すべてのおすすめ
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
....
重たいよ、重たいよ、と稲が鳴ります
生まれるよ、生まれるよ、と栗がもうすぐ妊娠八ヶ月です
うーーん、と心地よい秋風に、晴天が背伸びをします
ぐう、ぐう、と魚の雲を見たわた ....
この文章はおそらく君に読まれる事はないだろうから
だからこれはほとんどひとりごとのようなものだ
ぼくは君でオナった事をそろそろ忘れようと思っているんだ
それでも
君とジョナった事を忘れない ....
今頃 月の空は
きっと晴れていて
清々しい漆黒の空だろう
宇宙服を着こんで
壁面をそっと蹴って
晴天の黒空に浮かぶ
船の影で明滅する
私の身体
電池の切れた衛星 ....
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想いを繋ぐのはいつも
言葉だった。
小学生の時、
友達と口げんかをしても
さよならは忘れなかった。
またね、と別れると、
次の日はまた ....
さよなら、の続きは。
元気でね。
さよなら、の続きは。
ごめんなさい。
さよなら、の続きは。
スキでした。
さよなら、の続きは。
君の後姿。
さよなら、は聞こえない。
....
空が割れたような音がしたので確認すると、飛行機が近いところで飛んでいた。
わたしに白いお腹を見せているけれど、わたしはそれを雲とは間違えない。
どこから、何時の間に、こんな近くに来たのだろうと思っ ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ
晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
たくさん雨が降ったあと。
ぼくはまた、色を思い出している。
メロンと、レモンと、ストロベリー。
なんだかとてもおいしそう、なんて思っていた。
ファミレスの窓に、にじむライト。
およい ....
世界を感じる旅に出た知己から、手紙が届いた。
写真が一枚同封されていて、白い息を吐く馬と白眉を垂らして笑う彼がいた。
手紙の文末には「君が好きそうな響きを見つけたので、一緒におくります」と書かれて ....
あぁ、そうだった
しまった
私は枕が変わると眠れなかったんだ
と、ぐっすり眠っているあなたの腕に
頭を乗せながら思いました。
足踏みをしていたら
後ろから吹いてきた風に追いこされてしまった
きっとわたしは
まだ夏のままでいたかったのだと思う
だってまだ海にも行っていないし
夏服の気に入ったのも見つけていない ....
病気ってさ
痛くてさ辛くてさ
周りに迷惑かけてさ
色んなもん失ってさ
未来の終わりが見えてさ
過去が虚しくてさ
死にたくない
って思ってさ
元気な頃はさ
死ぬなら泡のようにさ
....
ずきずきとした痛みがこころにある
いつからか消えない痛みは
あなたが手を繋いでくれれば消えると
そう思い込んでいたけれど
あなたがいても こころはまだ痛いままでした
■フェンシング 男子ビニール傘
金メダルおめでとうございます
「ありがとうございます」
肘の関節をはずしての 腕が伸びる突き、あざやかに決まりましたね
「ゴムゴムの突きをイメー ....
枯れた心の中に君をおもう太陽がただ
ボクを照らしてるんだ
君はボクを好きでボクは君が好き
ボクらは恋人だよ
付き合ってるんだよ その事実がボクの心を照らしてるんだ
ボクはとても幸せだ ....
あなたみたいに遠くへは行けない。
ぼくには足があるから。
そういっていいわけを考える。
うまい、うまくないかはべつとして。
とりつくろう、縫う、パッチワーク、みたいに。
きれいかどうかは ....
大好きだったおばあちゃん
死んじゃってから
もう何年にもなるけど
もっとたくさん話をしとけばよかったね。
印刷工場へ働きにいっていた頃のこと
226事件の日のこと
関東大震災のこと ....
永遠なんて信じていないから
今日を懸命に生きている
わたし
だけど
あなたといると
永遠があればいいなって
思ってしまうから
明日のこととか
来週のこととか
今日が ....
悲しみから抜け出せない時は
逆に明るくポップな曲を作ることにしている
あぐらをかいて床に座り
ギターを膝に抱き
最初の指は決してマイナーを押さえないよう
歌いながら
少しずつ構築さ ....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった
スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった
スガイには両親が居な ....
ある
意味散らばるためにある
と思う
小さく四角く切り抜かれたノートが借りずらい
ちらついてちらついて気まずい
散らばってて欲しいょ
そこにあって欲しいょ
恥ずかしゅいぅ
でし ....
空を誰かが引っ掻いた。
鋭い爪で、何度も、なんども。
空の爪痕は、広がっていった。
大きく大きく、手当が出来ないくらいに。
空は涙を流さなかった。
どんなに痛くても、我慢 ....
「頑張って!」
と思わず口に出してしまう
それは頑張っている他者への共感であり
ふりかかる火の粉を払おうとする
ある種の逃げ口上とも言い得て
決して自分の事ではないのだから
「それじゃ ....
ちっちゃなころに大切だったものが
いまになってちっぽけに思えてしまったら
きっとそれ以上に大切なものなんて見つけられない
おもちゃ箱をひっくりかえして
いろんな色のガラスのかけらを ....
僕のクレパスは
どうしてみんな長さがちがうのだろう
買ったときにはどれも同じ
だけどそれはあたりまえのこと
黒が一番先に短くなる
デッサンでもつかうし
影をあらわすのにもつかうし
僕は簡 ....
あかりがともってる
そう
ぼくの目の奥
ぼくの目の奥は
洞窟みたいになっていて
その奥のほうには
秘密基地みたいなところがある
それが脳みそと呼ばれるところで
ぼくの考えの源で ....
動物園でしか見たことのない獣の前で
動物園でしか見たことのない夢を見ていた
あれがニンゲンのコドモだと
舌うちされたのを覚えている
そうあれは
舌のある獣だった
消費した肩で
かつて ....
50を過ぎた看護婦さんが
休憩時間も惜しみ
寝たきり患者の爺さんに
パンを千切って食べさせる
勤務を終えた夕方
棚に書類をしまう
白衣の背中から
電池が一つ、ぽとんと落ち ....
080812
抜け作が傑作書いた
村中大騒ぎ
金メダルを贈ろうか
それとも奨学金
検討委員会が作られて
抜け作の進路を決めることになる
抜け作 ....
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