すべてのおすすめ
子どもが三人産まれました
どれから先に取り出したのか分からなかったので
適当に順番をつけました
今日からこのヒエラルキーにしたがって
彼らは生きていくのです

一番上のお兄ちゃん ....
私を死刑にしてください
私を死刑にしてください

街行く人に向かって
私は大声で叫びます
みんなが私を振り向いて
みんなが黙って去っていきます

お嬢ちゃん
一人の紳士 ....
私は朝からずっと観覧車に乗っています
同じところをぐるぐるぐるぐると
朝からずっと回っています

病室の窓からは
あの人がこの観覧車を見ています
そして時折絵筆を取り出しては
 ....
人を殺そうと思いました
私はまだとても幼いので
私が人を殺せば
とても大きなニュースになるでしょう

私は殺すための人のリストを作りました
私の周りにはいい人ばかりでしたので
 ....
僕の妹は背丈が大きい割りに
顔が幼いのを気にしていた
僕はそれでも十分だよと言っていたけど
妹はどうしても納得いかなかった

二人で町を歩いていると
きれいな女の人が歩いてきた  ....
整列、点呼

僕の車しか止まっていない駐車場から
大きな声が聞こえてきた
一、二、三、四・・・
きびきびとした張りのある声が響く

一匹の猿が厳しい目で
小猿たちの点呼を確 ....
約束の時間になっても
あまがえるは姿を現さなかった

もうすぐぽつぽつと青苗が植えられる水田は
今日の雨を十分に吸収して
ちょっとした池の様だ

ゲコゲコ

申し訳なさそ ....
そろそろ準備をしとかないとね
あまがえるは僕にそう言った
明日からなんだ
あまがえるは少し嬉しそうだ

まだ大きな声は出せないんだけど
あまがえるはそう言いながら立ち上がって
 ....
息子が戦場へと行く
それを彼の父親と祖父が見送る
私はどうして息子が戦場に行くのかを知らない
私は何度も自問する
なぜ息子は戦場へ行かねばならない
なぜそのことを私は知らない
息子は父親と ....
「家政婦募集容姿端麗、声に特徴のある女性歓迎」

 貯金はもう少しで底をつく。最早迷う術がないのはよく分かっている。だからと言って、これだけの新聞広告に飛びつくやつが私以外にいるのだろうか。と思っ ....
強く握り締めると壊れてしまって
口付けを交わそうとすると首の骨を折ってしまって
優しく愛撫しようとすると
皮膚がべりっとめくれてしまって

そんな風になったあなたを
私はきっと愛 ....
まるで横断歩道みたいにされたら
間違えて踏んじまうのも無理ないさ
いて、って声が聞こえなきゃ
あんただってすぐには分かりゃしないよ

鏡の中で色を合わせて
おんなじ姿をしてみるの ....
僕の頭のおかしい友達が
僕と手をつなぎたいって言い出した
その手は何かべったりした物を触った後のように
ぬめぬめしていて
僕はすごく嫌だったけど

僕は彼と手をつないだ
鼻歌 ....
子どもを三人殺したと
自慢する男がいた

あたしゃ子どもを三人産んだよ
そういった小太りの女がいた

子どもを三人殺した男は
一人ずつどんな風に殺したのか
丁寧に説明してい ....
ふくれっ面のあなたの頬を
針で突き刺したら
プシューと間抜けな音を立てて
空気が漏れてきて
その風で台風を起こして
そこら中を吹き飛ばして
真っ平らになったから
とにかくい ....
盲目の老紳士が言う
君の声はママの声に似ている
私はそんな彼のために
毎日いろんな本を読み聞かせる

昔話
遠い国で起こった戦争のお話
時には絵画を細かく言葉で表現する
 ....
今日もまた一日を不完全に過ごす
なにも完成せず通り過ぎるだけの
長い一日

昨日あの娘は一日を完成して
嬉しいよお、嬉しいよお
と云って
何も残さず死んでしまった
彼女は ....
うちはあんたのことがめっちゃ好きやねん
ほんま誰にも渡したくないねん
いっつも調子のええことばっか言う人やけど
なんやしらんとにかくめっちゃ好きやねん

