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固く胸がふくらみ始め
女の子はあごの下で
つぼみが育っているのを知る
 不思議なわたし。
自分の体につぶやいてみる
身体の深奥から
まるで一本の茎が通っているみたいな内部から
外へ外へと ....
小雨に当たって今日の花は
桜の花々は眠っているよう
だから金環食の事を考える
五月二十一日
太陽、月、地球が一直線上になるという
些細な椿事の天体図を想う

それから太陽のフレアになって ....
夜中、近くで唐突に
金槌の連打が始まった
どこかで屋根を叩く
天気予報では
明日は雨と言っていた
大工は屋根を叩く
厚い雲の下、夜闇の中
もの皆眠る屋根の上
一人の大工が屋根を叩く
 ....
りっぱってなーにー
地位のことー?
社会的地位に付随する事どもー?
ラッパとちがうのー
それラッパとちがうー

りっぱってなーにー
お人柄のことー?
人に見せてる人柄のことー?
お面 ....
わたくしが
ブロッコリーの作付面積比、堂々の全国第三位
この{ルビ片岩志=かたいわし}村の長となった暁には
まず、村名をブロッコ里ー村に変え
村民の皆さんにはブロッコリーの里の住民
ブロッコ ....
春の音がする
表通りを過ぎる車の音
自転車のベル
子どもの笑い声
前景の音が滲んで柔らかく
遠くの音がよく聞こえる
カシャーン、カシャーン
どこかで鉄骨を打つ重機
パタパタパタ…
小 ....
くまのてっちゃんプップクプー
らっぱ片手にプップクプー
やまの坂道おさんぽだい
まちの市場でびびちゃんが
えらんだ変柄てぬぐいを
なぞのマントにプップクプー
きいろのグラサン目がまわる
 ....
全身麻酔の胸がメスで開かれ
肋間がスペーサーで広げられる
心臓に手が差し入れられる
教授クラスの執刀の下に
横たわるのは天皇であれ
一人の小さな老人の体だ
陛下も年を取った
平成になって ....
目を瞑っても嫌な事はそこに在る
目を瞑っても轟音からは逃れられぬように
耳を塞いでも恐ろしい事は起こっている
耳を塞いでも嗅覚は異臭をとらえるように
鼻をつまんでも根本事由はごまかせない
鼻 ....
年始の客に酒蒸しか
エスカルゴバターにしようと
前夜スーパーで買ったはまぐりを塩水に浸けた
途端に気泡をプクプクッと吐いた
息をついている
命を摘まれるとも知らず
中国の沿岸で狩られ
淀 ....
はナホトカ生まれの十八歳
でどっか相当ずれている
小さい頃からずれている
多くの人とずれている
殆どみんなとずれている
仲間はずれで入れずにいる
ウラジミール・ズレリンコフ
は小学校で持 ....
新宿駅南口は
ぶらぶら帰りの若い子で華やぎ
オバサンは疲れて足が痛いぞよ
外は
シケた地上よりも夜空が明るい
振り向けば
丸八真綿の看板横にぽっかりお月
かじればパキンと割れそうな
お ....
悲しみは空っぽな鳥かごの中
小鳥は遠く離れて野原の地面の下
ひとりぼっちで目を閉じ埋まっている
柔らかな羽毛に包まれた小さな体は
土が含んだ夜露に濡れて

悲しみは流れ星の掠めた夜空にいつ ....
世界一のスナッチャーは
二三〇kgのバーベルを挙げた
もう眼球は飛び出す寸前で
ようやく視神経の束に支えられている感じ
体じゅうの筋肉は石より硬直して
針でも刺せば破裂しそうな感じ
ベルト ....
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく

夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所

朝の優しい静け ....
{引用=きょうの料理 8月号}
冷蔵庫からきゅうり1本を取り出し水洗いする
小鉢にマヨネーズ適量をぶりぶりと絞り
もろみ味噌小さじ1を入れる
無ければ{ルビ甜麺醤=テンメンジャン}同量に
{ ....
カシオペアってどれだろう
懐かしい北斗七星は何処だろう
オリオンの一角も捉え得ぬ眼球は
地面に転がって冷えている
でも、宇宙はもっと寒いんだよ

?昭和の音?という玩具がある
夕景のフィ ....
い 色恋は風の道
ろ ロケットは落とすもの
は 恥知らず有頂天
に 妊婦忍耐 産んでも忍耐
ほ 星の数よりヘボ詩人
へ へカテ元アフロディテ
と トイレはシステムの始まり
ち 痴漢の ....
夢に根ざした情熱は
けれどガラスのように脆い炎だ
その熱情は外に向かって放たれ
壁の前に砕け散る
それでも消えずに突進し続ける
ドン・キホーテの姿は哀しい
ゴッホの空咳 コッホ、パスツール ....
星の泪は何色でせう
真冬の霜の銀色でせう
儚い儚い銀色でせう


