ふりふりなひと
恋月 ぴの

ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふりふりのお洋服
着れないかわりにいろんなふりをしているよ

おとなしいふり
協調性のあるふり
つつましやかなふり
それから
あなたを立てる賢いおんなのふり

もしかすると、死んだのに生きてるふりしていたりして

ちょこんと乗せたヘッドドレス
球体関節人形の瞳みたいに
果てしなく澄んでいて
血に餓えた花束の匂いがする

ほんとのわたしって誰なんだろうね
どこの誰だろうと構わないけど

ふりふりのふりふりは
ふりふりで
ふりふりのふりふりは
ふりふりだから

自分探しの旅をする気なんて
はなから持ち合わせているはずもなく
わたしって存在のふりをして生きる




自由詩 ふりふりなひと Copyright 恋月 ぴの 2008-04-17 21:32:47縦
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