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080516
偶然と書いて
ぐうぜんと読ませる
ぐうぜんが生まれ
ぐうぜんが目覚める
ぐうぜんが欠伸をする
起きろ!
朝だ! 起きろ!
....
息つぎは上手じゃなかった
あるものないもの欲しがって
白く滲んだ指の隙間から
空をめがけて投げてばかりいた
例えば優しくしたくって
だれかに優しくしてほしくって
地球が ....
まるいかたち
ぱすてるなおれんぢ
やらかくはねて、すいてき
ゆびで
かるくつぶすことも
くちびるで
つみとることも
わるいこ、にしない
やさしさ
....
ある日
壁の向こうは不思議な国で、僕は確かここで生まれた。
真っすぐなものは何一つ無くて温い空気で生きている。
パパはこないだ死んでしまった。壁の向こうへ連れていかれて。
向こう側には僕ら ....
死にたいって思うことは
悪いことじゃあないよ
ほんとに、ほんとにさ
つらいときはしょうがないんだ
そういうときは
誰かそばにいてくれるといいんだけど
なかなか、うまくいかないもので
....
自転車の車輪の回る音が
地球の回る音だと思う
チュリーンと回って
一周しちゃった
友達にあまりにも友達を有効活用しすぎだと怒られる
携帯が壊れる
プーっ
も
プーッ
し
....
憂鬱だね
ゆううつ。
ユーウツ。
新しい場所に
やっと慣れてきたと思ったら
毎日、
同じ場所に行って
同じことをして
同じように帰宅するのが
嫌になった?
でも
....
・
わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....
080513
たいこがとんとん
鳴っている
たいこはとんとん調子よく
とことこ トコトコ どんどこどん
空の財布を拾ったと
虚ろなセリフをはさみ込 ....
ライオンさん!
こっちでは愛が降ったよ
久しぶりにあなたの、
ライオンさんのタテガミ
見たいなあ
どんなに濡れてもライオンさんのタテガミは風にふわりとなびいていた
どうしてなのか尋ねた ....
私は死にました
私は死にました
私は死にました
何回も死にました
小さい頃、曾祖父の寝顔を見て
眠ることが死ぬことだと知りました
死んでもすべては無くならないことも知りました
死ぬと成長 ....
赤い空に埋め尽くされた僕の街を
一羽の鳥が見おろして
どこまでも どこまでも 飛んで行かない
落下した鳥たちを
踏みしめて歩くその頭上で
擦り切れたフィルムをなぞるように
その光景は繰 ....
今日の俺は酷い顔。
上手く笑えないで、とりあえずガンつけて。
気分転換に聞いたイヤホン、手が引っ掛かって。
ぷっつり切れて。
どうしたらいい、も、どうしようもない。
すべ ....
朝起きると気付いた、空は貼り付いているんだ
青色のセロファンが
電球を通して海を染めているんだ
それを知ったのは今日だった
間違いも無く今日だったんだ
昼に目を瞑って気付いた、ぼくの心臓 ....
森のなかにそこだけ
ひかりの射す広場があった
森の近くのファミリーたちが
その広場ではよく遊んでいた
ひとつの闇のような森に
どうやってこんな広場が生まれたのか
そ ....
おかしのぱんだにつれられて
あたまにおおきなももいろりぼん
てあしはちぢめてふくをきて
てをつないであるいてく
ぱんだのては
だんだんねとねとしてくる
おかしだからしかたないね
....
「お茶を飲む」
なんだか不思議な
「お茶を飲もう」
この響き。
それはもう、そのあとに続くのは
「スマン、10万貸して」だったり
「ねえヤラせてよ」だったり
「最近、上司がムカつ ....
ねえ
あたしのこと
ちゅき
あ
かん ....
ことばは、とても正直だから。 ほんとうのことを伝えてしまう。おかまいなしに。
たとえば、メール。絵文字があったりなかったり、そんなことは問題じゃない。何かが違う。それがどこなのか、うまく言えない ....
やさしいんだね
と、言われれば
悲しそうに首を
横に振る
君には
四月なら
さくらの花びらが
五月なら
ハナミズキの花びらが
道いっぱいに散らばって
通れない
....
英会話学校のパーティで知り合ったバーナードは
JICAの研修生として来日していた獣医のエリートで
扉という扉を開けてくれ
食事のときは女性の椅子を引く
印象的な紳士だった
街のカフ ....
回転する立方体を○○せ!
生きているクワガタムシを○○せ!
愉快な地球を転がしている田中君は
昼間が大好きなので困ってしまう
薄暗い散歩道が大嫌い
大きな提灯ぶら下げろ!
下から横 ....
「猫を探しています」
と書かれた手製のチラシが
郵便受けに入っていた
「名前 小太郎 茶虎 体重4kg」
茶虎の猫といったら
このあたりでも野良でたくさんいる
正直見つか ....
スプーンで
粉っぽいくせに
白いお砂糖と
むりやり
無理矢理だよ
ぐるぐるってさ
なんとなく
計算なしに
ぐるぐるってさ
ねえ
私たちに似てるかも
なんてこと
なかったのにさ
....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた
手術自体はあっと言う間ですから
こころにメスを入れる ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う
けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって
僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
・
小さい頃
コーヒーとは
空色ののみものだと思っていた
すくなくとも
母親が眠れない夜にいつも作ってくれた
ミルクコーヒーは
曇りの日にふと覗く
青空の色をしていた
それなのに ....
コンペイトウの 角を数えてみたけれど
よくわかんなくなっちゃった
だからコンペイトウの 角をおったの
まるいコンペイトウ
少しあまくて
角のぶんだけ
いとおしい
単純な味 ....
東京のさかなは
全然ダメです
死後
七日目ですかって
そんなことを思ってしまう
電車から眺めると
無数の家だ
孤独
の意味を私は思う
ヘッド・フォンで武装して
右側をガ ....
ベッドの準備ができたから
ぼくねるねるねーるね
テストの結果がかえってきたから
ぼくねるねるねーるね
さんすうとけだし
とろろとかけざん
うつわから だ からわってしろみ そ う ....
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