大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。


そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。


やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂って ....
私がまだサンタクロースを信じていた頃
父方の祖母と同居していて
私たち兄弟の面倒をみてくれていた
今にして思えば幼さ故とは言え
彼女には随分と理不尽ことしでかしたものだと悔いる

それなり ....
雨が降る

洗い流して
街を、私を

傘は捨てたよ
子供の頃のように
ずぶ濡れになって
雨を楽しんで帰るから

だから、空よ

It cries more and.

 ....
毎日 自分が最低な人間だって確認するためにパチンコにいく
何かにすがるような思いでバックに詩集を入れて持ち歩く
喫茶店の前で立ち止まるけど中には入れない

友達がひとり去って 
またひとり去 ....
甘い嘘は
かすかに苦味を含んでいて
残酷な現実を連れてくる
優しさのつもりで吐いた嘘で
崩れていく 守りたかったもの
すべてを背負うことが出来ないと
分かっていたのだから
崩壊していく有 ....
そして去年
飯島愛の上にも雪が降り

今年
小菅刑務所にも雪は積もり

来年も再来年も
ブロック塀のうえで裸足をぶらぶらしてるみなし子の上に
毛布の無い家の壊れた屋根に
 ....
東京近郊の街のクリスマスには雪が似合わなくて

サンタクロースの正体がこの僕だと
子供たちは知ってしまったけれど
それでもプレゼントはうれしいもので
僕のことをパパサンタさんとか呼びながら
 ....
幼き者 か弱き者たちよ
休む前に ここに集まり
静かに頭をたれ 心の重荷を降ろしなさい
今日一日 多くの出来事にあい
喜びや悲しみ 希望や不安に
心おののいたことでしょう


今日一日 ....
おんなの子はクリスマスに弱い
街じゅうのカッポルが幸せと思いこむ
じぶん一人だけ不幸に見える
そーゆー日

もしキミに気になる女子がいるなら
 「ラーメン食べに行こうか」でも
 「コンビ ....
大好きな気持ち
今も変わりないのに
時経るごとに
ほつれてく
二人の糸

言い訳 今日も重ねては
君を傷つけて
音もなく 崩れ去っていく
私という存在

好きになればなるほど
 ....
カーテンのむこうの窓ガラスが

いちめんに結露して

ひとしずくがとなりのひとしずくとひとつになり

つるつるとつたって流れおちた

ボトリというおおきな音が

ねむりについた鼓膜 ....
小学校四年生の娘と姪っ子は
互いに追い駆けっこをして
おじいちゃんちの六畳間を回る

クルクルクル クルク ル

いつ果てるともなく回り続ける
ように笑顔に笑顔を重ねて弾ける

そ ....
暴れ走る稲妻の背中に跨り
その鬣(たてがみ)を掴み
空を駆け抜け大地を蹴る

旅人の話に
少年は目を丸くした


溜め息の葉や迷いの蔦が
生い茂る
空さえも覆う ....
もし 
どうしても 
涙を振り切れない時は 

地球の上に 
短い二本足で立つ 
亀となり 

小さい両手のひらを 
頭上の空に向かって 
ひらいて 
硬い甲羅の空洞の 
底の ....
私という存在を前提した
真っ直ぐな主軸



きれいに
ねをあげた
いともかんたんに



コンビニでおむすびを買う
たわむ電線が
痛々しくて
目を瞑る
よる、なので
 ....
人に悪口を叩かれても
気にしない
良く見ている人がいるから
胸を張って生きよう。

セカンドバックに
笑顔を忘れずに
憎しみは足元へ
一歩引いて

欲しければ差し上げます。
つま ....
夜は
重なり合って
ひそめく


息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる


冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
 ....
午後三時 十字架の上にて



 イエスは大声で叫ばれた

  神よ 威光を示されないのですか



 再び イエスは大声で叫ばれた

  神よ ご威光をお示し下さい


 ....
あなたが恋しくて
堪らなくて強く指を噛んだ夜
滲んだ赤がとても鮮やかで
メリー、
それは細長い
木々の根元から枝の先までがちょうど、
ひかりだけ流れているようにみえた
夢みたいな夜


ぼくらは産み落とされて
地図だけを持たされていた
しずかに痛みな ....
忘れてください
と、口にした時から忘れられなくなる
ふいにこぼした言葉も
思いつめた頬の感じも


忘れてください
忘れたものは戻ってこないと知っている
ある日ふとまざまざと
風に揺 ....
王様の肩の上の蛇はいう
私の、滑らかな
燕尾を返してくださいと
わたしはいう
お葬式には型押しは
きまりで持ってゆけないよ
それでなくとも
たとえ鱗が無くたって
うなぎでいればいい ....
歳をとる、というものの
実際、歳は取れるものではなく
負うものである。

ずしり、ずしりと
降ってくる重みが
年寄りの腰を曲げるのだ。

{引用=
 ああ、今年もまたこの日が来ました ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった

なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした

あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
 ....
ねぇ、
君は小さな身体で
世界の流れ、時間を過ごしていて
酷すぎるくらいの情報過多の時代
君は処理機能を失いかけている

本当は、違うんだよね

君の目は、涙するためのものじゃない ....
儚くて そして 美しくて

きらめき







したたり





またたき








結果


身動きがとれなくなる
 ....
グラマラスバタフライ
僕を狂わす炎

美しい人よ
その魅惑的な瞳で
僕を誘惑しておくれ

今宵僕らは二匹の蝶となって
真夜中へと堕ちて行く
二人の体は絡み合ったまま
二度と離れられ ....
 バカな男といわれた

 バカにはバカなりの理屈があって
 しかし人は融通なんてきかないからそのまま真っ直ぐ生きる
 家族だからって
 がんばって手を上げないで
 あんた自分傷付けてど ....
造作もない 踊り場の片隅
傾きかけたグランドの
後追いかげに
揺らめいていた、
差し向いの海霧を
見ていて下さい と
私、

永遠よりも
変わってしまう哀調で
音という音は隔され
 ....
袋から取り出すと 現れたハンバーガーを

ハンバーガーを僕は買ったんだ


僕が考えていると
窓では雨が降っている
しかも 世界中ではいろいろなことが起きている
けれど あ ....
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