諦めなければと、思いながらも
わたしはこの椅子に腰掛けたまま
忘れなければと、思いながらも
わたしは開かない扉を見続けている
ひざを小さく折りたたんで
ひざを抱えて
寒いわけではな ....
君は僕とセックスしたかったのかな?
僕は君とセックスしたかったのかな?
「いいよ、好き、きて」ってかわいく言ってくれたものね。
人間不信の僕は恐いけど信じたさ、僕だって好きだもの、セックスしたか ....
ウィスキーの
琥珀色の
その向こうに
浮かぶ世界を見ていた
一瞬の絵のように
今日の一日が
そこにあったのだ
ちびちびと飲む
ぴちぴちと
魚が跳 ....
俺がおかしいだなんて 君…
そうかもしれない 俺は
行き交う普通の 人のなりで
硬い殻に囲った 中にいる
人は自由だ
大腕で 人の間を流れる
止める何もなく 手をかざす者も そんな
....
赤い音ってどんな音
青い音ってどんな音
耳元を白い色がかすめる
飛ぶ音ってどんな色
浮かぶ音ってどんな色
閉じた瞼の裏を
透き通った黒が響く ....
2人の時間がうまく回らなくなったのはいつからだったろう
僕は君を思い
君は僕を思った
でも、無理だったね
僕は君に優しさを
君は僕に愛をくれた
でも、無理だ ....
秒針の一周で
思い出すこと
君の瞳
君の笑顔
君のくちびる
君の言葉
君の仕草
君の指先
君の髪の色
君の肌の色
困ったとき見せる君のさみしい目
ふくれっつらしてほんとにふく ....
あっと気づいたときには
避けようがなくて
エンドルフィン働いてくれたのか
やっと死ねるのかなだなんて
奇妙な喜びに背筋ぞくぞくしたのだけど
むりやり右折してきたクルマに衝突した瞬間
....
小さな 小さな 観覧車
六つの部屋しかない
観覧車の先には
暗く長いトンネルがある
小さな 小さな 観覧車
僕はその内のひと部屋に押し込まれた
残りの五つの部屋は空き部 ....
ただしい船が
たくさん
海に浮かんでいる
沈まずに
まっすぐに
まちがいのないところへ
向かって進みながら
ただしさだけを保っている
嵐にでも遭ったのか
うちあげられた ....
手にした「水版画」という本を開き
(うた)という詩の行間で
夕暮れのすすき野原に立つ彼
今は亡き女の風の面影に
いつまでも手をふり
すすき等もまた
金色の海の波間に
....
タイルの目地を
綱渡りする
少年は
ポケットに
手を突っ込んで
一人はにかむ
うつむいたまま
蛍光灯と自販機と
ベンチの後ろの広告と
背広にコートのサラリーマンと
....
空気は薄い膜を張る
破れそうなほどに薄く
でもしっかりと光を受け止める
太陽も月も星も
全部
昼は柔らかくなり
夜は澄み切る
指先が痛む
耳の奥も痛む
心は熱 ....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる
つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける
+
淡い花のきもちになって
窓の外 ....
I attempted suicide out of despair
その先には何も無いの
だから向かうの
lose faith in life
何もない場所へ誘う宴は儚い幻
....
道端にひっそりと咲いていた
花の名前を知ることはなかった
知らない間に消えてしまった
空っぽの風がそこに吹いていた
期待されて生まれた命と
期待されずに生まれた命
蒔かれた ....
失望のレストア
少しでも見たくない顔を見せて、
最後だけ巧く出来たって
きっとすぐに忘れてしまう
融解する手紙の背景が
何処にも流れない 鬱血を
撥ね揚げる、
残った者みなに愛されていた ....
チャイナドレスからのびた白い足
細くて綺麗で素敵
ジュリアナ扇子 どこで売ってたの?
時代関係なくモテ期
君のこと シンデレラぐらいに思っているよ
嘘じゃないさ 大袈裟だけれどね ....
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした
できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
堤防にうち寄せる波を下に
遠く霞む島を思う
冬の冷たい風を受けて
ジャンパーにつっこんだ手
シャツの襟まですくんだ首元
僕は
花火のカスを踏みしめながら
車へと戻っていった
....
きんいろを通り
きんいろになる
ずっと ずっと
鳴っている
遠くのような
近くから来る
生は治る
生は響く
雨が雨をすぎるとき
滴に残る
影 ....
真理と価値の二律背反は
死ぬことでしか証明できない
なら
生と死が不二であるとしたら
生きていること
生きていること
それ自体が
解なのではないか
生きていること
今生きていること
....
愛しています
愛しています
何度でも囁きましょう
貴方が私ではなく
他の女性を見つめていたとしても
愛しています
愛しています
何度でも微笑みましょう
貴方が私でな ....
すべてが優しい歌のようで
すべてが明るいあこがれで
おまえらはまるで夢のようだ
洗おうともしない穢れに蓋をして白く塗り潰す
街中の繁華街の
何か ....
初冬には砂糖のような雪
明けた冬にはザラメ雪
ちっとも甘くない空のオシッコ
ネコヤナギや梅の枝を
瓶に挿して風呂場に置くと
1月に花が咲くから
毎年
編み物なんか飽きて
そんなことする ....
近頃は青い 空 ばかりで
手を取り
空気を呑みすぎるから
溶媒の温度がいやに 甘い、
見知らぬ思い出のした
初めて恋した少女が肩へはらりと落ちる
けれどその天体が
いまだ世界には 無いね ....
愛することは酷く醜いから、と
僕は君を殺しているところ
馬鹿みたいに笑って
苦しいほどに触れていた
冷たい今に
「凍える日々を過ごしました
君がまた少し遠くなりました
漸く何も見 ....
おうちに
赤ちゃんが
うまれた
赤ちゃんは
眠ります
すぅ すぅ
くぅ くぅ
赤ちゃんは
泣きます
ぎゃぁ ぎゃぁ
きぃ きぃ
赤ちゃ ....
輝かない太陽がほしい
そばで暖めてほしい
鈍い太陽が私の気持ちに
気付かないように
それでも、私は輝くの
太陽に見ていて欲しいから
独占欲が苦しいの
輝かないで
夕焼けとか月とか
星の光る夜空とか
もちろん、美しいよ
でもね
枯れ葉とかマッチの火とか
水道から流れ落ちる水とか
そんなものも、美しいと思う
こんな美しさに ....
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