パンダなひと
恋月 ぴの

はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた来てくれるのかな

そんなこと話してみたら
「中共のプロパガンダに踊らされるな」って
あのひとに言われてしまった

チュウキョウってなに?
プロパンガスの間違いじゃないのかな

フリーチベットとか難しいこと判らないけど
パンダって野生なんだよね
一匹の雌を巡る争いのシーン
テレビとかで観たことあるけど
食べることしか能が無いようなヘタレなんかじゃなくて

なぜかビートたけしのこと思い浮かべたりした

そのパンダ凶暴につき

愛ちゃんと笑顔でピンポンしてたけど
素直に喜べないのは何故だろう
聖火リレーの沿道を埋め尽くした
熱狂的な赤い旗に恐怖心さえ覚えてしまう

それでもパンダがまた上野に来てくれたなら
小難しいこと抜きにして逢いに行きたいと思う
屁理屈並べて嫌がるあのひとと一緒に

出来ることならふたりの子供でも連れて

たとえかりそめであったとしても
平和は平和

そんな感じで





自由詩 パンダなひと Copyright 恋月 ぴの 2008-05-13 21:25:38縦
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