マシュマロ島がくるくるまわりながら
洗濯機の中身のようにまわりながら
汚れ落ちのように
溶けてゆくのです
ココアがだんだん白くなる
さっきベランダに来てちょっと鳴いて
行ってしまった鳥 ....
新しいドライヤーだけれど
白くてやわらかい
両輪がふたつに割れる
夢に見たんだよ
耳の後ろの痛さを
口ばしる
側に
置いておいてくれる人の大切さで
判ろうとするのは
恥ずかし ....
/
/かなしい/おしらせ/です/
/あなた/を/この/あたま/から/しょうきょ/し/ます/
/さようなら/おげんき/で/
青いにおいが鼻につく
遠くに見える海が白い光を生みだしている
....
雨は降りぬ
ツバメが飛ぶ
赤子が泣き
木にそよぐ風
ふんどし締めて
9時間の講習を受け
電車のドアにはさまれる
駅を乗り越す
ゼナを飲む
松屋の牛丼食べ
布団に入ったら
....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから
わたしは「夢」を視る
捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して
白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う
....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている
背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて
もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間
チリリ
(一陣 ....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った
「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
筆先に
少しついた水を
ふりはらえば
雨もあがった
かならずそこに
たどりつける
ゆびがいたくても
ほほがしくしくしても
なんて濁った川
を体は流れている
発信しつづけ ....
詩は
誰にでも届かないところで
誰にでも触れられない距離で
詩は やわらかい
詩は 傷ついている
詩は
誰にでもからだをゆだねて
詩は おとなしく それでも ....
風の中のミィ
押し潰されそうな
小さな体を
必死に支える
可憐な笑顔
憶えているかな
丸く小さな影
ただ泣いていた
小学校の下駄箱を
風の中のミィ
一瞬でアイド ....
からりからりと晴れた空
君は何を思うのだろう
溜まった洗濯物は風が揺らし
休日の私は君に揺らされる
いっそのこと
忘れてしまえば良いのに
忘 ....
君にまかせて 風は吹くよ
ままに まに まに
ここに にここに
おいてけぼり なの でも
ままに まに まに
ふくよ
*
ときおり 吹く風はまかせまかせ ....
あなたと知り合って
何度目の春でしょう。
どうしていますか?
お変わりありませんか?
たとえ、
相変わらずでも構いませんよ。
少しくらい変わり者な方が
楽しいじゃありませんか。
その方が私も安心で ....
今生は空虚すぎて
箱庭の内から出る事さえ
何か意味が有るのかと
問いたくなる青空
底は何処までも深く
青が淡く深く時を刻む
流れる時間の虚しさを
どう遣って伝えれば
届くのかと
....
砕けた星が
スウィング・バイしていく
いまにも
純潔は窒息しそうで
そのうえ
日記は白紙で
小説も空白で
そのことにきづけなかったひとびとは
拡散するすんぜんだった
天体 ....
ボディの色が気に入ったので
エレキギターが欲しくなった
メーカーの最上位機種
カラー名はアバロンとある
「AVALON」は
イギリスの何処かにある伝説の島
アーサー王の遺体の眠ると ....
遥かここまでやってきた
僕は僕を忘れそうになって
雨の中
立ちすくむ
胸に渦巻く想いを
吐き出したくて
葬りたくて
だけど言葉が足りなくて
そしていつも
恋にすがろうとするけど
今の僕は
....
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく
月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
毎日 ベタベタするのはニガテ
ランチ食べるのも 映画見るのも
買い物行くのも 小旅行だって
ひとりの方が気が楽だったりする
メールの返信だって 律儀な方じゃなくて
よく心配か ....
私と何か黒い人のような誰かがいた。
二人は少し距離は離れていたけど、向かい合っていた。
私がふいにキスしようとした。
そうしたら、何か黒い人のような誰かは私との距離を離そうとしていた。
が ....
わたしは、ここ
あなたは、そこ
この距離は因果律
決して縮まることはない
時間はいつも嫌になるくらい前向きで
振り返ってはくれないから
誰もが桜の空を仰いでいる ....
よっこらしょ
そんなことばが口癖となった
ひとしきり身の回りの片づけを終えると
臨月の大きなお腹を抱え物干し台兼用のテラスへ這い登る
白いペンキを塗り重ねた木製のデッキチェアに身を委ね ....
戦争が終わらない
真夜中は
戦争を始めるため
回避するため
会議室で行われている
夜更け
戦争のための戦争は
繁華街に移行され
朝まで続く
眠らない街に
灰になって積もっ ....
誰かのせいにして
何かのせいにして
思い通りにいかない
物事すべてを妬んだ
突き詰めれば原因は
鏡の中に晒し出され
無理やり笑顔を作って
ひとつ軌道修正をする
壊れた空には傷痕ひとつ。
草にまみれて手を伸ばし、
嘘ぶく風が吹こうとも、
夢の切れ端 溶けてはなるまい。
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あばらの浮いたこの体
流 ....
雲間から
虹の手が
世界にのびてくる
わたしは
君の手を
掴もうと
空に手をのばす
だけど
意地悪な風が
わたしの手を
かきけしていく
軈て
....
わかれ ちぎれる 雲間を
縫いとじてゆく聖歌の雨だ
みんなして一斉に生誕をやりなおす
後ろ向きな朝が明けた
ルリラウラ ウルトゥルル
産声が湿り積乱し 大空をくるんで遮ってゆく
きっと ....
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく
わたしの
肯定を知りたい
たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれ ....
さ。く。ら。ち。る。ち。る。
さ。く。ら。ち。る。
文字は花びら、桜散る。
て。ん。て。ん。て。ん。て。ん。
転々と渡り暮らした町々の
別れの記憶に桜散る。
....
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