(?)カラス
年末セールの字に
僕は目となり 毛皮へと歩くのでした
行き交う人々
電車の揺れは 暖かそうな
コート コートニーたち
カラスが裏側
があがあ
黒く
スピーカ ....
ことしは山下達郎より
ジョン・レノンがよくかかっている
ジョンのほうが達郎より
世界観や祈りがあふれている
苦しいときこそ
そばにいるひとを感じていたい
この気持ち ....
あ、
雨の夕刻は
アスファルト状の黒いノートにおいて
ひとつぶ、ひとつぶ、別々の
無数の濁点だ、
*
雨滴、
雨滴、
黒く
滲んで
広いひとつの痣として ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨ら ....
けだるげな午后
眩暈のするような陽のひかり
遠い喧騒
ひた、ひた と
満ちている
あくびする野良猫
市場で物売りが媚を売る
温い風にひるがえっては落ちる、安宿のカーテン
音もなく
....
優しさの前に立ったとき
どうしようもなく
人見知りをしてしまう
なかなか差し出せない手を
ぎゅっと握って
その手のひらは
汗だくになってしまう
嬉しさの前に立ったとき
どうしよ ....
君は太陽なんだ
煌々輝いて
世界を光に染めて
命を育んでくれる
僕は影だ
黒々と形を作り
何も見えないように
形だけの存在
君は眩むくらい輝いていて
僕は其の分
色濃く形を残すから
君 ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
雨が落ちてきた
それは今までのどんな雨よりも冷たくて
僕を体から冷やしていく
見渡すと人は皆雨の中にいた
雨の強さに泣き続ける人
雨の冷たさに耐え続ける人
雨から逃れようともがき続 ....
僕から君へ
それは届かないかもしれないけれど
届いてしまったなら
ごめんなさい
僕は
それが届いてしまった
世界であやまってばかりいた
ねえ、おかあさん
ここはどこなんだ ....
ジーパンは死人の包帯
渇いた大腿部を
外灯が
曇り空の
なみだのように垂れて
ネオンは
地上で
唯一のひかり
同伴の
女は死化粧
妄想と ....
林檎の艶は
きみに似ている
口を酸っぱく言われても
じゃれて、もつれた笑顔が
子猫の甘噛みのように
僕を誘うから
僕をどうか響かせて下さい。
そのしなやかな、指先で、
き ....
両手いっぱいに抱えた色
おばあさんには赤を
泣いている子供にはオレンジを
爽やかな恋人達には輝く白を
配っても配っても
なかなか両手は空にならないから
一番大切な人 ....
暮れる山際を 今一度あたためて
きみの羽音がやってくる
ぼくの傍らの くろぐろとした草のかげに
あしもとの 見えない流れを聴きながら
ぼくも羽を震わせてみよう
この盆地の細長い空にかわる ....
屑かごに捨てられた屑というもの
笑顔だったりする
捨てられても
笑っている
シワがよって
泣いているように見える笑顔
泣いているように見える
わたしの心
資源ごみは
....
欠点はね、
やさしく撫でられたら
十分なのです
無理をして語らないでください
いろいろな角度から
見つめないでください
寄りそうだけで
よいのです
見渡せば ....
神様の存在は
哲学的な
透明な
冬の日のかなしみ
午前のひかり
埃くさい言葉たち
その反語たち
神様の存在は
哲学的な
透明な
十一月のから ....
ふたり、
ってなんだろ。
あなたと撮った
ふたりの
写真を見ると
いつも
あなたは
おれの右腕に
ひしっ、と
左腕をからませ
笑っている。
「満面の笑み」
との形容 ....
十くらいはなれた
妹に
よく似た娘に
やさしくしてしまう
やさしくした後で
そのうかれた顔は何だと
誰かに言われたわけではないけれど
きっと僕は
そんな顔をしてる
もっ ....
だれかを傷つけたり
SOSを聞けなかったり
たいせつなひととはいつも
まずい別れかたばかりしている
ひとは事実ではなく、言葉に反応する、
二年まえいったセミナーで覚え ....
眠れないんだろうな
なんて
思う夜はやっぱり眠れなくて
二時間もすれば
なんだか
現実味もない夢で目が覚める
ヒーターの残り火が
まだ部屋をぬくめているようで
ぬるい
そんな朝は ....
間違っていたら、ごめんなさい
いつ、どんな時でも
一緒にいられなくて
ごめんなさい
いつ、どんな時でも
優しくなれなくて
ごめんなさい
いつ、どんな時でも
励ましてあげ ....
今日もこんな時間
なぜ生まれてきたのだろう
嫌という意味じゃなく疑問
僕がHEROならば分かりやすくていい
でもHEROじゃない
HEROならば誰のHERO
....
二人で均衡をえられるように、ひとりは少し前に座った。
錆びた支点が何度もギーガー、鳴って、夜の星は笑った。
それから、、ジャンプして重力のないところまで行こうとした。
着地した公園に ....
冬の女王がローブを翻すと 雪は地に口付ける
棺に眠る秋を抱擁する腕は 冷たく
眠りは永遠のように凍り付いてしまう
その腕は 剣のように鋭利な 痛みを持って
空から降るいつかの春 ....
どうして いつも目を伏せてまえをみるの
どうして 気がつくとタバコのため息なの
どうして 何もかもあきらめている風なのに またひとりなの
しってるよわかっているつもりだけど
隣にあたしがい ....
レスポール 叩きつける
マーシャル
ズタズタになるまで
合わせる チューニング
針の穴 鍵穴
星も出ない夜、
寒さに静まり返り
冷たさだけが
消えた街灯の下に
佇んでいる
よる、
眠りに付こうとする
皺だらけの手が
手を伸ばすと
両の肢がでる
大地は俟っている
....
金曜の夜
僕は誰かを探しに行く
誰もいないその街へ
つめたいビールが飲みたくて
土曜の朝
知らない誰かと眠ってる
眠りから覚めれば
またひとりぼっちになるから
夢を見つづける ....
何度 歌を歌い
何度 母の料理を食べ
何度 人とせめぎあい
何度 ギターを弾き
何度 傷つき
何度 ダーツをし
何度 本を読み
何度 病を得
何度 詩を書き
何度 人と愛し合ったろう ....
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