月も笑ふ事があるでせうか
耳を澄ませば判るでせう
千のガラスの割れる音


風のお家は何処でせう
風のお家は木々 ....
哀しき俗物

ロバヲくんは詩的なんである
つねづね自分でそう思うから
ロバヲくんは道徳好きなんである
道徳は安全かつ安心だから
ロバヲくんは理想家なんである
方法論については考えたことも ....
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
へたばって、白鳥が
へたばって、きりんが
地面にくびを横たえくたばって

高い所ばっか見て来たせいかな

くびが長いって哀しいね
体より
何でくびが長いんだろう
脳には無用な機能なの ....
 フォルム

カント・フロイト・エピキュロス
それは遅れてやって来る口唇期
いや十数年を隔てて再発現する恣意的口唇期
恋人達はみなジークムント・フロイトの愛弟子
今や心理学では眉を吊り上げ ....
赤い月夜の森の中を
恋人達が無言に行く
凍った大気と闇の道を
二人は抱き合って行く
抱き上げられた女は
男の肩に頭を預け
柔らかに目を伏せて
その温かさに耳を着け
胸の鼓動を感じている ....
むかしむかし
アルプスの少女ハイジを観ていて憧れたのは
日向の匂いの藁布団や家の後ろの父性の巨木
何よりも、おじいさんが串で炉火にかざして
ハイジのパンに載せてやる、山吹色にとろけたチーズ
 ....
死んだ少女の手を取って
「タリサ、クミ」とイエスは言われた
少女よ、起きなさい
へべれけにされマワされて
中学生の少女は自殺した
夏の未明、背伸びの季節には
恋に恋する期待もあっただろう
 ....
風邪ひいた
鏡の私が情けない顔で
くしゃみを3発
脳味噌が揺れる
くしゃみを3発
モナ・リザもくしゃみをする
その時
?泣く女?もくしゃみをする
アイスランドもくしゃみにぶれる
世界 ....
{引用=1986年版}
 背骨が痛い 

背骨が痛い、背骨がイタイ、セボネがイタイ
コシボネがイタイ
{ルビYou=腰} {ルビtoo=痛}?
犬にも生理痛があるかしら
尾を立てて嗅ぎ回 ....
≪テーマ ; ポロシャツはダサいか≫

関東びと 「はい、襟があるとこがダサい」
近畿びと 「襟はパリッとしてませんとな」
東海びと 「釦もだせゃ〜で。駱駝のシャツみてゃ〜で」
九州びと 「 ....
牛さんのsalcoさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
女になるということ- salco自由詩11*12-9-28
位相- salco自由詩14*12-5-20
連打- salco自由詩7*12-5-5
アーデルハイド、おやめなさい- salco自由詩7+*12-4-27
次期村長選マニフェスト- salco自由詩11*12-4-23
感覚記憶- salco自由詩9*12-4-17
くまのお仕ごと- salco自由詩4*12-2-23
経過- salco自由詩7*12-2-21
- salco自由詩19*12-2-4
シンパシー- salco自由詩10*12-1-4
ウラジミール・ズレリンコフ- salco自由詩7*11-12-8
儀式- salco自由詩7*11-11-13
悲しみ- salco自由詩8*11-11-11
偉業の虜- salco自由詩5*11-10-7
ほら、- salco自由詩14*11-8-6
キッチン・ウエスタン- salco自由詩8*11-7-10
懐古する自動人形- salco自由詩30*11-1-19
大人の事情がるた- salco自由詩24+*11-1-3
ゴッホの空咳- salco自由詩12*10-12-26
夜想曲- salco自由詩4*10-12-6
俗物ア・ラ・カルト- salco自由詩5*10-11-15
冬支度- salco自由詩17*10-11-4
くび- salco自由詩9*10-10-28
長編詩_陰茎_(審美学的観察と考察の試み)- salco自由詩9*10-10-9
恋人達- salco自由詩15+*10-9-30
ユールレイッヒ〜♪- salco自由詩4*10-9-25
タリサ、クミ- salco自由詩11*10-9-19
微熱- salco自由詩11*10-9-19
出血大サービス24YEARS_BELOW(尾籠)- salco自由詩7*10-9-13
ラコステ遊(すさ)び- salco散文(批評 ...8*10-9-9

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