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{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
湯船に浸かり
うつらうつらしていたら
突然誰かが部屋に入ってきた気配を感じ
バスタオル胸元に巻いて飛び出すと

消したはずのルームライトに薫る
わたしの大好きな秋桜のアレンジメントに
添 ....
ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて

久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった

それでも ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする



水と油
そんな感じで



高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
「頑張って!」
と思わず口に出してしまう
それは頑張っている他者への共感であり
ふりかかる火の粉を払おうとする
ある種の逃げ口上とも言い得て

決して自分の事ではないのだから
「それじゃ ....
人間すなおじゃないとね


あのひとは言った

あなただって…


言い返そうとして

としはまだ蝉の鳴き声を聞いていないことに気付いた

あのガード下へ行けば
聞く
 ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
(1)

明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
* 1

愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた


* 2

あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね

目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
(?)

久しぶりのドライブは仲直りのしるし
お正月に学生さんの駆け登る急坂をアクセル吹かしながら
ふたりを乗せたクルマは芦ノ湖畔を目指す

車内にチェックを入れてみても
知らないおんな ....
(1)

あなたにはじめて出逢ったのは
この廃屋が未だ駅舎として機能していた頃のこと
夏草の浸食に怯える赤錆びた鉄路と
剥がれかけた青森ねぶた祭りのポスターが一枚

この駅を訪れるひとと ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる

駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った

幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた

家族のために自 ....
一念発起でもしたのか
寝ぼけ眼をこすりながらも
真新しいランニングシューズに足を通す

ちょっと昔だったら
恰幅が良いともてはやされた下腹を揺すりながら
近所の公園に出かけていった

 ....
両の人差し指でぱたぱた
ニワトリが餌でも突いているようで
思わず吹き出しそうになるけど

なにやら真剣に打ち込んでいる
あなたの横顔
見方によっては男らしいとも言えそうで

古いやつだ ....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ

帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる

それなのにどうしてそんなことを言うのだろう

こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
世の中には支えるひとと
支えられるひとがいる

支えるひとは暗い海に胸元まで浸かり
力の限り支え続け

次々と押し寄せる荒波に揉まれては
やがて力尽き海の藻屑と消える

支え続ければ ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく

そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
お愛想だと判っていても
みょうな期待を持たされてしまう

口ぐせなんだよね

未来と繋がっているようで
繋がってなくて
この連休の天気予報みたいに当てにならない

悪気なんて無いのだ ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....
女子トイレに入ってきた
あなた
あっと小声上げたと思ったら
ばつの悪そうな顔して出ていった

なんだかおまぬけで可愛いよね
あれれ、わざとかな

石橋は疑って渡れ

ほとんどの誤り ....
自分で考えてみても些細過ぎる悩み事を
頷きながら聞いてくれる
復縁できたらとか下心あるのかな

彼だった頃は喧嘩ばかりしていたのに
なんだか不思議だよね
今では心を開いて相談できる
同志 ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふ ....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った

―へのへの

叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
 ....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる

どうやら使えそうだな

アルミパイプの椅子まで組み立て ....
焼けてきたお肉を器用に裏返してくれる
横の物を縦にもしない性格だと思っていたのに
どうやらそうでも無さそうで

アルコールの度数は低いからと
ビールの飲めない私に勧めてくれた
甘くてとろり ....
ぼっかり空いたこころの隙間に
あなたの優しさが忍び込む

そのひとに騙されているのではと
友達は忠告してくれた
仮にそうであったとしても
構わないと思ってしまうわたしがいる

ひとの弱 ....
妖刀紅桜さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(71)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひよこなひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*08-9-12
ゲリラなひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-9-5
考えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-8-29
乾いたひと- 恋月 ぴ ...自由詩26+*08-8-22
頑張ってのひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*08-8-16
捻くるひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*08-8-12
働くひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-8-6
消費されるひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-7-30
遠ざかるひと- 恋月 ぴ ...自由詩38*08-7-23
iなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*08-7-17
ホコテンのひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-7-10
お隣りのひと- 恋月 ぴ ...自由詩13*08-7-6
無人駅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*08-6-29
孤独なひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*08-6-24
守れなかったひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*08-6-18
メタボなひと- 恋月 ぴ ...自由詩8*08-6-13
古いひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-6-7
支えられるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-6-1
支えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*08-5-25
五月のひと- 恋月 ぴ ...自由詩34*08-5-19
パンダなひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-5-13
「また今度」なひと- 恋月 ぴ ...自由詩19*08-5-8
待合室のひと- 恋月 ぴ ...自由詩36*08-5-3
ピンポンゲートなひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*08-4-28
見つめなおすひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*08-4-23
ふりふりなひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*08-4-17
もへじなひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-4-11
気の早いひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-4-5
まっこりなひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*08-4-1
騙されるひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-3-26

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