなった
海に散らば ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた
その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする
「みんな」
そして「わたしたち ....
ぼくはほとんど水だ
と彼は言いました
手の水をひろげ足の水をのばす
水は水として生きて
水として果てる
そのとき大気の端とつながり
水からいちばん遠い水と出会う
そこで彼は
はじめて彼 ....
{画像=080710024320.jpg}
私は自分が泣くとは思わなかった
同僚と酒を飲み
語り合い
別れた時
涙が出た
酒を飲んで居ても友に言えなかった
卑しい自分 ....
深い 森の青 遠い山々
押し寄せる 驟雨の匂い
夏が海を抱いて
また再び
貴方と恋に落ちるのか
自己憐憫
自己嫌悪
隣り合わせの理想国・・・燃えて・・・
語りつくせぬ思いを
....
嬉しくて
気持ち良くて
満たされて
少し恥ずかしくて
楽しくて
自然にこぼれた笑顔
ひとつひとつを束ねて
ナイフで切り離した断面
それがあの日の写真
時間は変 ....
発した言葉がすべて詩になるなら
思いを伝えるのは容易いことだ
だけど僕は百分の一さえ
思いを伝える術を知らない
何より自分の本当の気持ちさえ
すべて理解することは出来ない
放った言葉が ....
やわらかく揺れる姿に
瞳を奪われ 手を差し出す
水面にうつる月の中で
蒼く煌めく波は 僕を誘い
届かないとしても
その幻想を受け入れたい
そんな小さな願いが
指の隙間から溢 ....
{画像=080707215821.jpg}
*
不味い!?
自分の胃で消化できないものがあるとは
思わなかった。
赤黒い液体が身体の中心を占め、
全てが分解する時だ。
堅く黒 ....
カルテを書き写すのはルール違反だ。回し読みするな。学校で習っただろ
「むやみにヒトを傷つけてはいけない。」
「アンネはかわいそうだ。けどヒトラーならいい」
ちゃんと習っただろジャイアン以外。
....
犬歯が疼く夜は
あなたのことを考えてしまう
黒猫が一方通行道路を逆走していて
わたしはみゃぁおぅと鳴いて忠告をした
哀しみに月はなく
瑠璃色の眼は立ち止まり
この影をきちんと認めて ....
(?)
久しぶりのドライブは仲直りのしるし
お正月に学生さんの駆け登る急坂をアクセル吹かしながら
ふたりを乗せたクルマは芦ノ湖畔を目指す
車内にチェックを入れてみても
知らないおんな ....
遠い街の空にふるえる
甘酸っぱい林檎の
かたちをした心臓は
銀色の影にふちどられ
微かに揺れていて
静かにガラスに映る
しなやかなアウトラインのなかで
切ない果実のように
弾力のある胸 ....
僕たちは実は
最初から到着してたんじゃ
ないかな
そこから
いろんなものを失いながら
迷い出て
また
旅の始まりへ
帰るだけのこと
その旅程が
今日なんだ
....
しごとがえり
げんかんのちかくで
むかえる
ねこのまなざしは
ききとして
ふぜいがあり
わらってしまう
えくぼはできる
*
あめのひ
いえのなかで
よくねむっていたねこ ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪
七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ
真っ ....
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