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ある朝、霧の中に立つ少年に 
旅人は声をかけました 

「何をしてるの?」 

「霧の向こうのお日様は
 銀の鏡のようですね 」 

「私も銀の色をした、一つの石を持ってるが 
 あ ....
私はずっと気づかなかった 
霧の向こうのお日様が 
銀の色にかがやいて 
あなたの瞳に宿っているのを 
「位置について、用意」 

乾いた鉄砲が空に鳴ったら 
時を忘れて 
自らの存在が溶け去る迄 
只、走り続けよ 

脳内から分泌される 
あどれなりんの快楽が 
体内を巡り 
魂の ....
飲み屋の座敷で 
一人酒の盃を傾け 
いつしかこの頬は赤らみ 
脳みそは何処までも歪み 

おぼろなる意識の内で 
{ルビ転寝=うたたね}にかくんっと首の抜ける時 
夢の夜空にたった一つ ....
開いた頁に散りばめられた 
無数の文字の裏側に 
薄っすら浮かぶ誰かの顔が 
あなたに何か云おうと、口を開く 

机の上に置かれた本は 
いつでもじっと待っている 

本を開いたあなた ....
見知らぬ人から届いた 
小包を開いたら 
一つの箱が入っていた 

ふたを開けたら 
何処かの海がなみなみ 
小波を立て 
一艘の小さい舟が浮いていた 

小船は夢の陸地を目指してい ....
道の暗がりに棄てられた 
凹んだ空缶を拾い、日溜りに置いた。 
遠ざかり、振り返った僕を呼んで 
透きとほる手をふっている 
新しい職場の老人ホームで 
初めて司会のマイクを持った日 
お年寄りの皆さんに 
塗り絵用の色鉛筆を渡した 

十二色の鉛筆の先っぽは 
どれもきれいに尖っていたので 
今日は鉛筆削りの ....
朝の交差点で 
信号待ちの学生が、友達に言った。 
「本当の時間割を知りたい」 

昨日話した老父が、僕に言った 
「人の体の内には、星の数程の 
 細胞が、再生を、繰り返している」 
 ....
今日のことを、話そう。 
大事なひとに、毎日メールするように。 

  * 

「先ほど、目が覚めました。 
 カーテンの隙間から 
 雨上がりの春の陽射しが 
 小さい{ルビ日向 ....
牛さんの服部 剛さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀の鏡_- 服部 剛自由詩412-3-8
瞳の奥に_- 服部 剛自由詩212-3-8
スタートライン_- 服部 剛自由詩3*12-2-20
星の友達_- 服部 剛自由詩6*12-2-7
机上の本_- 服部 剛自由詩3*12-1-27
贈りもの_- 服部 剛自由詩312-1-25
空缶ノ声_- 服部 剛自由詩5*12-1-19
無数の手_- 服部 剛自由詩511-8-16
老父の言葉_- 服部 剛自由詩510-5-27
今日の出来事_- 服部 剛自由詩610-5-11

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