メタボなひと
恋月 ぴの

一念発起でもしたのか
寝ぼけ眼をこすりながらも
真新しいランニングシューズに足を通す

ちょっと昔だったら
恰幅が良いともてはやされた下腹を揺すりながら
近所の公園に出かけていった

そんなに暴飲暴食している訳じゃないし
肥満過ぎるって感じはしないけど

ある種の脅迫観念ってことかな

痩せなければ失格者の烙印を押されてしまう
そんな懸念があなたの背中を追い立てる

それよりも
こころのメタボを何とかしたいよね
ぷよぷよになった感性では
捉えられないことがある

すっきりさせようよ

まずはパソコンのスイッチを落として
窓の向うに耳を澄ませてみる

何か聞こえてきたのかな

お隣りさんの痴話喧嘩じゃ修行足らなくて

聞こえてきたでしょ

ほら








自由詩 メタボなひと Copyright 恋月 ぴの 2008-06-13 22:05:15
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