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けだものがけだものをほどき
同じけだものを編もうとするが
うまくいかず
やがて 泣き出してしまう
見向きもされないものを負い
どんどん重くなるばかり
進めなくな ....
むらさきの家具
光の終わりの
粉と冬
星や海や
息の位置
誰が花でも
花を咲かせゆく
どれほど苦しい
苦しさの夜にも
光の角が
片目からだけ伸びてゆ ....
光の獣に
つまずき転ぶ
今日は左目の翳りの日
遠のく灰を
見つめていた
舌に降る雪の
水紋を聴いた
呼ぶ声はひとつ
呼ぶ声は六つ
冬かこむ冬
崩れか ....
木の前に立つ影
何処を向いているのか
わからない影
月の鎌
ふりかざされ
ふりおろされることなく
切られる夜
鏡のなかの道は笑い
打ち上げられたかた ....
小さな小さな
無数の鳥の声がする
右手 左手
別々に回る泡のなかに立ち
別々の夕陽を見つめている
どこにでもある川が
見えたり見えなくなったりしながら
....
野火よ催奇よ
背たけを跨ぐ
おまえの金色
水に沈める腕の角度
夜は火です
夜は輪です
でも何も見えぬ
それが夜です
....