すべてのおすすめ
それは宝物でした
とてもとても大切な
だから人に見られたくなくて
自分の部屋にしまいました
それでも少女は不安になりました
だから今度は、箱の中に入れました
少女はその宝物が大好き ....
目的の無い笑い
今日から目覚めたら
風の強い日に
流されてる気分で
放課後の内緒の話
救急車が五月蝿くて
大事なところだけ
聴こえなかったよ
曖昧な記憶は嫌い
そこだけ分 ....
僕は異物だから
君の悲しみの中で
溶けてあげられない
僕は異物だから
君の喜びの中で
泡立ってあげられない
僕は異物だけど
とても脆いから
もたれた君の肩を支え切れない
....
今朝
息子を起こすと
たんぽぽの詩を書いている夢を見ていたのだと言う
息子はつめたい目をして宙をにらんでいる
どんな詩だったのかは思い出せないのか
それとも説明するのがめ ....
空の一番青い所から
滑り降りてきた木枯らしが
寝惚けたネクタイを
強引にたなびかせ
腫れぼったい意識を
心地好くシュリンクする
秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ
空の一番柔 ....
あれ以来
すっかりしなびた果実に
水をやりつづけて
きみの指は
完ぺきにふやけてしまった
(夜よ
やさしさは
こんなにも目に見えるのに)
きみは
まだ自分が
強い人間な ....
そういえば
おまもりつきの
ぶきをわすれて
すすんだ
いのちとりが
いたっけな
どうしたかな
しんだかな
それともまだ
いきてるかな
くらい
つらい
どうくつの
なか ....
赤い傘を彼女の隣りで差す男。
かわいい彼女に良く似合う。
散った彼岸花の傍を走る僕。
秋の細い雨が良く似合う。
あなたは、それじゃ駄目
少しばかり良いことが起こっても
それを怖れる
また悪いことが起こるのではないかと
怖れて
良いことの芽を摘んで
しまおうとする
もう十分に
....
打ちまくれ 打ちまくれ 打ちまくれ
空のない道と
明かりのない部屋
珈琲色の悔やみと
黄金色の砂漠が
赤道とニュートリノの間で消えていく
だから
打ちまく ....
きのうあなたの夢を見たんだ
あなたはぼくに冷たかった
ぼくは遠い心でそれを憎んだ
秋の虫が星のように鳴いている
小さな命に割り込んでゆく術を
きょうも眠りにつくまえ見 ....
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【 雪花 】
あ
雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
「お父さん、納豆って、どんな花が咲くの?」
「納豆は腐っているから、花は咲かないよ」
「えっ、腐ってないよ、だっておいしいもん」
「そうだね、調べておくよ」
すし詰めの通勤電車の中で
納 ....
世界一のスナッチャーは
二三〇kgのバーベルを挙げた
もう眼球は飛び出す寸前で
ようやく視神経の束に支えられている感じ
体じゅうの筋肉は石より硬直して
針でも刺せば破裂しそうな感じ
ベルト ....
人の会話がクルクルと
風に混ざって私を取り巻く
見えない心は
見せない心は
どこに舞っている
忙しく通り過ぎる感情の歯車に
私の心は振り回され
疎外感だけが
心を支 ....
私はひとみしりだから
貴方はシャイだから
なかなかことばを交わせないね
たまたま目が合ったその一瞬に
私は貴方にたくさんのことを伝えようとしているけれど
私は目がわるいから
貴 ....
少女よ、猫であれ。
従順な犬でも 寂しがりの兎でもなく。
首輪をするりと脱いで、夜気と戯れる。
尾を気高く立てた、美しい横顔。
少女よ、猫であれ。
自分だけの世界の姫君、強か ....
わがままで
おろかだった
あの子のこと
ほんとうなら
愛したかったな。
でも
できなかったから
腕も
細すぎたし
すこし
まるくなって
遠くなった
あの子のこと
....
庭の木から飛び去った蝶が遠い外国のビルを倒した
思惑はTVの中できりきり回る
顔のない人たちがこっちを指さして笑うんだ
誰も気づかないうちに背後に忍び寄る真っ白い影
国土を狙った死神が鎌を振りかざし ....
小さな小さな
無数の鳥の声がする
右手 左手
別々に回る泡のなかに立ち
別々の夕陽を見つめている
どこにでもある川が
見えたり見えなくなったりしながら
....
差し障りのない罪を
いくつも背負い込んで
眉の間に深い縦皺を寄せて
のうのうと生き長らえてきた
脱ぎ捨ててもいいような昨日を
ご丁寧にたたみ込んで
誰が見てもわかるように
不幸の ....
体に穴が空いてしまったんだ
胸のここんとこに
大きな穴が空いてしまったんだ
この穴にぴったりと合う部品を探して
取っかえ引っかえ試してみるけど
なぜだかどれも しっくり来ないんだ
....
空気よりも
もうひっかかりがない
永遠なんて
刹那の妄想なのだろうか
それともまだ
出会えていないだけなのだろうか
世界で一番なんて
数えるのが邪魔くさかった ....
明日は思いっきり変態な格好してやろう
下着なんか真っ赤なブリーフ履いてやろう
髭もじゃで鼻ピ空いたロンドンガールみたいな
だって明日はお前がいないんだ
あれがあれじゃなくなる日 ....
アルコール漬けの脳髄が
ひとつ
秋の夕空に浮かんでいる
人一倍寂しがり屋なはずなのに
気がつくと、いつもひとりぼっちになってしまう
これも運命ってやつなのかな
※
みんなはひとつの輪になっている
それなのにわたしだけ一歩後ろに下が ....
陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
この広い広い空間では
時として滅多にない事が起こる
二次元的にも
三次元的にも
重なる部分は考えられなかった
日々の生活の陰にかすんで
うっかり見落とすところ
すれ違いざまに視線 ....
この夜はあかるすぎる
きみが上手に眠るには
だからぼくは
月も星も
希望もしまってしまおう
明日も
あさっても
きみのみえないところへ
しまってしまおう
ぼくのより
きみのが多いなぁ
っていう争いは
とても大切
その争いが
大人になっても続くなら
困るけど
争いのための
はんぶんこだと
困るけど
▽
....
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