東京弁の女がええと言うから  ....
黒が透き通る世界に
いろんな音が混ざりこむ
犬の寝息
もれる電子音
そして、一瞬しんと静まる
夜の音

星の瞬き音に呼び止められ
黒と混ざり合った空を見上げる
逆さに ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて  ....
月を見ながら死ぬ君は
夜明けの太陽を
むしろ恨むことだろう
君のいない明日を
やつは何かの始まりみたいに
照らし出す

君が死ぬ時間に
起きている人は
ただ眠れない夜 ....
久しぶりに目覚めた無限は
世界中の空気を吸い込むように
息をした

どこまでもどこまでも
果て無き肺へたどり着くまで
空気たちは無限の中を彷徨った

無限はときおり
ほ ....
夜、冬空の下に魂は凍る
武器を持たない戦士は
凍りついた魂を削り
剣を作る

悪魔の肉を切り裂いて
真っ黒な血が夜を濃くする
凍りついた魂は
月に照らされ
黒々と輝く ....
隣に座った
109番目の男
最後の番号を振り分けられた
私の隣で
じっと前を向いている

彼はどの煩悩の担当からも外された
「一緒にいても楽しくない」
他の煩悩担当者たち ....
アダムとイブが
神様の庭を追われた一週間後
アダムにもしものことがあったとき用に造られた
もう一人の落ちこぼれのアダムは
目を覚ました

神様には
目覚めたときに
優秀な方のアダムがい ....
あの娘は世界を見つけた
そこには世界が広がっていた
周りをどれだけ見渡せど
世界だけが広がっていた

縮み上がるような冷気の中で
小さな小さなこの場所から
世界を知ってしまっ ....
無口な男がもてる時代は
もうとっくに終わったかい

遠くを見つめて
佇む姿は
もう飽きたかい

一瞥すれば寄ってきた雌たちも
今では面白い奴が
好きなんだとよ

 ....
ショッキングピンクに彩られた図書館で
同じ色の目をした受付嬢がこう言った

あなたの瞳は黒いわね
あなたの服も黒いわね
きっとあなたの子供も黒いのね

ショッキングピンクの壁や床 ....
皮膚(かわ)を剥がれた兵隊は
本当は安心していたのかもしれない

あの凍土を溶かすかのような悲鳴は
快感の叫びであっただろう

降り積もる雪が
じわじわと真っ赤に染まる中
 ....
もも うさぎさんのなかがわひろかさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三兄弟の末- なかがわ ...自由詩7*07-6-4
少女の死刑- なかがわ ...自由詩5*07-5-31
観覧車- なかがわ ...自由詩8*07-5-29
少女の殺人- なかがわ ...自由詩7+*07-5-29
僕の妹- なかがわ ...自由詩8*07-5-28
夜の駐車場にて- なかがわ ...自由詩7*07-4-25
雨、尽きた後に- なかがわ ...自由詩3*07-4-23
あまがえる、前夜- なかがわ ...自由詩6*07-4-22
無知の出立- なかがわ ...自由詩3*07-4-12
【小説】老紳士の秘密の部屋- なかがわ ...散文(批評 ...4+*07-4-11
巨人の恋- なかがわ ...自由詩8*07-4-11
地下鉄カメレオン- なかがわ ...自由詩5*07-4-11
青き日々のフレンドシップへ- なかがわ ...自由詩2*07-4-9
数合わせ子- なかがわ ...自由詩3*07-4-7
風、風- なかがわ ...自由詩4*07-4-6
盲目と、老紳士と、女- なかがわ ...自由詩5*07-3-26
不完全な一日- なかがわ ...自由詩3*07-2-24
東京弁の女- なかがわ ...自由詩1*07-2-18
黒に滲む、音と空- なかがわ ...自由詩5*07-2-13
わたしが死んだ後に- なかがわ ...自由詩15*07-2-2
お月見日和- なかがわ ...自由詩5*07-1-17
無限吐息- なかがわ ...自由詩3*07-1-17
魂を研ぐ者- なかがわ ...自由詩5*07-1-11
109番目の男- なかがわ ...自由詩7*07-1-11
もう一人のアダム- なかがわ ...自由詩11+*07-1-11
世界と少女- なかがわ ...自由詩4*06-12-1
スヌーピーの多弁- なかがわ ...自由詩8*06-11-29
ショッキングピンクの図書館- なかがわ ...自由詩8*06-11-27
剥がれた兵隊- なかがわ ...自由詩4*06-11-12

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する