君は
君の家に入らない

雨が降っているというのに
軒下の風を嗅いで前足を舐めている

私の上には屋根があるので
髪に降るよりも
雨は、
硬質な響きで
音の羅列を渉っていく

 ....
      1

眠れない夜は、
アルコールランプの青白い炎に揺られて、
エリック・サティーのピアノの指に包まれていたい。
卓上時計から零れだす、点線を描く空虚を、
わたしの聴こえる眼差し ....
太陽    なのか?

がのぼったまんまだ

もう ずっと

ぐっしょりと潤んで


乾かして

からからに

ぼくらを

見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ

 ....
頭の中につまっているよ
つららのように出来たんだろうねこの
目にうつるものたち
首の後ろがちりちりしてるんだ
太陽にあきらかにされた
急勾配の斜面の野原を
こわれかけているしずくがたくさん ....
ひとりひとりを抱いて放して
そしてひとりも戻ってはこない
雨のなかの羽
ぬくもりとまぶしさ


ひたいの上の
羽の柱をまわしながら
空に立つ不確かで巨きな
ひとつの羽を見 ....
ある、

といえるものは

ない、ともいえる

ない、

といえるものは

ある、ともいえる


ある、とも

ない、とも

いえないものは

ない、ということだ ....
この動物だけは奇妙だ

自分がエサを探しに草原を走っていると
逆にこの動物に捕まってしまった
さすがにその時は命の終わりを
すっかり覚悟した
だがこの動物はなかなか自分を
食べようとはし ....


昼寝でもしたくなるぽかぽか陽気だ
ぽかぽか陽気に抱かれた町で
電信柱の黒い毛に結ばれた商店街の
のんびりとしたアスファルト
のんびりとしたアスファルトの上で
サディストがマゾッホを ....
人間になったときに
長いしっぽは捨てたはずだったが
ゆうべまた失くしたので
蜥蜴になろうと決心した

体が楽になったのは
まっすぐで生きられるからだろう

背中が陽に染 ....
 何の為に生きるのか その理由が知りたくて
 僕は昔君に聞いたんだ
 君の横顔は美しくて
 僕はあぁこの横顔が見たいから生きているんだな と思った
 でも君が老いていくのは嫌だった
 僕はま ....
傍観者は誰か。

世界中のシーツの波に難破する、逆転のとき。
ぼくにもあなたにも等しい速度で、傍観者は誰か。
表情、それは自動散水機。
灰、灰、灰、――ときに身を翻す。
身を翻し、失われた ....
写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく

通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出

岩 ....
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている

たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
ワガママなあなたはハナっから
あからさまな逆さまだったから
飾らなかった露わな狭間
また真っ逆さまだ

あなたは若さ、または様々な甘さが
早々、たわわだった

まっさらな朝っぱらから
 ....
しずやかに睫毛を下ろした女の人の
うっとりと水が疾走する線路の方角に
暮れては滲んでしまう稜線がその輪郭を喪ってゆく
眠れない枕木は鍵盤となって揺れながら
囁かれた嘘の吐息にしがみついた
 ....
ダッシュボードに斜めに突っ込んだ
おもちゃみたいなラジカセ、レゲエのリズム
全開の窓から
おまえは
ほっぺた出して
ぶるぶるやってた
子供みたいに

俺は
クラッチとアクセル
ジャ ....
ひからせや あかく
つれゆく ねごもり
ほうらせ かたせに

おとなう みにおう
きりあめ とかれて

ゆきいろ ぬかるみ
おりこむ みついろ
 僕の仕事は重罪を犯した人間を死刑執行人として処刑することだ
 とても責任が重い仕事だ
 今日も刑務所に罪人がやって来る
 ひょろっとしていて猫背で全身が青白く目玉がぎょろっと出ている男だ
  ....
大学を中退した
だって
だるいんだもん
ダイエットにも失敗
大好きな
ダーリンが
ダメな私から
だんだん遠ざかっていく
ださい
大音量で
ダナグローバー聴いて
だらだらとベッドの ....
すかっとしたい
暑い夏にラムネを飲むような。
急な思いつき!
庭にビニールプールを膨らませて
冷たい水を張って
勢いよく飛び込むような

それはなんて薄く青い宇宙だったんだ


宇 ....
 いくつもの岐路に立って
 流れる雲の下
 永遠なんてないのだから
 絶え間ないこの血潮の想うまま
 流れているのか流されているのか

 いつもの交差点では
 運の悪さを象徴するように
 ....
まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも

 ....
息子が戦場へと行く
それを彼の父親と祖父が見送る
私はどうして息子が戦場に行くのかを知らない
私は何度も自問する
なぜ息子は戦場へ行かねばならない
なぜそのことを私は知らない
息子は父親と ....
品川駅のスターバックスコーヒーからは
高輪口と港南口を結ぶ中央コンコースを
本当にたくさんの人たちが
サーモンピンクとライムグリーンに色分けされて
指定された方向に運ばれていくのが見下ろせて
 ....
たとえば僕の場合それは
初めて
しり あった

というやつと
つめたい汗を皮膚に浮かべながら
五月
間延びした地方都市のなかで
その延びきったらへんで
道がすこしだけ
ほんの少し ....
卒業式の当日
駅のホームで
アルバムを捨てた
お前の青き日々は
きっと
茘枝のころ
「家政婦募集容姿端麗、声に特徴のある女性歓迎」

 貯金はもう少しで底をつく。最早迷う術がないのはよく分かっている。だからと言って、これだけの新聞広告に飛びつくやつが私以外にいるのだろうか。と思っ ....
微かに血の色を混ぜた
純白の火照り。
月光を浴びた濃淡の起伏が、
永くしずかに波打つ夜

幾重にも重なりあう
厳かな山脈を流離う爛漫、
滑り落ちる霞のごとく
裾野へ降りて散る花、死、花 ....
彼女は彼女
泣きもするし笑いもする
それは彼女の涙で
彼女の笑顔
彼女は素敵な惑星

白いシャツがまぶしくて
目を逸らしてたんだけど
やめた
真っ直ぐ見よう
それは彼女の光
風が ....
強く握り締めると壊れてしまって
口付けを交わそうとすると首の骨を折ってしまって
優しく愛撫しようとすると
皮膚がべりっとめくれてしまって

そんな風になったあなたを
私はきっと愛 ....
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