冬の夜小さく光る星の隙間から夕空が落ちて
いたので
拾って
帰りました
夕空はすっかりくたびれてオレンジもすっかり擦り切れて青ざめてまるで
紫の
宵っ張り
みたいです
所々に張 ....
今にも落ちそうな
線香花火の最後の赤が
すっ
と
手元で息絶える
嗚呼
恋は終わるのだ
こんな風に
化石になって
夜の片隅は 窓際に満ちていて
澄みわたった天空のオリオンと
交差しています
歴史の流れを彼なら
知っていると、したら、
交差する窓際と宇宙の果てに
言葉に似たものがあると、したら、
....
1枚の紙がたくさん集まって段ボールが出来てるんだよ
薄い紙1枚じゃ支える事ができないから
いや
薄い紙1枚でも心は支えられるんだ、心は
あと間接的に身体をもね
でも
モノは紙1 ....
五年前のあの日のように
神戸港の広場で
石段に腰かけ
体を反らし
旅先の空を仰げば
ふたつの雲は
互いにゆっくり
近づいて
( 異なるものは些細なことで
( ....
オリオンが
その名前を残して隠れ
朝は針のような空気で
小鳥の声を迎えうつ
わたしは
昨日と今日の境目にいるらしく
まだ影が無い
太古より繰り返す冬の日
あたたかい巣箱から
掴み ....
人の気持ちに過敏になって
自分の気持ちに鈍感になって
それでいいの? って誰かが言った
自分の中から聞こえてきたので無視をした
きみはひどく咳き込み
すぐに踞った
今日は風がつよいね
手をつないで
髪を
なでた
すきだよ
あまく
湿った声は遠く
いつも
おびえているみたいだった
....
かじかむの夜のすみっこで
たき火を思う指に皮を抱く
ひざが指だった
氷のような でも 押さえていた
僕は幹を見た
未来に青むプラスチックに
僕を霞の僕に作りあげようとした でも
すべ ....
ただ、ぎゅっと
握り潰してくれるだけで良い。
内臓を全部出してしまって、
テーブルの上に乗せて観察する
クロスが汚れたけれどもいいの
ずっとこうしてみたかった
豆電球のの弱い光のせいだろうか
炯々とした雪の反射光のためだろう ....
真実を言葉にすると
嘘になる
痛みをやわらげると
傷になる
ただ すべる手と手を
ただ 重なるぬくもりを・・
今日は ホント会えてよかった
口数の多い、いつも飾ってばかり ....
夫のカノジョは夫の同僚だった
若くてきれいな女なら
わたしこんなに苦しくなかった
夫が恋をしたのは
働くお母さん
だからこんなにわたし苦しい
新聞にあった人生相 ....
短針が少しずつ
牛のしっぽに圧力をかけて
時計がまんなかで 手を合わせるよ
まるで「いただきます」
みたいな「おめでとう」だね
それは温もりある言葉だね
新しくなった人々 ....
「あけおめ」って君からのメールが入る
その軽いノリに時々イラつくこともある
けれど
波瀾に満ちた一年を見送ったいまは
それは灯りにしか見えなくなる
なぁ月並みだけど
いまから初日の出を見に ....
Thinking time.
悩んで、迷って
成長する
でもね
YESやNOで
分けられない事がある
証拠や根拠が
なくても、
それだけが
全てではないのです。
物より
....
ゆるくカーブする 地下道
湾曲する照明に 視線は導かれていく
低い天井の通路は ときどき分岐する薄闇から黒い人影を吐き出している
揺れながら近づいてくる人の視線は
私の背後
どこま ....
重い身体を引きずって
けだるい空気を身に纏う
手の届かないものを愛して
非現実的な歌を歌う
僕の太陽
僕の慈しみ
何処を探しても見当たらないから
雨上がりの重苦しい雲が垂れ込めて
....
恋は夢のようだ
行き場のない電車は
どこから来たのか
窓が濡れている
扉から未確認人間の群れ
黒いリキッドとして流出
その中をさりげなく
歩いてくる恋は
目の前を通り過ぎ
風景と同じ ....
一年の垢を落とし
一年の疲れを落とし
一年のコリをほぐし
リセット
年賀状を見て
今年も頑張るぞー!
楽しみ、不安、苦労
乗り越えてみせる!
だから夢を見よう
だから忘れよう ....
ちょっと生まれ変わる。
「それはとても阿呆らしい。」
あの子が言う。
何かを知る。
何かを忘れる。
きみの顔を知っていた。
きみの声から忘れていった。
何も ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで
ラッシュアワーに平気で押しのける
普通に見 ....
081229
面白い
心の缶詰
煮て過ごす
口直しの
通り雨
北から南へ
蹌踉けてる
巫山戯たヤツだと
猫イラズ
銀の鉱山
お金 ....
星降る夜にちいさな灯りがぽつん
ちいさなお家で
窓の外にも聞こえてくる
若夫婦が楽しそうにおしゃべりしているよ
プチプチリルレ
プチリルレ
ここは とってもおいしい と
評判のち ....
最近、体が重くなった
癖がひとつ増えたから
街中では
がちゃがちゃと
大人たちが
癖を重たそうに
引きずりながら
歩いている
誕生日にひとつ
プレゼントされる ....
081226
1939年製の並四ラジオをレストアし
ケータイ化も出来たので
朗読イベントの小道具に試用した
お客様は好意的で
耳を澄まして聴いて ....
眠れない夜がしんどくて
噂の狂犬をしばく事にしました
みんなで力を合わせて
平和に飼い慣らされた 僕達は
戦う前から負け犬でした
死にぞこないの狂犬は言いました
「逃げろ!」
....
冬の匂いがする
そんな日は
ひとり
あの日の曇り空を思い出す
車のクラクションが
現実を連れてきたら
どうしようもなくて
心が泣く
ねえねえ
ねぇ…
街角に立っ ....
忘れていって
生まれてまた
呼吸を覚える
雪にのまれて海を探す
枯れた花が埋められたら
そこからはもう逃げ出すしかない
白の中をゆっくりと
その中から生える手に足をとられても
白の ....
少女の夢は蜂蜜のように甘ったるい
乙女の夢は生クリームのようにとろける
女学生の夢はチョコのようにほろ苦い
大人になった私の夢は
鍋にこびり付いたジャムでしかなかった
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